読書が重要な理由




よく「上司の視点で物事を見ろ」と言われます。しかしながら、これができる人が少ないです。
というか、現実にはそういう人たちはすぐに昇進するので、いつまでもヒラでいることが少ないので、目にするチャンスも少ないのですが。

まあ、そうした現実はさておき、でも平社員から見ると、上司(課長)の視点というのはわからないものです。だって課長になったことがないのに課長の視点と言われてもわかりません。富士山どころかちょっとした山にすら登ったことがない人に、富士山から見る風景を想像しろと言われても無理です。




でも、課長として判断できる能力がない人は課長にはなれません。
面接で「会社の指示は平社員の私に優しくない」と言って、「平社員に優しい部門にしたいです」といったって呆れられるだけでしょう。




■本を読めば上司の視点がわかる


上司の視点を身につけるにはどうすればいいでしょうか。
私の答えは、「本を読む」でした。

本の著者というのは、大抵は成功して功成り名遂げることができた人です。簡単に言えば会社の社長や役員クラスか、大学などで研究してそれなりに世間や学会に認められた人です。そういう人たちは、高い視点で物事を見ることができていますし、できているからこそ功成り名遂げることができたのです。

まあ、最近は電子出版などで個人で本を書きたいと思えば本が作れちゃう時代なので、なかには「私はギャンブルで3億円の借金をしました」とか「株で一発当てました」でも十分本が書けるみたいですが。出版社に持ち込んだらアウトだと思われるような本も少なからず見かけます。こちらは玉石混交という感じですかね。

ま、余談はさておき、ある分野で名を成した人の初見や物の見方を学ぶのに、こうした人達の記録であったり、その人の意見・知識というのは、平社員では持ち得ない視点を持っているのです。それは、そうした人に直接お話を聞きに行くことができないその他大勢でも十分に手に入れられる情報なのです。

課長どころか社長のものの見方を学ぶことができるチャンスなわけです。それも、1000円とか2000円で。

こんな安上がりな勉強法はありません。

■上司・役員の視点と平社員の視点の違いは抽象度


具体的に、上司や役員と平社員の視点の違いは何でしょうか?

それはズバリ抽象度です。

たとえば、ある工場を見学に行ったとします。平社員レベルの人は「人の動きがキビキビしているなあ」「結構明るいな」とかいう天に気が付きます。「別に単なる工場でした」という意見を言う人もいますが、まあそのレベルの人は無視して。

で、課長・部長級になると同じものを見ても気がつくところが異なります。たとえば、「5Sが行き届いている」「事務所と現場が明確に区分けされていてセキュリティ管理がしっかり整備されている」などということに気がつくわけです。

さらに役員や社長クラスになると、「ネック工程の稼働率を中心に計画が組まれている」「予定と実績、それに対する是正処置が全員にわかるようになっている」みたいなところが見えるわけです。

全く同じものを見ているにも関わらず、そこからなにに気がつくか、ということが全く違うのです。

これが視点の違いであり、これを「抽象度」の違いと表現しています。
抽象化するというのは、たとえば目の前にりんごがあったとして、それを赤くて丸い物体として認識するのが、物理レベルの抽象度です。それが、りんごという他にもあるような種類のものだとして認識するのが一段上の抽象度です。さらに、それは果物としてより高い抽象度で認識できるようになります。

でも、これは、ある物事をどのように捉えるべきなのかを一度教えてもらわないと、そういうレベルがあることが認識できないのです。

1次元の人は線の世界で物を見ています。2次元の人は線の運動を見ることができます。それが面です。そして面の運動を見ることが3次元です。1次元しか知らない人は、2次元は想像がつかないのです。

それを教えてもらうには、すでに2次元、3次元を見ている人から学び取るしかないのです。


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●抽象度を上げるトレーニング
抽象度については前章でも軽く触れていますが、簡単にいえば高い視点でものを見るということです。

新入社員の視点は先輩からいわれた目の前の仕事。しかし、社長は社員全体、社会全体を見渡したうえで判断することが仕事です。視点の違いとはこのことです。

わかりやすくいうと、大きな視点で見て、行動するということです。

「社長」というのは会社の中で一番大きな視点で仕事を見、判断することができる立場です。会社を富士山とすれば、頂上にいるのが社長です。その立場で考えるクセをつけてほしいのです。

これから紹介するトレーニングはそのためのものですが、具体的には広さを出すトレーニングと高さを出すトレーニングに分けることができます。

●広さを出すトレーニング
人は思った以上に自分以外の人を見ていません
その証拠に今日の奥さん、旦那さんの服装を思い出してみてくたさいスッと思い出せましたか?

