過去にかなりの数の採用面接を行いました。
中途・新卒の採用面接において定番の自己アピール。
しかしながら、私の理想だと思っている自己アピールをされた人は、過去には一人もいません。だんだん不安になってきて、「私の基準はおかしいのだろうか?」と思っていたら、ここに書いてありました。間違っていなかったし、それは正しいやり方だったんだ、とすこし安心しました。
■自己アピールとは、自分の成果を披露することではない
そもそも、自己アピールとは何でしょうか?
多くの人が勘違いしています。それは
自分の成果を聞こえがいいようなキーワードでくるんで説明して、自分ができる人であることを自ら説明すること
だと認識しています。
「アピール」という言葉は以下のように定義されています。
◇――――――――――――――――――――――――――
アピール(appeal)とは、何事かを他者に訴えかけること、および、その訴えの内容のこと。積極的に相手に訴えかける「主張」の意味で用いられることもあれば、行動を伴わないが相手を惹きつける(人心に訴える)「魅力」の意味で用いられることもある。
"WebLio"より
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これがいけないのかもしれない。
この意味をそのまま受け取るから、自己アピールが「自分はこんな事ができます」というものになります。だから、多くの人は
・学生時代に○○サークルの部長をやっていて、難しい人間関係をさばいてきました
・前職では、○○システムの開発をプロジェクトリーダーとして成功させました
なんておっしゃる。
これは極端な例でいうと、プロ野球の入団面接で(面接があるのかどうかも知りませんが)、自分は学生の頃、サッカー部でゴールキーパーとして活躍したと説明して入団が認められるでしょうか?
そんなバカなと思うでしょ。でも、自己アピールでは、上記みたいな自己アピールをする人が多いんですよね。そもそも、それほど部やプロジェクトが多いのかという疑問もあるのですが。
いや、だって採用したいのは、募集要項に書いてあって、システムの保守メンテのメンバーなんですよ。サークルの部長ができたからと言って、保守チームのリーダーから受けた作業を正確にこなせるかどうかはわからんでしょ。
では、私が納得したという本にはどんな事が書いてあったかというと、それはこちらです。
★L4975〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
これであなたは面接に行く準備ができた。仕事に就きたいというエンスージアズムを示す準備ができたのである。それに加えて、ほかに何が見せられるかを考えてみよう。
・先方には、かなりの教育を受けた人間を雇うことになるのだ、ということをわかってもらう。例えば、夜間コースを受けたことがあるならば、学校を卒業してもあなたが勉強をやめなかったことがわかってもらえるだろう。
・あなたは、世の中の経験を積んでいること、そして、経験から学んできたことを示すとよい。
・あなたは、自分の望むところをはっきり示すとよい。これは、相手が望んでいるものを得る手助けとなる。
・あなたは、職に就くことを仕事の面として見るのと同時に、ビジネスとして見ることができることを示すとよい。これは、あなたを昇進させるに足る人物として、印象付ける。
・あなたは、試用期間という条件で雇われるというリスクを負ってまでも、その仕事に就きたいことを示すとよい。もちろん、自信を持つことだ。
さて、あなたが収入を得るためにその仕事に就きたいと思っていること、また、人生で、ほかの利益を深めるためにそう思っていることは、明白である。こうした、あなた側の利益と、雇用側の利益が噛かみ合っていることを理解してもらえばいい。あなたは、ほかの人間の得になるという観点から自分を売るのだ。すでに述べたいくつかの点を振り返ってみると、それがつけ加えられるべきであることがわかると思う。
まず最初に示すのは、「私がいかに素晴らしい人間か見てください」ではなく、「あなたに提供できるものを、いかに私が多く持っているかを見てください」なのだ。
エンスージアズムというプラスの要素は、あなたの言葉を単なる言葉のレベルから引き上げ、あなたが相手にとってふさわしい人間であるという「信念」に変えてしまうのだ!
新装版 成功哲学 eBook(著) 『新装版 成功哲学』
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どこに書いてあるか、わかりますか?
ここです。
あなたは、ほかの人間の得になるという観点から自分を売るのだ
■自己アピールは過去にあげた成果を言われてもわからない
採用面接にせよ、昇進面接にせよ、自己アピールの目的は、自分の成果を格好良く説明して満足することではありません。面接官が採用するに値する人であること、あるいは昇進するに値する人であることを認識することです。
たしかに、リーダーとしてある程度の処理ができることはわかりました。でも、「ウチで求めているのは、海外の製造子会社のスタッフと協力することなんだよな…」とか「システム設計ができて人望があるならリーダーにしてもいいけど…」とか考えてしまうわけです。
つまるところ、採用側のメリットの視点がまったくないのです。
それは、部長という立場があるから、その発言にはメンバーも一定の重きを置くでしょうし、無理のない計画を立ててメンバーがきちん割り当てられた業務をこなすなら、プロジェクトもうまくいくでしょう。「立場があれば自分の意見をとおすことができる」「メンバーがいれば指示を出すことができる」という説明をされても「うちの会社の何の役に立つの?」の答えはわからないままなのです。
今困っているのは、「生産技術者のなかで、電子回廊を設計できる人が不足している」「システム設計で要件定義のできる人がほしい」だったりするのです。そこの採用面接で「自分はリーダーとして優れている」と言われても、
じゃあプロジェクトリーダーを探している会社に応募したら?
と思ってしまうわけです。
相手(この場合は、応募する会社や面接官)が求めているものを提供できることをアピールしないと、あなたはプロ野球に挑戦するサッカー選手になってしまいます。
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