私の仕事のやりかたの基本は GTD と DIPS から勉強しました。GTD は多くの情報がありますが、それに比べると DIPS はちょっと情報が少ないみたいです。
DIPS の参考図書としては、
『知的生産性向上システムDIPS(ディップス)』
『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』
の2冊を読めばわかると思いますが、本記事では『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』のキーポイントをご紹介します。
■タスクのブレイクダウン
タスクのブレイクダウンの方法は、いろんなところで説明がありますが、タスクのブレイクダウンのためのテンプレートがあるのは、本書『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』以外に知りません。
多くの場合、タスクのブレイクダウンは、法則性はあるものの、その人の経験で習熟していくもののように書かれていまして、「結局、新人君にどう教えればいいのよ?」というのはよくわかりませんでした。
しかしながら、本書では、タスクのブレイクダウンはあるテンプレートに沿ってやるものというシステマチックな方法が提示されています。その根幹になるのが、この TBシート(タスクブレイクダウンシート)です。
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●TB(タスクブレイクダウン)
DIPS ではこのような場合、夕スク・ブレイクダウン( TB : TASK BREAKDOWN )手法を用います。
仕事(夕スク)にとりかかる前に、まず部下はその仕事をどのようにして進めていくか、アクンョンレべルに分解(ブレイクダウン)します。
そうしてつくった TB 計画書( TB ンート)を上司に見せ、「このようにしてやろうと思いますが、よろしいでしょうか」と尋ねるのです。
上司はこれによって部下の計画を理解し、アウトプットの出来映えを推測することができます。もし不十分だと思えば、この時点で「これについても検討してみてくれ」というふうに指示を補足することができますし、
あまりにも無駄が多いと思えば「この作業は必要ないよ」「これは○○部の資料を流用できるから、コピーしておいてくれればいい」とアドバイスすることがでさます。
こうすることで部下は上司の求める基準を知ることができ、上司は部下が効率よく仕事を行うための業務改善を実施することができるのです。とくに部下が仕事に慣れない新人の場合などは、こうした事前の打ち合わせがたいへん効果的です。
小林忠嗣(著) 『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』
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これにより、上司は部下が「どのような成果をどのようなプロセスで作ろうとしているのか」が理解でき、部下は「上司が何を要求しているのかを具体化する」事ができます。
その結果、出来上がったものを見て、「そんなもの要求してない」とか「最初に言ったことと違うじゃないか」みたいな行き違いが少なくなります(「なくなります」と言わないところがいいでしょ)。
■最初に成果物を定義する
製造業の生産ラインに携わっているのであれば、成果物は明確です。「製品」ですから。
これは誰が見てもひとつの結果しかありません。
一方で、事務作業、いわゆる知的生産業務には成果物の定義はすごく曖昧です。
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●作業品質の明治
前節でも説明しましたが、ホワイトカラーの特陸のひとつとして、自分はこの仕事について、どの程度の品質が求められているか、という基準を明らかにしないまま仕事にとりかかってしまうということがあります。
そしてしばしば、過剰品質な仕事をしてしまうのです。
多くのホワイトカラーたちは、オフィスで仕事をしています。彼らの仕事の直接の対象は同僚(上司・部下)であり、そのなかでの評価をもとに地位を高めていくのです。
したがって、ホワイトカラーが「上司によく思われたい」という気持ちから、「納期に遅れない限りは、できるだけよい仕事をしよう」と考えてしまうのは自然な流れです。
上司も、そのような姿勢を高い評価しようとするところがあります。
あるホワイトカラーは上司に調査の仕事を頼まれ、依頼された項目についてのみ調べたレポートを提出しました。それを見た上司は「あ、こういう結果が出ているのなら、ついでにこれとこれについても調査をしてくれたらよかったのに」と言ったそうです。
彼は、次に同じことを頼まれれば、けっして指示通りの調査では終わらせないでしょう。
指示通りの仕事では、評価をあげることができないと考えるからです。
このようなホワイトカラーたちの特性について、ある大手企業の課長は、いみじくも「保険をかける」という表現を使われました。
え、保険とは何のことです?
