成功本に書いてある人脈づくりというのは役に立つのか?





多くの成功法則において「人脈は優先的に取り組まなければいけない問題だ」と書いてあります。
本当でしょうか?

私は若い頃はこうしたことを信じて、社外の人脈づくりに勤しんだことがあります。もちろん自己紹介だけでなく、その後に連絡を取り合う、ツイッターやフェイスブックも共有ししたり、"いいね" を送りあったり。

その結果どうなったかって?
考えるまでもありません。なんにも変わりませんでした。





■異業種交流会・業界団体


サラリーマンが社外で何らかの知己を得ようとするなら、単純なのは異業種交流会や業界団体の委員会に参加することです。
実際に業務で関わった人というのもとうぜん、知己のうちに入るのですが、それは業務的な繋がりであって、何らかの契約がなければ接触はできません。

たとえば、社内プロジェクトでコンサルタントの方と知り合いになったからと言って、そのプロジェクト終了後に、その人と連絡をとっても契約無しで何らかのアドバイスが貰えることはありません。相手はあなたの会社がお金を払ってくれるからにこやかに応対してくれるのであって、契約もなくお金も支払わない人に、メール1本を返すだけのコストも惜しいわけです。

では、こうした異業種交流会で知り合った人に、自分の業務の相談ができるでしょうか?
そんなことをしたら、業務上の情報漏えいになって、夢の実現どころか明日のメシにこまるようになります。
「独立起業したい」ということなら、業務上の情報ではないので大丈夫かもしれませんが、サラリーマンを続けたいという前提において、そういう人は少数でしょうし、もしそんな話をしていることが会社にバレたら、面倒くさいことに決まっています。そういうことはよほど信用が置ける人に、こっそり別途相談、ということになるでしょう。

つまり、こうした人脈が自分の業務成果につながるようなことはないのです。




■自分にとってどんな人脈が必要か


もちろん、仕事はひとりでできるものではありません。多くの人の協力が必要です。ただ、成功法則の本(いわゆる「成功本」)に書いてあるのは、自分が成し遂げたいこと、つまり夢を実現するために必要な人を多く持ちなさい、ということなのですが、サラリーマンであれば、そういう人たちが100人いようと1000人いようと、今担当しているプロジェクトや自分の定常的にやっている業務の助けになることはありません。

もしあなたが、できたら定年までは今の会社でとか、今の会社でなくとも、サラリーマンとしてこの先もやっていくつもりなのであれば、社外の人脈はたいして影響をもたらしません。それよりも、会社内で自分の業務に関係のある人との関係を大切にしたほうがいいです。いわゆる社内人脈ですね。

フェイスブックもツイッターも必要ありません。
仕事関連のメールが来たら速攻で返事を返す、相手のちょっとした親切に感謝を丁寧に伝える、相手が仕事をしやすいようにちょっとした配慮を欠かさない、そんなことをし続ければいいのです。

逆にもしあなたが、独立起業したり、ジョブホップ(転職によって職位を上げていくこと)がしたいのであれば、社外人脈は重要です。それもとくに自分より目上の人。そうした人に自分がいかに有能であるかをアピールする必要があります。フェイスブックで「いいね」するよりも、社内の情報管理規定に触れない範囲で「こんなことを実現できた」「こんなことを実現したい」ということを連絡し続けることです。

その「社内の情報管理規定に触れない範囲」が見極められないのであれば、そもそも分不相応という言葉を辞書で引くべきかもしれません。







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