仕事は楽しいですか?
独立して仕事をしている人は、その仕事を自分で選んだ結果なのでしょうけど、ほとんどの人は、今やっている仕事は自分で選んだ結果ではないかもしれません。
新卒で会社を選ぶことができたとしても、その会社には代表的な仕事はあるけど、その仕事だけではないので、自分がその会社でやりたいと思っていた仕事につけるわけではありません。会社には会社としての機能を回すためには、それぞれの機能にちゃんと人を配置しないといけないわけです。
■やりたい仕事は続けられない
世界中を飛び回るような仕事をしたいと学生時代に複数の語学を習得して、貿易会社に就職したとしても、その会社の都合によって、本社の経理部に配属されることだってあるわけです。よしんば最初にそのような世界各地に出張して交渉をするような仕事を任されたとしても、実績を上げていけば昇進して部下に交渉を任せなくてはいけなくなりますし、実績が上がらなければ別の仕事が与えられるでしょう。
アプリケーションのエンジニアになりたいと言ってソフト会社に就職しても、10年もすれば前線のプログラミング業務から外されて、システムエンジニアとかいうちょっとかっこいい役職名がついて、ユーザ企業と自社のプログラマのわがままをひたすら調整する仕事を担当することになります。
もちろん、やりたい仕事ができる会社に転職するという方法もありますが、いつまでも現場にいられるものではありません。
■やりたい仕事は見つけるもの
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●やりたい仕事を見つけて、やったモノ勝ち
「ムーギー、仕事っていうのは、やりたいことをやったモノ勝ちだよ」
これは私が深く尊敬する田町さん(仮名、8歳)がくれたキャリアアドバイスのひとつである。
「真面目に上司が『やれ』といった仕事をひたすら一生懸命やっていれば、いつかご褒美にやりたい仕事を回してくれるなんて甘い考えをしていたらダメだよ」「やりたい仕事は主体的に自分でつくっていくもの。やってしまってうまくいけば、まわりもあまり止めない。それでクビになっても、どうしてもやりたいことなら納得できるはず」とある超巨大財閥グループの上級幹部にまで昇り詰め、日本の金融界、産業界を知り尽くした百戦錬磨の田町さんだけに、語る言葉には説得力がある。
この「面白い仕事は絶対に上からは降ってこない」というのと「面白い仕事はやったモノ勝ち」というのは、キャリアを磨くうえで決して忘れてはならない大原則だ。
決して「好きな仕事だけやれ!」と言っているわけではない。むしろ好きな仕事をするというのは、「好きでないがやらなければならない仕事」を完璧にさっさと終えた者だけに与えられる特権である。
新入社員が「田中君、この資料をパワーポイントに直しておいて!」と言われて、「いやです。私は当社の戦略策定を担当したくて入社したのです(キリッ」と出たとしたら、さすがにそれは笑止千万なのである。
(著) 『最強の働き方』
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本書では、与えられた仕事をこなしながら、「さらに自分のやりたいことを仕事を作り出していくのだ」と書かれています。
本当に仕事ができる人なのであれば、与えられた仕事を80%の力でこなし、残りの20%で指示されてないけど自分のやりたい仕事に取り組んでいくことができるかもしれません。それが目指せる人はそのほうがいいでしょう。でも、今の仕事で精一杯という人にとっては、20%の余力はないのではないでしょうか。少なくとも私はそうでした。
そうすると、100%で与えられた仕事をこなして、さらに20%を追加してやりたい仕事をすることになります。おそらく長続きはしないでしょうし、疲れ果ててしまえば、やりたかった仕事も楽しいとは思えなくなる日が来ます。
■やりたいことは今の仕事の中で見つける
おすすめしたいのは、今の仕事の中でやりたいことを見つけることです。
やりたいことというのは、ある特定のことに興味を持って、「自分ならこうする」と思えるようになった状態です。つまり、まず今の仕事に興味を持つことです。それは仕事全体である必要はありません。その仕事の一部で構わないのです。というか、特定の部分くらいしか興味は持てないものだと思います。
たとえば、「会社の重要書類にシュレッダーをかけ、それを廃棄する」という仕事はどうでしょうか。
これが私の現在の仕事ではありませんが、もし自分がそういう仕事が割り当てられたなら、シュレッダーの構造に興味を持って、シュレッダーが最も故障しないようにするにはどうしたらいいか、などと考えるのではないかと思います。そうすると、シュレッダーを最適な状態に保ち、最も早く裁断ができるような装置やらメンテナンスプランを検討したりするのではないかと思います。
■好きな仕事はない。仕事を好きになること
クロネコヤマトの宅急便の生みの親である、小倉昌男氏は「どこかに好きな仕事があるわけではない。目の前にある仕事を好きになるかどうかだ」と言われたということをなにかの本で読んだ記憶があります。
全くそのとおりです。
仕事であれ、趣味であれ、それは1つづつを突き詰めていくととても奥深く、そしてそこに使われている技術はとても裾野が広いのです。その一部だけを見て「好きではない」と判断してしまい、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と思ってしまうことはとてももったいないことだと思います。
現時点で、自分がワクワクする、ぜひやりたいと思える仕事についているなら、それに越したことはありません。しかしそうでなかったとしても、今目の前にあるものに一生懸命取り組んで見るためには、まずその中の小さなことに興味を持ってみてはいかがでしょうか。
そして、今やっている仕事のある特定の部分にだけ興味を持てたら、それについて繰り返し考えるようになります。そのことがいつも頭の中にあるのは、それが好きだということです。その仕事はあなたの好きな仕事になります。青い鳥を探しに旅に出る必要はありません。
■参考図書 『最強の働き方』
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●本書を引用した記事
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