プロジェクトをすすめる上で、様々なリスクを想定して、それに事前に手を売って置かなければなりません。
抽象的に言うと、リスクへの対処の仕方(戦略オプション)は3種類しかありません。
・リスクを発生しなくする
・リスク発生による障害を軽減する
・リスクが起きないような作業を選ぶ(回避)
です。
本日は、この内、リスク軽減策について。
■究極のリスク軽減戦略
プロジェクト管理のバイブルとも言える「熊とワルツを」という本をごぞんじでしょうか?
この本に
究極のリスク軽減戦略
というのがあります。
究極っていうのがすごいですね。
どんな方法だと思いますか?
著者のトム・デマルコ氏は、遠方の会議のために出張が必要な場合、
・前日に飛行機で移動し、その都市のホテルに前泊して、翌日は市内のホテルから会議に向かう
・当日の早朝から飛行機で移動し、その日のうちに会議に向かう
の2つの戦略があると書いています。
この2つのケースでは、前者はあらゆる場面において余裕を持てますが、後者は「ひとつの前提でも崩れた場合」、会議に間に合わず、移動時間中はミスがひとつもできないという緊張感と不安に包まれたものになると指摘しています。
つまり、以下のように書かれています。
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期日が絶対のプ口ジェクトでは、早く始めることこそが真のリスク軽減である。ほとんどのプ口ジェクトでは、それが遅延リスクを抑制する唯一の有効な方法だろう
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一般のプロジェクトにも当てはまりそうですね。
■素早く着手する
プロジェクトをうまく予定通り終わらせるためには、
とにかく早く着手すること
がコツです。
もし、想定外の問題が起きたとしても、早く着手していれば、それを回復させるだけの時間がしっかり取れます。これに対して、上の遠方会議のように、当日に時間丁度につくように出発すれば、想定外の問題が発生した時に、プロジェクトは崩壊を免れません。
■引きずらない
プロジェクトの進行中に、どうしてもうまくいかないことや、精神的に参ってしまうような事態が起きる場合もあります。このときに、いつまでもその鑑賞に浸っていると、それがその他の作業を遅らせる原因になります。
つまり、済んでしまったことをすぐに忘れて、どうやったらプロジェクトのゴールに行き着くかということにフォーカスし続けていれば、ムダな時間を過ごさなくて済むわけです。
よくプロジェクト管理の本などでは、「振り返り」をちゃんとしましょう、という論調で書かれていることが多いです。特に「正確に覚えているうちに」などと書かれているなど、その反省や再発防止の検討を優先するかのように書かれているものがありますが、
嘘です。
プロジェクトのゴールにフォーカスし続けていれば、まず問題を収束させるか、回避をしておいて、プロジェクトを次に進める作業をするべきです。反省はプロジェクトが終わってからすればいいです。
ましてや、上司に怒られたなど、負の感情を引きずっていては、いい仕事はできません。さっさと忘れてしまうのが吉。
■ダメに成ったプロジェクトを嘆かない
もしそのプロジェクト自体がダメに成った場合でも、直ぐに次のプロジェクトの段取りをして、着手できるものは、とっとと着手していくことです。
反省や振り返りは、そこで開いた時間にやることです。
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