会社の部門や課、係、グループと言った組織は、大抵の場合は自分の好きな人だけで構成されることはありません。
ただ、やっぱり人間なので、どうしてもそりが合わない人、苦手な人もいます。
そんな人達と無理に合わせようとすると、精神的に参ってしまいます。
■苦手な人と一緒に仕事をする方法
「話もしたくない」「そばにいるだけでプレッシャー」という人と一緒に仕事をする、結果として四六時中顔を突き合わせるなんていう事態になってしまったら、おそらく救いようはありません。とっとと逃げ出す算段をするのがベストの答え。
私の場合は過去に仕事が忙しかったのもありますが、こういう人と一緒だったというのも原因の一つかなぁ、とは思います。今振り返ってみると。
逃げ出してください。それは自分が弱いからではなく、得手不得手があるんだから仕方がないと割り切って。
「自分が弱いから」とか自分の原因にしてしまうと、「克服するのが社会人としての務め」とか思ってしまって、頑張ろうとします。無理をすればその反動が来ます。
私の場合は、会社へいけなくなってしまうという経験をしたことで、復帰後はちょっと吹っ切れたような気がします。「この人とは一緒にやれない」とはっきり主張できるようになりましたし、「無理をしているな」と感じたら「これはまずいぞ」がかなりはっきり分かるようになりました。
お酒と同じで、ゲロゲロを何度もしているうちに、どうやら自分は××合までが限界だとわかるようになるって感じでしょうか(ちょっと汚い話ですみません)。
だからといって、誰も彼も「いやだ」というわけにも行かないので、あるていど我慢できるものなら我慢して一緒に仕事をしないといけません。そのときに自分に言い聞かせていることばが、
××とハサミは使いよう
「××」の部分には、相手の名前でもいいし、なんでも構わないので自分に言い聞かせる言葉を適当に入れてください。
ハサミは自分の指を挟んだ状態で力を入れれば、下手をすれば指が落ちます。でも紙を挟めば、必要な大きさ・形に切り出してくれます。
ハサミの先端ではなく、根元の方を使うともっとうまく切れます。曲線に切るときには、ハサミではなく紙を動かしてやるときれいに切りやすいです。
苦手な相手も、相手の攻撃が自分に来るような行動をすれば、自分にとっては「もう一緒にやれない」レベルの人になってしまいますが、その人のスキルをプロジェクトに向かわせてやれば、自分のやりたいプロジェクトの推進力になってくれます。
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●「自分だけが苦手な人」を認めるコツ
ある女性会社員が、職場の上司を苦手にしていました。上司はよくいえば豪胆な性格であり、悪くいえば酒癖が悪く、ときどきセクハラまがいの発言をするので、どうにも好きになれなかったのです。
上司はときどき部下と連れ立って飲み会に行くことがありましたが、彼女は断るのが常でした。ただ、男性の同僚社員は、上司を慕っているようです。そんなこともあってか、彼女 1 人がチーム内で孤立するような雰囲気が生まれてしまいました。
たしかに上司は仕事ができる夕イプであり、社内では高い評価を受けています。実際に上司が指導した部下は、能力を開花させ、重要なプロジェクトを任されるようになっています。
社内では「いい上司」で通っている人物なのですが、それでも彼女は受け入れることができません。もしかしたら、あなたの上司もそんな夕イプかもしれません。もし、職場で「自分だけが苦手な人」がいたら、次の二つを実行してみてほしいのです。
・自分の価値観は絶対的でないと認める
どんなに自分が相手を嫌っていたとしても、その相手を尊敬する人はいます。まずはその事実を認めることです。
相手を無理に好きになろうとしなくてよいのです。ただ、「嫌っているのは私だけであって、みんなではない」と認めるだけです。
そうすると、自分の価値観を守りつつも、それを絶対的なものとせずに、客観的に見ることができるようになります。
・その人のリソースを認めて活用する
嫌いな相手にも、リソース(知識や経験、スキル、お金、情報など)があります。それをきちんと認める必要もあります。
職場では、相手の人格を重んじるのではなく、リソースを重んじるという割り切りも大切です。
つまり、使えるリソースは使わせていただくという発想を持っということです。
たとえば、プレゼンが得意な上司なので、プレゼンのスキルは教えてもらう(でも、人格までは認めない)、決裁権があるので企画を通してもらう(でも、人格までは認めない)といった具合に、相手のリソースに目を向けて付き合うようにするのです。
苦手な相手を全否定する必要はありません。
肯定できる要素は肯定して、否定すべき要素は否定する。
その上で、相手の肯定できる要素とだけつながればよいのです。
このように相手を部分的に認めるためには、寛容の精神を持つことが不可欠です。
相手を自分の物差しで一方的に測ることなく、相手の意見を意見として認めるということです。
賛同はしないけれども相手の意見に耳を傾ける。そういう姿勢で人と接していくことで、人間関係の苦しみも小さくなってくるのです。
岩井俊憲(著) 『感情を整えるアドラーの教え』
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なるべく意識的にこのように考えるようにしています。
「好きで仕事をしている」わけではなく、「給料をもらうために仕事をしている」と考えれば、自分の気の合う人と一緒に仕事をする必要はなくて、その仕事を達成するために他人のスキルを利用していると思えばいいわけです。「こいつ嫌いだからオレの出世や成功の踏み台にしてやろう」と。
この人は「自分が成果を出すのにどう役立つのか」という目でしか見ないようになれば、別にロボットや PC と同じです。「PC と気が合うかどうか」なんて気にする人はいませんよね。
その上で、もし「気が合う」人と一緒にやれるなら、それはそれでラッキー。
ただ気が合うかどうかは仕事については「おまけ」程度に考えておくのが良さげです。そっちのほうが少ないですから。
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