成果を出す能力





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知的資本は、人的資本・構造的資本・関係性資本の三つからなるといわれています。未来の人的資本は「人の成長」であり、未来の構造的資本は「ビジネスモデルなどのアイディアの創出」、そして未来の関係性資本は「新しい人と人とのつながり」を生み出すことになります。

野村恭彦 『フューチャーセンターをつくろう
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これは「フューチャーセンター」という場を作るということをテーマにした本なので、ちょっと私達一般サラリーマンにとってはハードルが高いお話でしたが、非常に重要な事がさらっと書いてありました。それがこの文頭の一節。

サラリーマン個人における「知的資本」は、対象が会社であれ、個人としての私生活であれ、その資本を使って何かを生み出すための要素です。
すなわち、成果を上げる能力というのは、次の3つになるということです。

 ・個人の能力
 ・組織の能力
 ・人間関係の能力

さらに成果が上がるかどうかは、

 ・その時代、環境

もパラメータとして必要ですね。これはサラリーマンごときにはどうしようもないところが多いですが。

自分磨きと言うのは、最終的には、サラリーマンとして組織の成果に以下に貢献したかによって測定できますが、狭い意味での自分の能力がどれほど上がっても、成果はある一定値で頭打ちになります。成果を累積的に大きくしていくためには、残り2つを改革していかないとダメなんです。
喩えで言えば、

 あなたがいくら素晴らしいブリリアントカットのダイヤモンドであっても、砂漠の中にあっては価値がない

ということです。王冠の中央にあって、きらびやかな光を受けて始めて価値があるんです。

皆さんがよく読まれるビジネス書や成功本などもどうも「個人の能力向上」が中心に書いてあります(それしか書いてなかったりします)。
よく言われる成果の方程式ですが、

  仕事の成果=考え方×意欲(モチベーション)×能力

私個人的には、「(個人の)能力」だけでは成果は永久にゼロのままではないかと。
ビジネス書のように個人の能力を高めたとしても、それだけで成果が出せるというのはちょっと言い過ぎではないかと考えたりします。
※余談ですが「年収が××倍になる」とか書いてある本がありますが、あれはさすがに誇大広告では…?

■個人の能力

個人の能力とは、その人個人個人の効率的な仕事の進め方(プロセスやテクニック)です。
よく、ハックやスキル、××技術などと言われるものが属します。

■組織の能力

どの様な組織に所属しており、どの様な目標を与えられて、どの様な権限(個人的権限と組織的権限の両方)を持っているのかという点です。
ここで「組織」というのは、課→部→(事業部)→会社→地域→国(民族)というレベルまで含めて「組織」と呼んでます。

生産ラインのイチ作業員に革新的な仕事の営業成果が出せるとは考えられませんし、期待もされないでしょう。もし提案したとしても「お前がいらんことを言うな」と言われるのがオチです。
つまり、自分の提案をプロジェクトとして採用してもらい、関係部門を集めたいと思っても、そこの部門長や課長などの上司が、関係部門に影響力の行使できなければ、どんなに高いモチベーションも能力も役には立ちません。

これは単なるサラリーマンにとってはいかんともしがたい(まったく方法がないわけではありませんが)部分では無いでしょうか。

■人間関係の能力

私の会社でもちょくちょく見かけるのですが、「××部の○○さんと喧嘩したらしい」とか、「○○さんとは話をしたくない」とか、「小学生かよ…」と思えるような行動を取る人がいます。もちろんその人にはその人の理屈はあるのでしょうけど、他の部門への移籍などの話があっても「こいつだけはいらない」と言われてしまうような人がいます。

たとえどんなにその人の仕事をする技術力(スキル・能力)が高くても、「あなたにこれをやって欲しい」「一緒に仕事をしたい」と思われなければ、その人に任される仕事はありません。
インプットがゼロなら、アウトプットはどこまで行ってもゼロですね(その人が有効な仕事を自分で作り出さない限り)。

人間関係を良好に保つという能力は、多くの人が学校で「勉強」として習ったものではなく、その人が成長してくる中で、経験的に得てきた能力です。
多くの場合、「勉強」ではできるようになるものではありませんし、正解もありません。しかしながら、「これ」がその人が所属する「組織」において暗黙的に受け入れられるものではないときには、成果を出すことは不可能になります。


■成果を高めるために

より高い成果を出して行きたいと考えるのであれば、自己研鑚も必要ですが、残り2つを高める作戦が必要です。

「組織の能力」を高めるためには、一番直接的な方法は、その「組織の長」になることです。
ただ、そこに行き着くためには高い成果を出さないといけないというジレンマはありますので、今の上司をうまく使うという技術が必要なのでしょう。

「人間関係の能力」というのは、「[心理学]」「[行動科学]」といった分野にヒントがありますが、これらの基礎を環境や状況に合わせて応用する力が必要です。
私の場合は「管理職セミナー」などを受講して、実際に訓練を受けたのが奏功しました。本を読んでも身につきません。

いずれも個人がおかれた環境に依存しますので、

 ・一人ではどうしようもない
 ・理論・理屈では改善しない(必要な場合もある)
 ・一般論から個別状況への適用をリアルタイムにしないといけない

というのが難しいのですけど。

具体的に、私がやったこと(やっていること)については

 サラヒン〜サラリーマンの仕事のヒント

を御覧ください。私の環境では効果のあったやり方をご紹介してます。
ただし、あなたのおかれた環境には適合しないかもしれませんが。

また、本記事でも、より詳細な部分について詳細にご紹介をしていく予定なので、お楽しみに。



■参考図書 『フューチャーセンターをつくろう

企業、自治体、NPOが注目するまったく新しい変革の方法論が、
日本で初めて書籍化されました。以下のニーズにこたえます。

・最近よく聞く「フューチャーセンター」のことをもっと知りたい
・会社やコミュニティで「フューチャーセンター・セッション」を開催したい
・「フューチャーセンター」の概念や方法論をひろめたい
・フューチャーセンターのディレクターになりたい

〈出版の背景〉
北欧の知的資本経営から生まれた、変革の仕組み、
フューチャーセンターが、いま、日本で大きな注目を集めています。
組織を越え、多様なステークホルダーが集まり、対話し、関係性を作る。
そこから創発されたアイデアを実現するために協調的アクションを起こしていく。
そのための「常に開かれた場」が、フューチャーセンターです。
震災復興、地域活性化、新市場開拓などの課題に取り組む自治体や企業
(アサヒグループHD、富士通、コクヨ、富士ゼロックス、東急不動産、
港区、横浜市、川崎市、柏市など)が、設立に向けて動き出しています。
また、2年間で全国に1000のフューチャーセンターを立ち上げる計画も始動しました!




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フューチャーセンターをつくろう
著者 :野村恭彦

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●本書を引用した記事
 成果を出す能力
 行動科学で人生を変える
 学習する組織:マネジメントを学ぶよりも「話す」ことが効果がある
 話すのが面倒な理由
 フューチャーセンターをつくろう
 成果を出す能力

●このテーマの関連図書


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