昇進すると、その役職にふさわしい行動が求められます。
例えば、会議での発言で、自分の担当する業務についてだけ発言すれば、「もう課長なんだから、課全体のことを考えて発言しなさい」などと部長にお叱りを受けたりすることが新任の課長についてはあると思いますが、昨日までイチ担当者だった人が、翌日から課長としての発言ができるようになるわけではありません。
■役割にふさわしいから昇進するわけではない
昇進・昇格の基準というものがあります。課長への昇進であれば、
自分の課や部に関する問題意識を持っているか
それをその組織の力を束ねて解決する力を持っているか
部下の長期的なキャリアプランを持って部下指導を行っているか
などです。でも考えてみれば、今はイチ担当者なわけです。昇進していませんので。そんな人が現時点の同僚の長期的なキャリアプランなんて考えられるでしょうか。
実際に、昇進・昇格の面接を行った面接官としての経験で言えば、「それができる」かどうかはわかりません。「できる可能性がある」としか判断できないわけです。唯一そうした実績がわかりやす人は、子会社への出向経験をした人だけです。子会社に出向すると、一般職の人は課長扱いになります。一段上の役職につけるわけです。そうすれば実際に課長として活動をしているので、本社に戻ってきても、「あそこでやれたんだから大丈夫だろう」という実績で判断できるのです。
それをやったことがない人は、やれる可能性としか判断できません。
しょせん可能性の話なので、実際に昇進してみると、「やれない」人もいます。そういう人は残念ながら降格にするか、部下のいない名前だけの課長になってもらうことになります。
一方でうまくいく人というのは、昨日まで「○○さん」とか先輩社員からは「○○くん」と呼ばれていたのに、今日からはたとえ先輩であろうと「○○課長」と呼ばれ、敬語を使われるようにになります(非公式な場ではそうでもない場合もありますが)。
逆に昇進した人から見れば、昨日まで仕事のやり方を教えてくれていた先輩に、「○○の業務をやってください」と命令する必要も出てきます。「今日中に報告をしてください」と報告を受ける立場になります。
■役職にふさわしい態度を取る
そうして、1年、2年がすぎると、かつては「○○先輩、おはようございます!」と挨拶していたのに、「○○さん、おはよう」と上から目線の挨拶になりますし、「ちゃんと報告を上げてくれないと困るじゃない!」と叱れるようになります。
その役職にふさわしいから、昇進するのではなく、昇進したからその役職にふさわしい態度・行動をとるようになるのです。
それは相手からの期待もあるが、自分自身がふさわしくあろうと行動した結果なのです。
■役を演じる
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●理想の自分」を役づくりする効果
これから演じる「新しい自分」は、今までの自分の延長線上でなくても構いません。むしろ、「まったく別の人間」を演じるつもりで、過去との連続性を断ち切ったほうがいいのです。そうしないと「無意識の抵抗」によって、元の自分に引き戻されてしまう可能性があります。
「新しい自分」を想定したら、それを現在の自分とは無関係な人格と位置付け、その「役柄」を徹底的に演じましよう。
ポイントは、いかにそれらしく演じるかです。
方法はいろいろとあります。
第一に、役柄を掘り下げてディテールまで設定します。
つまり、役づくりをしましよう。性格や価値観など、さまざまなことを設定します。思考パターン、判断基準、細かい動作や仕草も含めすべてを設定して、人物像「演技」をするなら大胆に人物像を固めます。この人物だったらこんなときにどう考、んるか、どんな発言をするか、どんな行動を取るか今の自分と接点のない自分を演じるのです。
仮想人物をゼロからっくり上げていきます
次に、外見もできるだけ変えてください。
どんな服を好む人物なのか、髪を染めたほ、つがイメージに合うにのか、といったことを検討しながら仮想人物の外見をつくり上げていきます。ロールモデルがあるなら、そっくり真似してもいいでしょう。
苫米地英人(著) 『脳を味方につける生き方』
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例えば、人付き合いのいい人になりたいと思うのであれば、自分が考える人付き合いのいい人を演じるようにすることです。俳優(女優)でもない普通のサラリーマンにとっては、それは不自然極まりない行動です。最初は自分自身のストレスにもなりますし、相手も違和感がいっぱいあるでしょう。ただ、これは単なる「なれ」の問題です。
それは何度も繰り返しやっているうちに自然になってきます。
したがって、「役を演じる」が定着すれば、それがそのひとのキャラクタはその形になるし、そうでない場合もそれに近い形になります。
もちろん、それを続けることによって、肉体的にも精神的にもありのままの自分とのギャップに潰れてしまうこともあります。そのときは諦めるしかないですね。
■参考図書 『脳を味方につける生き方』
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