上司から
「××について調査するように」
こんな指示を受けることが結構ありますよね。私もよく言われますし、部下に対して言うこともあります。
発言した人はどのような結果を期待しているのでしょうか?
そこに思い至ると、上司からいい評価が得られますよ。
■調査するというのは何をすることなのか
「調査」というのは、その言葉自体を解釈すれば
・対象の情報を集めること
です。なので、頑張って、ネットを検索して調べて、その膨大な資料を印刷して上司のところに持っていけばオッケーです。
……そんなわけないですよね。そんな物を持っていったら上司からなんと言われるかは明らかです。
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●調べることは考えることではない
調べることは単に知ることです。それだけでは物知りで終わってしまいますから、知ったことをベースに、自分はどうするかに落とし込もうとする。それが考えるということです。
たとえば、「消費が落ち込んでいる」「M&Aが増えている」という情報を知っただけでは意味がありません。
そこから、「消費が落ち込んでいるのなら、飲食店も厳しく、閉店するところが多いだろう。居抜きで売り出している店もあるのではないか。ならば、そこを買いとって自分の店を持つことができるのではないだろうか」と考えることができます。
そして、「M&Aが増えているならば、それを仲介する人も増えているはずだから、店舗物件の仲介サービスも一般的になっているのではないか」と調べてみると、店舗のM&Aサービスや店舗のオークションサイトもあり、都内の料亭が50万円、京都のダイニングバーが200万円で売りに出されていたりします。もちろん造作や食器、器具備品付きですから、買った人は初期コストを抑えて開店ができます。
オーナーの健康問題による撤退、後継者不足からの営業断念など、いろいろな理由があって売りに出されていますから、必ずしも立地が悪い物件ばかりではありません。
それに造作に凝った店は初期投資がかさんでいますから、回収を考えると前オーナーにとっては不採算だったとしても、買収してサンクコスト(埋没費用)化できれば採算店舗になる可能性も秘めています。
そして金融恐慌に伴い企業はリストラを加速、大量の優秀な人材が放出されますから、多くの起業家が現れます。では、そこに合わせて「自分の店を出すお手伝い」ができないか。
そうやって、儲けにつながる思考を発展させていく、その仮説を検証したり支えたりするために調べ、それを新たな仮説へと展開していくことが、考えるということです。
午堂登紀雄(著) 『「お金をもらう」から「稼ぐ」人になる習慣術』
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本書は、事業の責任者がとる行動のようですが、平社員でも見習わないといけないところがあります。
調べたら、分析して、それから何が言えるのかを明らかにしないといけないわけです。
上司としては、欲しい物が
・客観的な事実を明らかにすること
ではあるので、「調査」という言葉を使ったのかもしれませんが、その実態は、
・つぎにその上司の担当/権限範囲で、何をしないといけないのか
・上司がやりたいと考えている方向性は、事実で裏付けが取れるのか
を考えたいわけです。
それを、「ネットで検索したらこんなにたくさんのドキュメントがありました!」って報告されても、期待とは全く異なるわけです。
■「調査しろ」とは「それをテーマに考察しろ」という意味
「調査しろ」と言った人は何を期待しているかというと、単純に言ってしまえば、
調査した結果について、キミの意見が聞きたい
ということです。何の意見もなく事実だけ返すのであれば、いまどき小学生にお願いするまでもありません。
ビジネスマンに要求されるのは、
・調査結果から何が言えるのか、今後どのようにすべきだと考えるのか
を答えることです。
■仮説を立てる
このためにやるべきは、調査した結果得られた大量のデータを分類して、それに対してあなたならではの考察をつけることです。
そのためには、仮説をまず作ることです。
上司から、「日本の電柱の数を調査してくれ」と言われたら、
なぜ、上司はそれを調べたいと思ったのか?
をまず考えて仮説を立てます。たとえば、上司の担当がコンクリートの販売増加であるなら、シェアはどの様になっているのか、材料としてどのような種類があって、種類ごとにどれだけの本数であるのか、交換周期はどのくらいなのかが重要でしょう。地域営業なら、地域と本数の関係が重要でしょう。
■情報を振り分けて、必要な情報を分類する
その仮説に基づいて、必要な情報と不要な情報に分けます。必要な情報をさらに上記の仮説に沿って詳細分解して集計します。
その結果、どのようなことが言えるのかを考えます。
ここで、上司に
全部で××本ですが、こういうデータを集めました。この先○○で検討してみたいと思いますが、いかがでしょうか?
とお伺いを立てます。
合意が貰えれば、「こいつなかなかできるな」と思ってもらえます。
あとは上司の意向に沿ってデータを纏め直して、そこに「今後のアクションは○○をしたいと考えます」と考察をつければ調査しましたと言えるでしょう。
考察はゼロから考える必要はありません。上司が何をしたいと思っているかは、最初の上司への報告でだいたい聞けていますので、それに沿った答えを言えばいいだけです。そうすれば上司は満足してくれますので。
上司の期待している方向と違った答えを持っていくと、上司は不満になります。上司が期待している答えを証明しているデータを付けて、「あなたの考えている方向性は間違っていません。データからも裏付けられます」と言ってあげるのが、サラリーマンの大事な仕事です。
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