なにかの提案をしたときに、しつこく質問してくる人や、「それは××だから、だめだ」とか言われることが少なくありません。そもそも、何かを提案するというのは、それまでのやり方をなにか変えるということで、そこに抵抗する人がいない事自体がおかしいのですから。
でも、そこで諦めてしまう人が結構います。
特に、目上の人から、「そうじゃなくて○○じゃないのか」とか「その提案の問題点は〜〜」とか言われてしまうと、「じゃぁ取り下げます」と言ってしまうか、黙り込んでしまう人が少なくありません。
でも、私は、こういう発言は、ゴーサインだと思って受け取ってます。
■愛情の裏返しは興味なし
マザーテレサの言葉に
「愛の反対は憎しみではなく無関心です」
というのがあります。よく聞く言葉ですね。
提案に対しても同じで、その提案に対して、質問や反対意見が出るのは、その提案をちゃんと受け止めているからです。
受け止める気がなければ、わざわざあら捜しをしたりせずに
「ふ〜ん。あ、もう次の会議の時間だから」
ってコメントもなく終わりますよ。要するに反応がない。つまり、それに対して関心がない状態です。
これは基本的にはお手上げです。
■何に反応したかを知る
でも、反応があるっていうことは、提案のどこかにその人に引っかかるものがあったということです。
それを捕まえるのが提案を通していくコツ。
何に反応したかは自明ですね。質問したところや反論したところです。
そこが突破口になるんです。
★P160〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
もう後は「イ工ス」と言うだけ、という土壇場で、突然交渉相手から反対意見や質問をされることがある。
やっばり自分の本当にほしいものかどうかわからないとか、もっといいものがあるのではないか、と聞いてきたりするケースだ。
こういう場合、多くの人は諦めてしまうが、それは間違っている。
反対意見を言うからといって、必ずしも不満があるわけではない。
それどころか、反対意見が出るのは、相手が真剣に関心を持っていることの表れなのだ。
考えてみてほしい。
まったく望んでもいないものを誰かが売ろうとしてきたとき、あなたはその製品の詳細について質間したり批判をしたりするだろうかつそんなことはほとんどない。
あなたはただ、「興味ありませんので」と言って電話を切るだけだろう。
相手が質問をし始めたら、それは相手が詳細や補足情報を知りたいと思っているからで、すべてを把握しておきたいだけだと理解しておこう。このときすでに、相手はあなたにイ工スと言いかけているのだ。
ヘンリック・フェキセウス(著) 『影響力の心理~The Power Games~』
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■提案を変えていく
その場で臨機応変に話す内容を変えていける場合と、なかなかそうはいかない場合があります。
もし、質問に対して、「○○だから△△です。しかし、おっしゃるようにそういう場面も考えられますので、そのご質問に対応できるよう◇◇のようにしたいと思います」なんてうまく話を持っていければベストだと思ってます。
ちなみに、この話し方は私のテンプレートになっていて、厳しい質問(基本的には反論を質問の形にしたもの)を受けた場合には、
・自分の論理に筋道を通す
・相手の行っていることに一理あると納得してみせる
・それを組み合わせて、提案を変更する
という流れで話を受けます。つまり、相手としては、自分の意見を取り込んでもらえた以上、反対する理由がなくなるわけです。
もちろん、その場でうまい切り返し提案が出ないことも少なくありません。そういうときには、
「後ほど教えていただいた点を考慮して再度お願いに上がっていいでしょうか?」
といえば、「嫌だ」とは言いにくいはず。私は「もう来なくていい」と言われたことはありません。
そのうえ、自分の意見が盛り込まれているので、次は細かなあら捜しをするか、感情的・高圧的に「だめだ、だめだ」とやらない限り拒否することができなくなります。
このパターンは結構強力ですよ。
■参考図書 『影響力の心理~The Power Games~』
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●本書を引用した記事
「あなた」を文頭に持ってくると強力なメッセージになる
相手に自分自身を説得してもらう
相手を驚かせる褒め言葉を使う
初対面で必ず好意を持たれる振る舞い方
不快な状況を受け入れない
〜だったのに、〜すべきだった、〜すればよかった
質問や反対意見は合意のサイン
安心感を揺さぶる
褒めるときに落ちをつけない
ないものはない!あるものはなんじゃ!
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