私の仕事のやりかたの基本は GTD と DIPS から勉強しました。GTD は多くの情報がありますが、それに比べると DIPS はちょっと情報が少ないみたいです。
DIPS の参考図書としては、
『知的生産性向上システムDIPS(ディップス)』
『DIPSとは何か』
の2冊を読めばわかると思いますが、本記事では『DIPSとは何か』のキーポイント、TBシートの活用方法についてお送りします。
■作業の効率化
いまどき、「働き方改革」だの「業務の効率化」だのという話を結構聞きます。
まあ、話している人がイメージしている「改革」とか「効率化」とはなにかというと千差万別。結局固定費を削りたいだけとか、業績を伸ばしたいとかいろいろ。サラリーマンとしては、「作業が楽になって早く終る」みたいなところを目指したいでしょうかね。でも給料はたくさんあってじゃまになるものでもないのでたくさん欲しいな…と。
効率化のツーというとイマドキなら、RPA、つまるところ PC の操作をロボットで自動化させるみたいな技術がずいぶん発達しました。まだまだこの先、より協力な IT ツールが出てくるのでしょうけど、個人的にはこれはちょっと横道(邪道とは言いませんが)話だと思ってます。
過去記事でもいろいろなツールやアプリを紹介していますし、決してそれを否定するつもりはありません。逆に積極的に使いたいとは思っています。
一方で、そうした方向の趣味に走ってしまうと、ちょっと問題が置きます。
「30回同じ作業を繰り返さないといけないので、自動化ツールを一生懸命カスタマイズしていたら 1 日終わってしまった」では本末転倒です。
※よくやります……。バカみたい…
やっぱり、効率化や改革、生産性向上の王道はプロセスを変えることなんですね。
■プロセスを見える化する
プロセスを変えずに、今やっていることを高速化するというのは、考えなくても、ある程度の努力でなんとかなります。一方でプロセスを変えるというのは、リスクを伴うしいろいろ失敗しないとできません。リスクも結構あるものの、それによるメリットは自動化によるよりも何十倍も高いです。
プロセスを変えるためには、それを見える化しないといけません。
見えないものは変えようも触りようもないですから。
そのツールがTBシートです。
もちろん、それ以外に色々なツールがあります。ガントチャートも使えますし、WBS もそうです。
どのツールを使うかは、何に習熟しているかによるかとは思いますが、TBシートもちょっと勉強してみると、役に立つツールであることが理解できるかと思います。
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●TB シートによる作業方法の標準化
調査マンであろうと、販促企画の企画マンであろうと、また研究開発者であろうと総務、経理といった事務間接部門であろうと、職種、職位に関わらず、優秀な人材というものは仕事のやり方、手順に独特の工夫をこらしているものです。このようなエ夫によって開発された作業方法はたいへん優れたものが多く、したがって未熟な作業者は優秀な作業者の方法を学び、真似ていくなかで自己の能力を高めていくのが適切なやり方であると言えます。
しかし、もしここに、先輩の研究開発者は過去にどのようなテーマについて、どのような作業方法で研究を進めていったかという記録が残されていればどうでしょうか。先輩が当時の思考プロセスから作業手順に到るまでの克明な記録を残してくれているならば、これから新しく研究開発を進めようとする者にとって、こんなに心強く、また参考になるものはないと思われます。
実は、 DIPS ではこのような記録に代わるものとして、「TB ンート」を利用することができます。第 2 章 1 節(作業品質の明示)の通り、「TB シート一とはホワイトカラーが与えられた仕事、夕スクに取り組む前に作成すべき業務計画書のことで、一つの仕事を具体的なアクノョンレべルに分解したマえでスケジュール化されたものです。
DIPS ではこのような方法で日々開発されている新しい工夫や知恵をすべて残し、社員が自由に利用できる会社の財産とすることで、上手な作業方法の共有化と改善開発を促そうとしています。
小林忠嗣(著) 『DIPSとは何か』
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■プロセスを標準化する
何かの仕事をやっていくときに、「標準プロセス」というものがありますか?
ようは、この仕事は、まず××をやって、つぎに○○をやって………というのが決まっているか、ということです。
ものの製造では、ネジを締める順番から、ネジを締めるときの姿勢、ドライバの置く位置や向きまで、あらゆることが標準化されています。
これは何故かと言うと、製造という作業プロセスを標準化することによって、品質のばらつき、作業時間のばらつきをなくそうとしているからです。
毎回やり方が違うと、問題が起きても改善できません。だって同じ作業をしないんだから、その作業のやり方を改善しても2度と使われません。つまり効果ゼロです。
同じことは事務作業にも言えて、見える化したプロセスを、何度やっても同じやり方でやるから、そのやり方に加えた改善が効果が出るわけです。
本書にあるように、どのような仕事であれ、同じような作業の繰り返しはあります。というか、ほとんどは以前やった作業の元ネタをちょっと変えてやっているにすぎない場合が多いです。だから、業務に慣れればだんだん早くできるようになるわけです。
それを、頭で覚えるのではなく、見える化することでより具体的にみえるようになります。
そして、それをいつも同じやり方でやるようにすることで標準化が達成できるわけです。
これが、業務改革・改善の王道だと考えます。
他人の良いやり方を学ぶためにも、業務の進め方をみえるようにする、それをマネて同じようにやれるようにすることで、会社組織としても個人としてもより効率的に作業が進むようになります。
■参考図書 『DIPSとは何か』
ホワイトカラー革命は、この問いから始まる。コミュニケーションがよくなり、組織全体の効率が驚異的にアップする画期的手法を徹底的に解き明かす。 |
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DIPSとは何か 著者 :小林忠嗣 | 楽天では見つかりませんでした | DMMでは見つかりませんでした |
●本書を引用した記事
Pマトリックスで優先順位を判断する
DIPSとは何か13:DIPSの効果が期待されるプロセスとDIPS運動
DIPSとは何か12:根回しのタイプとターゲット明示の原則
DIPSとは何か11:TSシートの思慮の砲台金次第
DIPSとは何か10:作業の効率化と学びを促すTBシート
DIPSとは何か9:RRASTICなアイディア出し
DIPSとは何か8:スケジューリング5つの定理
DIPSとは何か7:1ヶ月後までスケジュールを立てる効用
DIPSとは何か6:タスクをアクションに分解するための披露宴の視点
DIPSとは何か5:タスクブレイクダウンの方法
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■参考図書 『知的生産性向上システムDIPS(ディップス)』
コミュニケーションがよくなり、組織全体の効率が高まる画期的な手法を展開。 |
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知的生産性向上システムDIPS(ディップス) 著者 :小林忠嗣 | 知的生産性向上システムDIPS(ディップス) 検索 :最安値検索 | DMMでは見つかりませんでした |
●本書を引用した記事
Pマトリックスで優先順位を判断する
自分の集中できる時間は限りがある
集中と弛緩を制御する(マックスIIの原則)
知識と情報、知識の血肉化
不可能を秘密兵器にする
生産的であるために4:対人関係編、もの編、計画編、食事・健康編の詰め合わせ
生産的であるために3:技術編
生産的であるために2:ハック編
生産的であるために1:マインド編
DIPSとは何か13:DIPSの効果が期待されるプロセスとDIPS運動
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