私の仕事のやりかたの基本は GTD と DIPS から勉強しました。GTD は多くの情報がありますが、それに比べると DIPS はちょっと情報が少ないみたいです。
DIPS の参考図書としては、
『知的生産性向上システムDIPS(ディップス)』
『DIPSとは何か』
の2冊を読めばわかると思いますが、本記事では『DIPSとは何か』のキーポイントをご紹介します。
今回は、ブレイクダウンしたタスクからアクションを起こすためのツールをご紹介します。
■タスクとアクション(行動)
最初に明確にしておかないといけないのは、
タスクとアクション(行動)の違い
です。
タスクとは、成果物に意味のある行動のカタマリです。
ですので、タスクリストを作ると、
××を作り
××と○○をあわせて◎◎を作り…
:
:
というふうに並びます。つまり、タスクというのは出来上がるものに視点があるわけです。
一方でアクション(行動)とは、やることに視点があります。
たとえば、「○○さんに電話をかける」とか「メールを書く」みたいなものです。
タスクのレベルで言えば、「○○さんに◎◎について合意をもらう」ことがゴールです。したがって、電話をしようが、話に行こうが、メールをしようが何でもありです。
一方で、アクションは、「◎◎の提案を拒否される」か「了解してもらう」かには興味がありません。「電話をする」というのが重要ですので。
過去記事で、「検討する」のは仕事じゃない、と書きましたが、検討すること自体はアクションであって目標にはならないからです。
成果物がなくても「検討した」という行動は残ります。でも、成果物のない仕事をしたら生産性はゼロですね。
ということで、ようやく本題。
タスクブレイクダウンではなく、アクションの抽出のためのツール、HIROEN について。
■HIROENの視点
HIROEN の視点とは、前回ご紹介した TB シートを作成するときに、どのような視点でその業務の目標を達成するアクション(行動)を考えるのかの要素をリストアップするために、考えるヒントになってくれるものの見方です。
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・HIROEN の視点
H(Hear) 聞くことはないか
I(Inform) 連絡することはないか
R(Request) 依頼することはないか
O(Operate) 作業することはないか
E(Examine) 検討することはないか
N(Negotiate) 交渉することはないか
小林忠嗣(著) 『DIPSとは何か』
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以前の記事
ピクニックに行く
で書いたように、ゴールを思い描き、そこに必要な要素を出していく WBS 手法に近いものではなく、どのような事が必要かを出発点から考えるための方法です。どちらかと言えば、次のアクションを思いつくためのヒント集というところでしょうか。
個人的には、WBS 手法とこの HIROEN 分解法(勝手な命名)の両方が必要だと考えます。
目標を一定の大きさのカタマリに分解したときに、「さて、そのためにはどんなアクション(行動)が必要か」と考えるときに必要なツールです。
そして、行動といえるものは、すべて HIROEN の視点に分解されるものだと思います。
これに分類できないようなものは、基本行動のレベルにまで分解されていません。
ということで、また次回に続く。
■参考図書 『DIPSとは何か』
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●本書を引用した記事
DIPSとは何か9:RRASTICなアイディア出し
DIPSとは何か8:スケジューリング5つの定理
DIPSとは何か7:1ヶ月後までスケジュールを立てる効用
DIPSとは何か6:タスクをアクションに分解するための披露宴の視点
DIPSとは何か5:タスクブレイクダウンの方法
DIPSとは何か4:MAX2の原則
DIPSとは何か3:雑用優先の法則
DIPSとは何か2:知的生産性を左右する五つの要素
DIPSとは何か1:概要
スケジュールがないことが非効率のもと
●このテーマの関連図書
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●本書を引用した記事
自分の集中できる時間は限りがある
集中と弛緩を制御する(マックスIIの原則)
DIPSとは何か9:RRASTICなアイディア出し
DIPSとは何か8:スケジューリング5つの定理
DIPSとは何か7:1ヶ月後までスケジュールを立てる効用
DIPSとは何か6:タスクをアクションに分解するための披露宴の視点
DIPSとは何か5:タスクブレイクダウンの方法
DIPSとは何か4:MAX2の原則
DIPSとは何か3:雑用優先の法則
DIPSとは何か2:知的生産性を左右する五つの要素
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