最近、Web で「ティール組織論」なることばを見かけるようになりました。こういうブログを書いていると、ちょっと気になるタイトルですね。
アマゾンのビジネス書ジャンルでも結構なランキング。
ティール組織―マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現
※この記事を書いた時点では、まだ未発売です。
■「ティール」とは
そもそも「ティール」という言葉がわかりません。
これは、ケン・ウィルバーのインテグラル理論の中で提唱される意識のスペクトラムに準拠しているみたいです。
※インテグラル理論については、wikipedia が参考になります。
※読むのが大変ですが…
※ ケン・ウィルバー-Wikipedia
意識のスペクトラムでは、
Red → Amber(琥珀) → Orange → Green → Teal(青緑)
の順に意識は発展していくそうな。
Teal organization(ティール組織)とは、Teal(青緑)という意識の発展段階の組織、ということになります。
で、それは一体なんぞや?? というと…
ざっくりいうと
・青緑(Teal)
・特徴:進化的
・価値基準:内なる正当性
・長所:セルフマネジメント、全体性、進化的な目的
・緑
・特徴:多元的
・価値基準:人間的な関係性
・長所:エンパワーメント、理念による組織運営
・短所:相対主義、非合理性、ヒエラルキー崩壊
・オレンジ
・特徴:達成、リーダーシップ
・価値基準:成果の追求
・長所:合理性、ヒエラルキー、成果拡大
・短所:短期的、過剰レバレッジ、関係性希薄化、人間性欠落
・琥珀
・特徴:順応
・価値基準:集団有線
・長所:効率化、スケーラビリティ
・短所:社会的仮面、所属意識、従属性
・赤
・特徴:衝動的
・価値基準:欲求充足
・長所:短期的な目標達成
・短所:長期視点欠如、再現性がない
ということのようです(勝手な要約なので信じないでね)。
意識のスペクトラムでいうところの「オレンジ」が今の会社っぽいですね。
これらは、ある段階を経て次の段階に進むようなものではなく、ある場面では「赤」の行動を取り、ある場面では「緑」の組織行動を取っているような状態で、全体として「赤っぽい」とか「オレンジっぽい」という状態で表されるのが正しいようです。
■組織運営の理想形は
過去の組織論では、多くは、「緑」「オレンジ」が推奨されてきていますが、ここに来て新しい段階の組織論が出てきた、というところでしょうか。
具体的に言えば、マズローの欲求5段階説の5段階目が組織としてある時の状態のようなものかと考えています。
特徴的に言えば、
・上司の指示ではなく、組織の目的に沿って自己決定する
・不安や心配ではなく、未来の姿のために動く
・自己の内面にある正義を判断基準とする
という状態らしいです。そして最終的には、「上司」という存在はなくなるか極限までその権限範囲を小さくしていく組織になります。
■「組織における意識スペクトラム」という考え方
まあ、説明を書いていても、私が本当に理解しているかというと、言葉だけで、それがリアリティみたいなものを伴っているわけではないので、実際に組織として運営されている状態というのが想像がつかない、というところが本音です。
それは私自身の組織に対する認識が甘いのか、世の中の凡人でわかるような世界が来ていないのかはわかりません。そもそも私が「理解」できているわけでもありませんし。
ただ、意識スペクトラムにおける組織の段階というのは、組織の状態をCMMIやISOなどの基準で分類するよりもより高次な段階が表現できるわけで、将来はそうした基準ができるのかもしれないと思ったりはします。
つまり、下位段階における課題や歪みのようなもの、社会的ストレスなどの解決策として上位段階が提唱されるようになり、先進的企業がそれによって大きな社会的評価を受けて徐々に浸透していくようなイメージが生まれるのかもしれません。
たとえば、「男女格差是正」なども琥珀からオレンジや緑を目指すための運動と捉えることも可能な気がします。
一方、企業下張りの会社は従業員数人の小企業では、最初は「緑」の状態に近く、皆がそれぞれを補完し合いながら、自由闊達に同じ目標に向かって仕事を勧めていても、会社が大きくなって、それにともなって従業員が増えたり、社長のリーダーシップが硬直化して、「琥珀」の状態に移行するという事も考えられます。最悪は「赤」の状態になり、収支自体も「赤」になり、企業解散になるとか…。
これからじっくり勉強していきたいテーマのひとつですね。
■参考記事
こちらの記事も参考になると思いますのでご紹介しておきます。
経営革新の新潮流
オランダで急成長を遂げるTeal型組織、Buurtzorgの驚きの組織運営
永井ギリシャレポート:ティール組織の3要素
ティールパラダイムを取り入れる
■参考図書 『ティール組織―マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』
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●このテーマの関連図書
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