では、自分のデスクの隣に座る同僚の服装はわかりますか?

思い出せなかったとしても悩む必要はあリません。

スコトーマの原理で、毎日見ているからこそ、見えなくなるのです。

しかし、見えなくなっていたものを見えるようにすることは、視点を一つ増やすことにつながります。

ですから、いますぐ始めてくたさい

自分のまわりの人がどんな服装で、どんな髪型で、どんなことを話していたか、をです。これは情報収集能力を高めるうえでも効果的なので、せひ試してみてくたさい

●「高さを上げる」ということ
続いて「高さ」です。例えば会社というフレームで物事を見た場合、より高い視点で仕事ができるフレームが社長です。私が三菱地所に入って最初にやりたいと思った仕事も「社長」でした。提出した企画も「宇宙の大家」になるというもので、人工衛星をできるたけ多く飛はして衛星軌道を確保してしまうというものです。

衛星軌道に上げられる人工衛星の数には制限があるので、先に確保して宇宙利権を奪ってしまうという腹積もリでしたが、結論からいえば、周囲に呆れられて終わりでした。しかし、結構本気たったのです。実際、当100機は打ち上げられ時人工衛星は1機150億円ほど。三菱地所の資産は当時数兆円あったのですから、100機は打ち上げられた計算です。

そもそも人工衛星はこれまでに6000機が世界で打ち上げられ、現在現役で運用されているのが3000機といわれています。その中で100機というのは少ない気がしますが、日本上空の静止衛生は、現在でも300機ほどしかありません。人工衛星は通信事業、気象、科学目的、軍事目的など多岐にわたる用途があります。上げることのできる高さと角度に制限があるので、これを先に押さえることで「宇宙の地上げ」をして、数十兆円の儲けたって夢ではなかったのに、といまでも残念に思っているくらいです。私はそんなことを新人社員のときに考えていたわけですが、大切なのは考えたたけでなく、COサインが出た場合、本気で動くつもりでいたということです。

パフォーマンスで奇抜な企画を出したわけではないのです。

社長のフレームでものを考えるとは、大きなサイズで考えると同時に、大きな責任を引き受けることも意味するのです。これを日常的にしているとプレッシャーに強くなります。どうやったら成功するか、失敗したときはどうリカ。ハリーするかを、ワンセットで考えるようになるからです。

苫米地英人(著) 『年収が10倍にになる速読トレーニング
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本を読むということは、物事に対する認識を変えることになります。
自分より上位の人達がなにをどのように見て、どのように考えているかを知ることが、その唯一の手がかりなのです。それは本書にあるように、視線の広さと高さを高めていくことができる、おそらく一般人ができる唯一の方法なのです。





■参考図書 『年収が10倍にになる速読トレーニング



今までの速読法はまったく間違っていた? 脳を活性化して速読する方法とは? 著者、苫米地英人が大学院時代に行った速読の方法とは? 著者が明かす究極の速読法とそれにより、年収が10倍になるというヒントを網羅、ファンならずとも必見です。





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年収が10倍にになる速読トレーニング
著者 :苫米地英人
楽天では見つかりませんでしたDMMでは見つかりませんでした



●本書を引用した記事
 頭の回転を早くするためのトレーニング#2
 思考力を加速するハイサイクルトレーニング
 先読み読書で速読もついでにする
 速読は自然にできるようになる
 仕事にも趣味にも効く「ハイスピードツィート」のテクニックで知識と頭の反応速度を鍛える
 「知識の質」とは七色の天の川のこと
 読書量と年収の関係



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posted by 管理人 at 16:46 | Comment(0) | 思考技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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