ときどき、年初に予定していなかった仕事やプロジェクトのオハチが回ってくることがあります。
まあ、ケースとしてはいろいろなのでしょうけど、会社の状況が変わったり、今のプロジェクトがうまく行かなくて、担当を変えるときとか。
そのときに「これはチャンスだ」と考えるか「また面倒なことを…」と考えるかによって当然結果も変わってきます。
いやいややっていると仕事もやっつけ的な作業しかしませんし、うまくいかなくなると「時間がない」とか逃げ口上だけが出てきて、課題解決に動けません。
■なぜ「君に」と言われたのか
どうして自分にその仕事が振られてきたのでしょうか?
指示する上司にしてみると、これまたいろいろな理由はあるとは思いますが、
・彼ならできると考えた
・他に振る人がいなかった
・たまたま目があった
・振ろうとしていた人に断られた
・頼みやすいから(多分コイツなら断られないだろう)
なんて感じ。
ただ、計画になかった仕事というのは、振り出す上司からしてもちょっと気詰まりなものです。年間の計画を立てて仕事をさせているんだから、その計画で結構いっぱいなことがある程度わかっているのに、「これをやらないといけない」状態に追い込まれて、やむを得ず振る場合も少なくありません。
もちろん、何も考えてなくて、行き当たりばったりに仕事をやっている上司もいるかもしれませんが。
本日ご紹介する『上司を上手に使って仕事を効率化する「部下力」のみがき方』にはこんなふうに書いてありました。
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上司が部下に仕事を振る際、何を基準に担当する部ドを選んでいるのでしょうか?
誰でもいい仕事など、そうそうあるものではありません。仕事を振る以上、成果を期待 L ています。すると、その成果を上げるには誰に頼むのがいいのかという判断基準があるはずです。
私は大きく分けて、 3 つの判断基準があると考えています。
・その仕事を任せるには、その人の専門性が最適
・その仕事を最も早く(あるいは正確に)行なうには、その人が最適
・その仕事をきっかけに、その人に新たなチャンレンジをしてほしい
上司が、それを明確に部下に伝えることができていればいいのですが、それらをはっきりと伝えることができない上司もいます。また、部下が L 司の意図を汲み取れないことがあるかもしれません。
新名史典(著) 『上司を上手に使って仕事を効率化する「部下力」のみがき方』
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受ける側としても、「君には期待しているんだから…」と言われれば悪い気はしませんが、いろいろ背景を聞いたりしていると、どうも他の人に断られてやむを得ず的な言い方もあったりして、素直に受け取れないときも。
■新しい仕事はチャンスでもある
ただ、少なくとも私は「チャンスだ」と思うようにしています。
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しかし、このようなケースは自分の世界を広げる大きなチャンスです。
そして、そこに上司のひそかな、しかし大きな期待が隠れていることがあるのです。
私の経験ですが、こんなことがありました。私が担当者だった 2 ( }代の頃、食品製造業に関する仕事を多く担当していました。
お客様のほとんどが食品製造業でした。ですから、その仕事に数年問没頭していると、食品製造業のことはある程度わかるようになっていました。
新名史典(著) 『上司を上手に使って仕事を効率化する「部下力」のみがき方』
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こういう、「いままで知らなかった仕事ができる」という側面でのチャンスもあるでしょうけど、私は
・上司に恩を売れる
・人間関係が広がる
・評価が上がる
・自分の仕事の効率が上がる
という点において、チャンスだと考えます。
●上司に恩を売れる⇒評価が上がる
一番大きいのは、「恩」です。なにしろ上司としてもプラスアルファの仕事をお願いする立場なので、多少なりとも「申し訳ない」とおもっている側面はあります。それを「わかりました。やらせてください」と言えば、上司としても「助かった」と思うわけです。
そして売った恩は、上司のフォローが厚くなるという結果を引き出せます。
ようはその仕事はうまく行きやすくなるんです。結果として、自分の仕事の評価が上がります。
●人間関係が広がる
過去記事でも書きましたが、仕事はひとりで完結することはありません。だれか関係者がいます。
新しい仕事であれば、新しい関係者がいるわけです。
その人とつながりを作るチャンスです。結局、人とのつながりが多い人のほうが仕事がうまくいくんだから、大いにこしたことはありません。それをもらえるチャンスです。
●自分の仕事の効率が上がる
で、私が新しい仕事を引き受けるときの一番の理由がこれです。
「パーキンソンの法則」ってご存知でしょうか?
パーキンソンの法則-Wikipedia
まあ、単純に言ってしまえば、どれほど効率的に仕事をこなそうとしても、自分の持ち時間以内に終わるようにはなりません。
10分かかる作業があったとして、効率化して5分で終われるようになったとき、10分の持ち時間が変わらなければ、残り5分は遊んでしまうわけです。
結果生産性は変わらなくなります。
これについては
パーキンソンの法則:効率を上げるとムダ時間が増える
に詳しく書きましたので、そちらをどうぞ。
逆に言えば、仕事の効率化をはかりたいなら、持ち時間以上に仕事を抱え込んでしまうことです。
そうすれば、自然と生産性の低い仕事はやらなくなりますし、効率的に仕事を片付けるようになります。
結果、自分の仕事の能率が上がり、その他の仕事もこなせるようになるので、成果は大きくなるわけです。
そのためのトリガとして新しい仕事を引き受けるわけです。
もちろん、効率化では届かないような完全にキャパオーバーの仕事を受けるとハマりますので、何でもかんでもウエルカムという訳にはいきませんが。
■参考図書 『上司を上手に使って仕事を効率化する「部下力」のみがき方』
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●本書を引用した記事
上司にお願いする作業は分解してから渡す
人を動かす:相手の話を聞くときには手を止めなさい
上司にもアポイントメントを取る
バカな上司の下でも成長できる仕事術1
他人に軽く扱われない技法
面接で「年上の部下・担当者への接し方」を聞かれたら2
部下力のみがき方1:部下力のみがき方
部下力のみがき方3:キーメッセージ
報連相の手段―上司を捕まえる
不快な状況を受け入れない
●このテーマの関連図書
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