私の仕事のやりかたの基本は GTD と DIPS から勉強しました。GTD は多くの情報がありますが、それに比べると DIPS はちょっと情報が少ないみたいです。
DIPS の参考図書としては、
『知的生産性向上システムDIPS(ディップス)』
『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』
の2冊を読めばわかると思いますが、本記事では『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』のキーポイントをご紹介します。
全12回でお送りした要約まとめもようやく(ダジャレじゃない!)最終回。最後にDIPSをどのようなプロセスに活用していくのかと、DIPSをより高度化していくDIPS運動について記述されている部分の要約をお送りします。
コメントを入れると長くなってしまうので、途中のコメントは入れません。一気にお読みください。
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●DIPS 効果の期待されるプロセス
私たちは、どうしても、従来からの仕事の仕方に馴染んでしまっているものです。
このような身についた作業方法を変えようとすると、多くの人の場合、それは苦痛を伴うことでしょう。
しかし、従来と同じことをしている限り生産性が飛躍的に高まるということはありえません。もちろん、向こう一カ月間に予定する業務をすべて書き出し、処理に必要な時間を見積もってスケジュール化するというのは、慣れない方にとってはたいへんなことです。
また一週問おきに所定のスケジュールを見直し、リ・スケジューリングするということも、はじめは手間のかかる作業だとお感じになるでしよう
。何らかの業務のためにあらかじめ「TB シート」を書き、自分の作業方法や手順を設計してから取り組むということも、習慣化しさえすれば何でもないことであり、生産性の向上を図るうえでは非常に効果のあることなのですが、最初のうちは苦痛に感じられるはずです。
そのような方が DIPS のノウハウを自然に使いこなすようになるためには、慣れていただくしかありません。「DIPS ノート」を持ち歩き、毎日それに記入することを自分に義務づけるしか、方法はないのです。
とくに、これまでご説明してきたような、
・日々の自分の業務をきちんとスケジューリングし、それにしたがって仕事を進めようとする習慣。
・時問単位、分単位といった細かな単位で業務のスケジューリングを行うために、一つ一つのタスクは必ず「TB シート L を用いて行動レべルに分解するという習慣。
・「TS シート」を用いて現状の問題点を改善していくという習資。
といったものについては、くりかえし、それが自分自身の自然な考え方や習慣となるまで「DIPS ノート」を用い、実践し続けていただきたいと思います。
●組織で行う DIPS 運動
さて、 DIPS ノウハウが身につき、実践されてくるなかで、従来の作業手順に含まれていた無駄・ロスが削除され、生産性の向上という効果が現れてくると、
いよいよ「DIPS 運動」を展開すべさ段階に入ります。
理論や技術の身につかないうちは運動を行ってもただの改善活動に終わってしまいますが、それら諸々のノウハウが習慣化してくると、それを用いてはっきりとした業務改善目標に取り組むことが可能になるのです。
DIPS 運動とは、ある一定期間 5〜10 人単位のチームをつくり、職場において達成したいと思う業務改善目標を掲げて、その達成のために DIPS のノウハウを積極的に活用しようとする運動です。
DIPS 運動を展開する場合には目標をブレイクダウンして、たとえば営業職なら
・1回の訪問で有効な面談を行う確率はどれだけ高められたか。
・1回の訪問で商談を進捗させる確率はどれだけ高められたか。
というような指標で生産性の向上を測るようにしていただきたいと思います。このような指標を用いて目標を掲げれば、目標達成の結果が確率的に最終業績指標を押し上げることにつながっていくからです。
●個人で行う」人 DIPS 運動
ここまで DIPS 運動を組織で行う場合の方法を簡単にご説明しましたが、実は、こうした運動は必ずしも職場ぐるみでやらねばならない、というものではありません。個人でも「一人 DIPS 運動」とでも呼ぶべき活動を展開し、成果を上げることは+分可能です。
自分の仕事の改善が目的ですので、このようにして「一人 DIPS 運動」としても+分な成果が上げられるわけです。しかし、もしこれを職場ぐるみで展開されれば、より大きな成果が得られただろうことは言うまでもありません。
●「DIPS ノート」の改善とオリジナルフォーマットの開発
さて、業務革新が恒常的に行われるような段階では、すでに DIPS のノウハウが完全に習贋化され、また職場の全員が「DIPS ノート」を使いこなす、というレべルに達しているはずです。
このレべルまで来ると、必ずしも「DIPS ノート」にこだわらず、もっと自分の職場に合ったオリジナルのフォーマットを使うほつがよい、と考え、独自のシートを設計して使いはじめるところも出てきます。
ノートを設計する、ということは自分たちの仕事の改革方法を設計するということですので、一度で完成するものではありません。
これまでの「DIPS ノート」よりも使いやすいソートができても、一年、あるいは半年も経った頃にはまた新しいシートをつくりたくなるでしよう。
仕事の仕方がどんどん改革され、業務の革新がどんどん進められているために、一度つくったシートがすぐに使いにくくなるのです。
このようにして業務の内容が変革されていくにつれ、またホワイトカラーたちの業務レべルが上がっていくにつれ、 DIPS のために用いられるノートは変化していくことになるはずです。
したがって、 DIPS の効果が発揮されていくプロセスは視点から眺めると、
第一段階 「DIPS ノート」に慣れ、使いこなすことで DIPS の技術、理論を身につける段階
第二段階 やがて DIPS の考え方に慣れ、完全に習慣化するという段階
第三段階 習慣的に「DIPS ノート」を使いこなし、具体的な業務改善を行うことで飛躍的な生産性の向上を実現する段階
第四段階 現場に即した使いやすいフォーマットを開発し、それによって生産性の高い作業方法を開発し、標準化していく段階
というふうに考えることもできます。
小林忠嗣(著) 『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』
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●本書を引用した記事
Pマトリックスで優先順位を判断する
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DIPSとは何か9:RRASTICなアイディア出し
DIPSとは何か10:作業の効率化と学びを促すTBシート
DIPSとは何か13:DIPSの効果が期待されるプロセスとDIPS運動
DIPSとは何か12:根回しのタイプとターゲット明示の原則
DIPSとは何か11:TSシートの思慮の砲台金次第
DIPSとは何か8:スケジューリング5つの定理
DIPSとは何か7:1ヶ月後までスケジュールを立てる効用
DIPSとは何か6:タスクをアクションに分解するための披露宴の視点
●このテーマの関連図書
トップと経営幹部のためのDIPS―企業経営の生産性を高める「知的作業者の…
DIPS(デイップス)運動
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●本書を引用した記事
生産性を改善するヒント(「1440分の使い方」より)
Pマトリックスで優先順位を判断する
自分の集中できる時間は限りがある
集中と弛緩を制御する(マックスIIの原則)
生産的であるために2:ハック編
DIPSとは何か9:RRASTICなアイディア出し
DIPSとは何か10:作業の効率化と学びを促すTBシート
知識と情報、知識の血肉化
不可能を秘密兵器にする
生産的であるために4:対人関係編、もの編、計画編、食事・健康編の詰め合わせ
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