■いやな命令
上司から、明日の打ち合わせの予定を変更するように先方に伝えてくれ、と頼まれたとする。
あなたならどうしますか?
即座に受話器を取り、先方にそれを伝え、了解を取って上司に報告する。
概ねの上司が期待するのはこんな行動でしょう。
ところが、
「わかりました」といったきり、電話をする様子もない。
上司がしびれを切らして、「さっきの件はどうなった?」と尋ねると、「午後のほうが先方がつかまりやすいと思って」とか、「今日中に連絡すればいいのかと思ってました」と答える。
まぁ、指示を忘れているわけではなく、マイペースで物事を判断し、自分の都合や感情で判断してしまうタイプの人がいます。
電話をして相手がつかまるかつかまらないかは、かけてみなければわからないし、連絡が遅くなれば、さっきまでは変更可能だった先方のスケジユールが動かせなくなってしまうことだってあります。すぐに実行に移せば忘れる心配もないのだが、後まわしにすることで結局亡心れてしまう危険性もあります。
こういった一つのことを実行するとき、テキパキと処理するタイプと、グズグズして周囲をイライラさせる人がいます。
また、普段はなにごともテキバキと処理するタイプの人でも、クレーム処理や無理な依頼をしなければならないときなどは、できるだけ先延ばしにしたいという心理が働いて、わかっていながら遅らせてしまう場合もります。
■嫌なことほどすぐにやる
これはイヤなことは後まわしにしたいという気持ちからで、わからなくもありません。
誰だってイヤな思いをするとわかっていることにはかかわりたくないし、できれば避けて通りたいと考えるでしょう。
でも、実はイヤなことほど最優先して、さっさと片づけてしまうのが得策なのです。
グズグズしていればそのイヤなことから逃れられるというのなら別ですが、どうせ避けて通れないのなら、一刻も早く処理してしまったほうが、とにかくその件には決着がつき、なんらかの結果が出ます。
連絡するのがイヤだからといって先延ばしにしていれば、その間ずっとそのことが気になって、イヤな思いを引きずり続けなければならくなります。つまり、嫌なことが起きるのは同じでも、それを「やりたくななぁ」と考えている時間ぶん、よけいに「いやな気持」を感じる必要があるわけです。
さらに、さらにそんな落ち着かない時間を過ごしていれば、つまらないミスをおかしたり、無愛想になったりして、周囲にも余計な迷惑や好ましくない感情を振りまく結果になって、自分の周囲からの評価を下げかねません。
イヤなことだろうとそうでなかろうと、物事の処理をグズグズすることには
「百害あって一利なし」
と考えましょう。
■もしグズグズ人間にあたったら
もし、自分がそういった「グズグズ人間」に何か頼まないといけないとしたら、どうしたらいいのでしょうか?
グズグズしているか、すぐにさっさとやるかは、ある程度相対的な物もあります。
あるグループの中では、そのひとは「すぐにやれない人」だけど、他のグループの中ではそうでもない場合もありますので、「〜さんと比べて仕事が遅い」と考えると、それがやたら気になったりします。
管理職になると、複数の人の行動を注意して見ることになるので、この「相対的にグズ」が気になってしまいます。
また、そういったものは性格的なものが影響しているみたいですので、注意してもあまり改善しません。
逆に、「この上司はやたら急かすのでイヤだ」とか言われかねません。
そうなると上司の指示自体がグズグズする理由になってしまうので逆効果。
上司としては、できるだけ迷惑をかけられないように防衛したほうがいいようです。
つまり、仕事に重大な支障が出そうなものは、
その人には頼まないようにする。
これがトラブルを起こさないコツかもしれません。