あなたの仕事は過剰品質です




サラリーマンであれば、目標の大枠は上司から降ってきます。そのときに、上司が何を期待しているかを詳細に確認する人は多くありません。それは、手戻りや “やりすぎ” で余計な工数を使う可能性が高くなります。

手戻りや"やりすぎ"による仕事の成果の過不足は、仕事の生産性を奪う最大の原因です。




■上司が期待しているものを正確に把握する


ちょっとしたワークをやってみましょう。

 上司からこんなふうに仕事を頼まれました。「(あなたの名前)君、ちょっとこのデータの集計を頼まれてくれないかな?」
 データは自社製品に関する 30 人の男女のアンケート調査で、3つの設問に対して YES/NO の回答が選択されています。設問は3つ。つまり、30×3 の表が書かれています。

さて、あなたはこれをどう処理するでしょうか。

 ・男女別に、設問でYESと書かれている人の数を数えて表にする
 ・自社製品に関する好意的な意見が少ないを発見して、自社製品に関する改善計画をレポートにする
 ・男性と女性の評価の違いについてその考察を加えてプレゼン資料を作り報告会を開く
 ・レポートの不備や回答の信憑性についての疑問点と新たなアンケート計画の提案をする
 ・「いつまでにやればいいですか?」と質問する

社内でも、デキると言われる人なら、最初の選択肢は選んだりしないかもしれませんね。

でもちょっと考えてみてください。上司はあなたになんと言って指示してますか?




■上司の期待


上司が何を期待しているかによって目標というものとは当然変わってきます。

例えば、上記の例で言えば、そこから「どのようなことが言えるのか」「我社の課題はなにか?」などという情報(あなたの考え)を付加して、総計30ページにも及ぶプレゼン資料を作ったとしたら上司は喜んでくれる = あなたは高く評価されるでしょうか?

上司は「データを集計してくれ」としか言っていません。もしかしたら、単に質問一覧と回答の合計がほしいだけかもしれません。もしそうであったとき、2週間もかけて残業までしてプレゼン資料を作ったとしても、「もっと早くできないのか」と思われて評価を下げる可能性も考えられます。「こんなもの5分もあればできるだろう」と。

多くの仕事で、いちいち相手の言葉の定義や真意まで確認していては鬱陶しがられますし、それでは時間がいくらあっても足りません。そのため、忖度とか斟酌が必要なのですが、やり過ぎると仕事の結果は過剰品質になります。頑張った(工数をかけた)のに、役に立たないものを作ったのは、生産性は高まりません。

大体の場合、仕事を出す側(上司)は、出来上がりの要求をぼんやりした状態で言います。例えば、目標が○印であった場合に、その縁(フチ)がぼやけているわけです。
で、仕事受ける側(部下)は、手戻りや指摘による差し戻しをしたくないので、なるべく大きな丸になるような答えを持っていきます。

その結果、上司が1時間もあれば済むと思った仕事に5時間もかけて、「どうしてコイツはこんなに仕事が遅いんだ?」と思われてしまうわけです。

当然過剰品質になっている場合、上司は文句を言いません。「ここまで考えてくれたのか」とは思います。ただし、思うだけです。結局それは上司にとって必要なものではありませんので、使われないわけです。

30ページに及ぶレポートを書いても、上司がそのまた上司に報告するときには、1ページしか使われないということが会社ではよく起きます。

 あなたの仕事はほとんどがムダだったのです

■ワークの回答


まぁ、ここまで書いてしまえば、今回のワークの答えはわかってしまいますね。上司は「集計してくれ」としか言っていないので、考察を加えたり、新たな改善案を提示したりするのは明らかに過剰品質です。

 ・男女別に、設問でYESと書かれている人の数を数えて表にする

が正解ということですね。もちろん、現実の世界ではこんなにわかりやすい事例はありませんが。
おそらく5分で済む仕事でしょう。1週間も他の仕事を投げ出して取り組んだとしても、あまりいい 結果=(上司の評価) は出ないでしょうね。

■相手の期待を正しく理解するための質問


相手の期待に正しく答えるためには、相手の期待を正しく理解する必要があります。「相手がどういうものを欲しているか」については、忖度や斟酌は入れないほうがいいのです。

以下のような質問で、相手の期待を具体的に知ることが可能です。(以下の「それ」とは上司から言われた目標のことです)

  ・「それ」はどういうことですか?
  ・「それ」は何に(どのように)使うのですか?
  ・たとえば、「それ」はどんなものですか?
  ・「それ」を具体的に言うと××ですか?
  ・こんなイメージのものをつくればいいでしょうか?
  ・「それ」にもいろいろ種類がありそうですが、どれのことでしょうか(具体的に種類を示す)
  ・こういう意味ですか?(別のものに言い換える)
  ・こういうものではないですよね?(除外条件を聞く)

たとえば、「リンゴをくれ」と言われたときに、「赤リンゴ」と「青リンゴ」のどちらですか?
リンゴが食べたいのですか? iPhone のことですか? のように目的は対象の具体化が必要です。




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posted by 管理人 at 10:25 | Comment(0) | 知的生産術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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