今、この記事を何で読んでいますか?
パソコン
スマホ
さて、そのパソコンやスマホは、なぜ、この記事が表示されると思って使っているのでしょうか?
なにも、インターネットの仕組みや液晶ディスプレイの仕組みを聞いているわけではありません。パソコンをクリックすると、情報が表示されるというのをなぜ知っているか、という問題です。
スマホに至っては、どう見たってただの板状の金属物です。なにかボタンがあるわけでもない。それになにか自分の欲しい情報が表示されると認識しているのはなぜか? という質問です。
■認識できているものと認識できていないもの
例えば極端な話、お腹が空いているときに目の前にバナナがあっても、それが食べ物と認識できなければ、つまり、バナナを知らなければ、「なにか食べ物…」と言って素通りするでしょう。物体としては認識できているものの、「食べ物がほしい」と思っているときには、脳はそのバナナの画像を処理しません。
「××について知りたい」と思っていても、スマホを知らなければ、ただの金属板に、情報が表示されるとは思わないから、それを突っついてみようとは思わないわけです。
同じことは仕事でも言えます。
私はよく新人に「現場へ行って課題を探してきなさい」と言いますが、大抵は大した問題は発見できません。
たとえば、ネットワークケーブルが折り曲げてどこかに縛り付けられていても、なんとも思わないんですよ。その場所に連れて行って、「ネットワークケーブルっていうのは銅線でできているよね?」「銅線を特定の位置で折り曲げたり伸ばしたりすると何が起きる?」大抵の人はそこで、「ケーブルは折り曲げてはダメです」って言うわけです。はい。問題が見つかったよね。もう少し高度な質問になると、「ギガヘルツみたいに高周波数の電気信号を急激に曲がったり端面があるところに通電するとどうなる?」「アンテナの構造はどうなっている?」って聞けば、ケーブルの処理の正しいやり方はわかります。
つまり、一度、認識ができてさえしまえば、問題を見つけるのはかんたんなわけです。
同様に、現場の巡回などをしても、工場長は問題を色々指摘できるけど、自分はその指摘に気が付かなったという経験がある人も多いのではないでしょうか?
あるいは、上司から「そのやり方はちょっとまずくない?」と言われて、「おお、そりゃそうだ」と思った経験があると思います。なぜ一度見ただけの上司には気がつけて、実際にやっている自分はなぜ気がつけなかったのでしょうか?
■存在はしているのに認識できない理由
なぜ、実際にそこにある、つまり網膜には写っている状態なのに、それを見る(認識する)ことができないのかというと、脳科学者の苫米地氏は以下のように述べています。
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私たちは知っているものしか認識しないし、認識できないのです。
別の言い方をすれば、私たちの知っている世界は全部、自分の知識だけで成り立っているということです。体験的な知識や、読書などで得た情報を抽象化することで認識される世界以外の阯界は、存在していないわけです。
見方を変えれば、私達がそれぞれ認識している世界は、実は他人から与えられた情報で作り上げられた世界とも言えるでしょう。
自分が認識している周囲の環境全ては、他人に提示されたもので成り立っています。本からの情報であったり、学校や会社で得た知識であったり、自分自身の物理的体験以外から得た全情報は、外から提示されたものです。「脳で学習した結果」と言っても良いかもしれません。
苫米地英人(著) 『脳を味方につける生き方』
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問題は2つ
・知識がないこと
・知識があっても現実と結び付けられないこと
です。このいずれかが起きると、「存在するのに認識できない」という状態が起きるわけです。
当然、認識できないものの課題は発見できませんし、発見できないものは改善もしません。
いわゆる目のつけどころというやつです。
その知識の根源は、他人から与えられるものだ、と述べています。
そりゃそうでしょう。こうして文字を書いていても、文字というのは、子供の頃に教わったものです。そして、それを使って考えるように教えられてきています。自分自身で築いてきたものなんて殆どありません。
■多くの知識を得ること
スタートは同じなのに、人によって認識能力に差が出るのは、インプットの量とインプットしたものの相対関係(いわゆる抽象化やゲシュタルト)を自分の中で作る訓練量によっています。基本はインプット量です。
世の中の成功者は大抵が読書家です。「私はあまり本を読みません」という人ですら、日本人の平均と比較すれば、とんでもない読書家です。本だけでなく、人間関係も非常に多い。これはすべて情報のインプットソースになるものです。これが圧倒的に多いわけです。なので、色々な概念や味方を知っていて、その場に応じて使い分けているので、いろいろな課題に気がつくわけです。その解決方法を提示すれば、結果として人から信頼が得られるということになります。
つまり、知識は単体として役立つのは学者のような、その知識を突き詰めることを目的とした人を除けば、多数の知識を複合知識として現実に適用できるようにしないと意味がないわけ。
一番手っ取り早いのは、読書ですかね。
ただ単に、本を読むだけでは不足なのですが、本を読むことすらしなければ、スタートラインにすら立ってません。
※そういう意味で、日本人の年間の平均読書数が数冊なのは嘆かわしいばかり…
まず、本を読むこと。それも大量に。話はそこから。
そうしたら、次に苫米地氏の言うように、抽象化概念の作り方を学べばいいですが、これも本書のような本を読んでいれば理解できるし、読むこと自体が抽象化のトレーニングになってます。
本書『脳を味方につける生き方』は、読書や知識の取得のモチベーションの元としても、読み返しておきたい本ですよ。
■参考図書 『脳を味方につける生き方』
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