私の仕事のやりかたの基本は GTD と DIPS から勉強しました。GTD は多くの情報がありますが、それに比べると DIPS はちょっと情報が少ないみたいです。
DIPS の参考図書としては、
『知的生産性向上システムDIPS(ディップス)』
『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』
の2冊を読めばわかると思いますが、本記事では『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』のキーポイントをご紹介します。
今回は、根回しの具体的な方法のガイダンス。
ここらは、私があまり語ることがないので、いきなり引用。
■・根回しのタイプとターゲット明示の原則
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「根回しビというと特別な業務にしか必要としない作業のよフにも聞こえますが、実は知的作業のほとんどがその対象となっています。たとえば、会議を開こうという場合にはまず会議日程を決めなければなりませんが、この日程は出席者全貝の同意が得られなければ決定できません。その意味では、会議日程一つ決めるにも、ときには根回しが必要となるのです。 DIPS では根回しのパ夕ーンを三つに分類しています。すなわち、
T:トレードオフタイプ
E:全員説得タイプ
M:混合タイプ
の一ニつで、これから取り組もうとする根回しにおいて、効率的に全貝のコンセンサスをとるために、説得の優先順位を判断する視点として用いるのです
三つのバターンのそれぞれの頭文字をとり、ここでは「TEM (テム)の視点」と呼びます。
小林忠嗣(著) 『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』
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根回しするには、まず、「なにを根回ししたいのか」という目的を明確にしないといけません。
私の知るところでは、これを頭の中でもや〜っとイメージしたまま突撃する人がおおいような気がします。
これをちゃんと言葉にして書き出すと、目標の人との話し合いががはっきりします。
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●ターゲットシートとHARPの手法
DIPS では右記のような効率的な根回しを行うために、図 3 の「夕ーゲットノート」を準備しています。
まず根回し業務の「依頼者」と「業務内容」を記入し、その根回しが「TEM の視点」のどの夕イブにあたるかを判断してチェックを入れます。次に、その根回しがトレードオフ夕イプ、あるいは全員説得夕イプであれば、実際に根回しすべき夕ーゲットをすべて書き出し、優先順位をつけ、原案を打診してみた結果を YES ・ NO で記録しておきます。
混合夕イプの根回しの場合は、原案打診の前に依頼者と調整し、妥協可能なラインはどこか、どの程度までターゲットに情報を与えてよいか、などの検討を行います。
他の夕イプの場合も、原案打診後、反対者が多かったり、強硬な反対者がいて説得が困難であると判明すれば、改めイ依頼者との調整を行います。ここでの結果を整理し、ソート最上段の「妥協可能なラインは?」に記入し、各夕ーゲットの妥協案への反応を確認します。妥協案にも NO と答えた夕ーゲットには、個別の対応を行います。
根回しのステップは
H:Hurdle 障害
A:Action 行動
R:Reaction 相手の反応
P:Push 押し切る
の4つの段階を意味しています。
シートの「H」の欄に相手がこちらの説得を受け入れられない理由、障害は何であるかをリストアップし、その障害を除去するために、どのような行動をとるべきかを考え、「A」の欄に記入します。
ここで考え出された説得行動を実行し、相手が示す何らかの反応を冷静に観察して「R」の欄に記入します。
この観察によって新たに明らかになった障害があれば、再度「A」に戻ってより効果的な説得行動を起こさねばなりません。
「R」によって相手の反応が好転し、機が熟したと考えられれば「P」のステップに進み、一気に説得してしまうのです。
小林忠嗣(著) 『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』
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最後に、根回しと言うと、当然ながら合意形成をすることが目的なので、合意できなかったときを考えていない場合があります。
本書ではこれをはっきり否定しています。
交渉術の本でも、まず最初に出てくるのは、合意できなかったときの代替案BATNAですね。
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このとき、もし何度説得しても「H」、 「R」、「A」、「P」となって堂々めぐりをしてしまうようであれば、その説得行動には何の効果もないか、手詰まりになってしまっているわけですから、そのときは説得をやめるべき潮時であると判断することもできます。
●最新メリットで立場が反流したら押しきる
DIPS ではこの四つのステップのそれぞれにおいて、説得ポイントを見出すための視点も用意しています。
「最新メリットで立場が反流したら押しきる」と語呂合わせされているものですが、これについてもふれておきますと、
最新:まだ伝えられていない最新情報を与えたか、夕ーゲットが当方の意図を誤解していることはないか。
メリット:夕ーゲットにとってのメリット・デメリットを明確に整理して説明したか。
立場:ターゲットの立場上の問題はないか(どのよっな立場に立つことになるかが不明瞭になっていたり、不本意な立場に立たせるような印象を与えるような説得はしていないか)。
反:夕ーゲットに影響を与える反対者はいないか。
流:世の中の動きや業界内の事例などの流れを踏まえて説明したか。
押しきる:反対者を押しきってしまうための準備を行ったか、押しきるための「H」は明らかになっているか。
という六つの説得ポイントを「HARP」の各ステップで活用し、説得方法を考えるのです。このような視点は単に社内での根回しに用いられるだけでなく、たとえばセールスマンの場合は顧客に「商品を買おうしと決意させるためにも有効であると思われます。
小林忠嗣(著) 『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』
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