中途採用は即戦力とまではいいません。やっぱり会社ごとの環境や仕事の進め方などには独特のものがありますし、誰に何を頼むといいのかを知らなければ仕事は成果が上がりません。
でも、新卒と比べれば、やっぱり戦力としての期待値はかなり高いです。
それに対して、新卒並みの自己PRをされるとちょっとガッカリかもしれません。
■中途採用の自己分析の大前提
最近はこういう方は少なくなったような気がしますが、中途採用の面接官をしていると、たま〜に「新卒か?」という人がみえることもあります。
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●転職と就職の違い
四章で「転職理由」の組み立て方をご紹介したので、残り二つの「神器」である「志望理由」と「自己 PR」へと移りたいところです。
でも、焦らないでください。その前にやっておかなければいけないことがあります。
それは「自己分析」です。
自己分析は就職活動の基本です。みなさんも新卒の時、苦労しながら自己分析をなさったのではないでしょうか。
しかし、転職面接の場合は、新卒の自己分析とは目的が異なってきます。
なぜなら、新卒の自己分析とは、それまで学生として過ごしてきた自分の内面を見っめる作業であり、社会とのつながりが希薄でも、致命的ではありません。
むしろ、「わたしはこんな人間ですから、絶対に御社の役に立てます!」と自信満々に宣言する学生がいたら、少し気持ちが悪いのではないでしょうか。
転職面接は違います。
すでに社会人としての経験を積んできたわけですから、右も左もわからない学生と同じような内向きの自己分析では、面接官を納得させることはできません。
大切なのは、転職活動における自己分析では、社会とのつながりを必ず意識しなければいけないということです。
一度は社会に出て仕事をした経験がある以上、いまさらウブな学生のフリは許されないのです。
一章で「転職活動はビジネスだ」と述べたように、相手のニーズを把握しておくのが、転職面接の最低限の礼儀です。
自分の内面をただ一方的にアピールしても、相手が欲しいと思わなければ面接することになんの意味もありません。
そうした前提を踏まえると、転職活動における自己分析の真髄も、おのずと見えてきます。
自分の能力や経験が、どんな業界や企業に向いていると思うのか。そこまで含めて考える必要が出てくるわけです。
もうおわかりでしよう。転職活動のための自己分析は、必ず入社したい会社の企業研究とセットになっていないといけないのです。
細井智彦(著) 『転職面接必勝法』
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本書にしっかり書かれてますので、私ごときが何か補足することはありません...で終わってしまうと、単に本書を読めばいいだけになってしまいますので、ちょっとだけ、私の考える企業研究について。
■企業研究をする
転職しようとする会社について、どうやって調査をしたらいいのかですが、相手が株式会社であれば、それほど
難しくはありません。
会計報告書が公開されていますので、それを読めばいいだけです。
公開されている情報なので、詳細なことや、内部にしか公開されないことも少なくないですが、少なくとも、その会社が
・どのようにして利益をあげているのか ・利益の源泉になっているのはどのような技術か ・会社の課題はなんなのか ・課題に対してどのような取り組みをしているのか ・利益にうまくつながっていない事業はどのようなものがあるのか ・それをどのようにしていこうとしているのかこれらが書かれています。
だから、こう言った報告書を最低でも過去5年は、暗記するほど読んで下さい。
その会社の課題も、会社の状況に合わせた変遷があります。その変遷をみると、経営者がどのように会社を運営しようとしているのかが分かります。昨年の報告書だけを読んでも傾向はわかりません。少なくとも3〜5年はじっくり読み込む必要があります。
まあ、そのためには会計報告書の基礎知識は必用なのですが、良い転職しようとするなら、まず、転職本を読むより、会計に関する読み方の本を読んだほうが、結果は良くなると考えます。
■仕事を研究する
次にやるのは、どのような仕事なのかを研究するすることです。
応募しようとしている部署の名前から、その会社の利益を出すプロセスの中のどのようなポジションなのかはわかると思います。
そのポジションで、いまあるスキルを使ってどのような貢献ができるのかを、今持っている知識から想像することです。
必用なスキルは募集要項に書いてあります。
その書いてあるスキルを、その部署でどう使うと貢献ができるのかを考えることです。
それを文章にすれば、本書の言うように
転職活動のための自己分析は、必ず入社したい会社の企業研究とセットになっていないといけないのですになると思います。
セミナー受講者10万人! 著者の指導で6000人が面接突破!
日本一面接を成功させる男のベストセラー。
著者の細井氏はカリスマエージェントとして有名。
転職が新卒とちがうところは、文字通り「転ずる」ところにあります。仕事を変えようとする「動機」があり、それによって「意識」が芽生え、「行動」に移します。この一連の流れをきちんと自己分析し、ストーリーに変えて面接官に語ることが重要。書き込むだけで転職理由、志望理由、自己PRなどを面接官にうまくアピールできるストーリーボードや、失敗しない話し方10のコツなど、どんな圧迫面接でも動揺しない自信が身に付きます。
何度チャレンジしても不採用になる方。
逆転の発想を持ちましょう!
・素直な自然体をやめてみよう
・自分に足りないところを話そう
・企業研究する前に応募してみよう
・覚えてきたことをそのまま言おう
・成功体験を主張するのをやめよう
心構えや基本ノウハウがメインだった本書を受けて、求人応募までの準備、面接当日までの準備、面接当日の対応法など、転職面接の流れに沿って具体的アクションを書いた転職面接必勝法 実践編と合わせて読むと、面接までにどういうことをやっておくかについて理解がしやすい。
●本書を引用した記事
初手、王手飛車取り!
面接技術:試してみたことが将来性を示す
面接で「やる気」を示す方法
面接の神様は細部に宿る
中途面接の印象を良くするコツ:癖を見つける
中途面接の印象を良くするコツ:面接官の名前を覚えなさい
転職面接:あなたのこだわっていることを3つ上げてください
中途面接の印象を良くするコツ:動くな!
面接技術:入社後に何をしたい?
面接は「エライ人」で決まる
面接の逆質問はやる気の現れ
全力疾走しろ
質問する
よくあるミスをさける質問のチェックリスト
マイレージプログラムで航空会社は利益を得るのか?
転職理由として「不満」はアリか?
転職面接の自己PRは自己分析だけでは不合格
イメージトレーニングで収入アップ?
転職面接:面接官はシロートです
できる人は単純作業ですらレベルが違う
行動原理を知ると人の行動が読める
ボディランゲージを聞く
面接応募書類のポイント:真剣さが伝わりますか?
中途採用:面接書類は応募先が決まる前から書いておく
リンゲルマン効果はByNameで回避する
自分には合わないやり方が見つかった
●このテーマの関連図書
■同じテーマの記事
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