と私が尋ねると、彼は、
調査を依頼されたときは、指示された項目の周辺まで調べて、手元に持っておくのです。そうすれば万一上司が調査せよと指示した以外のことについて尋ねてきたときも、 「それも必要かと思って調べておきました」 と言えるでしょう
と答えました。その余分の調査も、レポートにつけて提出しておけばよさそうなものですが、それでは逆に、「なぜこんな余分なことまでしたのだ」と叱られることもあワます。だから、無駄になるのも承知で手元に持っておき、万一のときに備えておく「保険」とは、そのような意味だったのです。そしてこの「保険」が上司の評価を勝ち得るのにたいへん有効なのだそうです。
小林忠嗣(著) 『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』
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これは、全く実感があります。
上司は成果物に対しては期待レベルに達していればあまり文句を言いませんが、成果物の背景情報や周辺情報を報告時に聞かれます。
それに答えられないと、「そうか………」的になります。それを避けるためには、必要十分を超えた情報が必要になるわけです。
当然、事前に何を聞かれるかはわからないので、役に立たない、ハズレの情報も持っておかないと、そっちに話が振られたときに困るわけですね。上司の性格からある程度は絞りこめる部分もありますが、何を思いつくかは出たとこ勝負なので。
そこで、先程の「TBシート」の出番です。
ある目標に対するタスクは、
何を、どこまで、結果、どのくらいの時間をかけて
という、いわゆる 5W2H を書き込むので、部下が考えている最終成果物がかなり具体的に想像がつきます。
そして、言葉の齟齬がないかを確認できるわけです。
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しかし、いつも上司が基準を示すことはできなくても、仕事にとりかかる前に、上司と部下で「どこまでやるか?」の基準をすり合わせておくことはできるでしょう。
そうすることで生産性を上げることはできるはずです。
DIPS ではこのような場合、夕スク・ブレイクダウン( TB : TASK BREAKDOWN )手法を用います。
仕事(夕スク)にとりかかる前に、まず部下はその仕事をどのよつにして進めていくか、アクンョンレべルに分解(ブレイクダウン)します。
そうしてつくった TB 計画書( TB ンート)を上司に見せ、「このようにしてやろうと思いますが、よろしいでしょうか」と尋ねるのです。上司はこれによって部下の計画を理解し、アウトプットの出来映えを推測することができます。
もし不十分だと思えば、この時点で「これについても検討してみてくれ」というふうに指示を補足することができますし、あまりにも無駄が多いと思えば「この作業は必要ないよ」「これは ○○ 部の資料を流用できるから、コピーしておいてくれればいい」とアドバイスすることがでさます。
こうすることで部下は上司の求める基準を知ることができ、上司は部下が効率よく仕事を行うための業務改善を実施することができるのです。
とくに部下が仕事に慣れない新人の場合などは、こうした事前の打ち合わせがたいへん効果的です。
このような活動によって、品質基準のすり合わせが行われると同時に、一つの作業についての最も効果的かつ効率的な行動計画書がつくりあげられていきます。
これをとっておいて、誰もが参照できるように整備しておけば、通常の作業マニュアル以上に価値あるものとして利用できることになります。
小林忠嗣(著) 『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』
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■参考図書 『知的生産性向上システムDIPS(ディップス)』
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●本書を引用した記事
自分の集中できる時間は限りがある
集中と弛緩を制御する(マックスIIの原則)
DIPSとは何か3:雑用優先の法則
DIPSとは何か2:知的生産性を左右する五つの要素
DIPSとは何か1:概要
スケジュールがないことが非効率のもと
先延ばしで失敗しないための作業分割法
説得のための6つのポイント
HARPの法則で、説得の波を作る
DIPSとは何か3:雑用優先の法則
●このテーマの関連図書
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●本書を引用した記事
DIPSとは何か3:雑用優先の法則
DIPSとは何か2:知的生産性を左右する五つの要素
DIPSとは何か1:概要
スケジュールがないことが非効率のもと
先延ばしで失敗しないための作業分割法
DIPSとは何か3:雑用優先の法則
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●このテーマの関連図書
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DIPS(デイップス)運動
DIPS実録レポート曖昧排除・凡事徹底
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