「何を言っているかわからない」「話が長い」という人が時々います。
まあ、何も言わずに以下の文章を読んでみてください。
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新聞の方が雑誌よりいい。街中より海岸の方が場所としていい。最初は歩くより走る方がいい。何度もトライしなくてはならないだろう。ちょっとしたコツがいるが、つかむのは易しい。小さな子どもでも楽しめる。一度成功すると面倒は少ない。鳥が近づきすぎることはめったにない。ただ、雨はすぐしみ込む。多すぎる人がこれをいっせいにやると面倒がおきうる。ひとつについてかなりのスペースがいる。面倒がなければ、のどかなものである。石はアンカーがわりに使える。ゆるんでものがとれたりすると、それで終わりである。
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こんな話をいきなりされたら面食らいますよね。
というか、最後まで聞くのは苦痛になって、途中で「なにがいいたいんだ?一言で言ってみろ」って言いたくなっちゃう。
実際に話しが長いわけではなく、話しが長く感じるだけかもしれませんね。
■最初に全体を話す
同じ文章ですが、タイトルを付けました。
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●凧揚げの楽しみ
新聞の方が雑誌よりいい。街中より海岸の方が場所としていい。最初は歩くより走る方がいい。何度もトライしなくてはならないだろう。
ちょっとしたコツがいるが、つかむのは易しい。小さな子どもでも楽しめる。
一度成功すると面倒は少ない。鳥が近づきすぎることはめったにない。
ただ、雨はすぐしみ込む。多すぎる人がこれをいっせいにやると面倒がおきうる。ひとつについてかなりのスペースがいる。面倒がなければ、のどかなものである。
石はアンカーがわりに使える。ゆるんでものがとれたりすると、それで終わりである。
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表題を付けて、適当に区切っただけですが、ずいぶん印象は変わったのではないでしょうか。
こうした表題や見出しをつけて理解を促進することができます。
同じことは、口頭で報告するときにも必要です。
■目的を言う
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●一手間加える
報連相の相、すなわち相談でも報告と同じような配慮が有効です。ただ、報告や連絡と異なることがひとつあります。
それは、話の最初に「相談」であると明確に告げることです。逆に、報告であっても、まず最初に「報告」であると告げるべきです。
これも、意外にやっていません。
なぜ、「相談」であることを告げる必要があるのでしょうか。
話し手、つまり相談する部ドの立場からすれば、その話の最後が相談になることを知っています。そのため、最後には何らかの判断を上司からもらいたい、という前提で話をはじめています。
しかし聞き手、つまり上司にとってはどうでしようか。話を聞きはじめた段階では、それが最後にどうなるのか、まったくわかりません。
最後に、判断を求められる前提で話を聞くのか、あるいは、まず現状認識の報告で終わることを知って話を聞くのかでは、開く側の姿勢は大きく異なってきます。
報告だと思って聞いていて、最後にいきなり判断を求められると、「えっ」と思うことになり、逆に判断しなくてはならないつもりで聞いていて、単なる報告だとわかると肩透かしをくらったような気持ちになります。
このようなミスマッチを防ぐためには、最初に「これは相談なので、最後に部長のご判断をぜひお聞きしたい」と断ることが必要なのです。
相談に限らず、コミュニケーション全般について言えることですが、話の落とし所が見えないまま話を聞いていると、聞き手はよけいなことばかりを考えてしまい、話に集中することができません。
聞きながら話し手の真意を探ったり、どこかで話を切って、「で、何を求めているの?」と問い質すタイミングをはかっていたりするからです。
そのような状態だと、情報も正しく伝わりません。情報を正しく伝えるためにも、聞き手によけいな推測をさせずに集中できる環境を提供しましょう。
一方、相談後に上司からもらうコメントや判断が、自分の意見と合わないことがあります。
また、行き違いがあって、部下にとってみればトンチンカンに聞こえる判断を下されてしまうことがあります。
そのような場合、部下の心の中では
この上司、わかってないなあ〜〜。どうしてそんな答元になるわけ?
と叫んでいるはずです。
しかし、上司の判断やコメントに納得できないからといって、いきなり否定してはいけません。
「いや、違うんです!」や「でも…」などと言ってしまうと、上司はどう思うでしょうか?
「こいつ、せっかくアドバイスしてやったのに、いきなり否定してくるとは何事だ。それなら聞くな!」
と思ってしまうはずです。
上司でも部下でも、よかれと思ってコメントしたことをいきなり否定されるのは嫌なものです。
そこはワンクッション置くためにも、いったんは上司の判断やコメントを肖定的に受け止めるようにしましよう。
この肯定的というのは、その判断にしたがうということではありません。
「なるほど、その判断は気づきませんでしたね!」と受け人れてあげるだけでいいのです。
そうして、相手の判断をいったん持ち上げたうえで、「部長、ひょっとすると私の説明不足で重要なことがお伝えできていないかもしれません。それは…」と言って、再度議論に引き戻すのです。
ここでは、あくまで部下である自分の「説明不足」を原因にします。決して、上司の一理解不足」のせいにしてはなりません。言葉にしなくても、「この上司、わかってないなあ」という雰囲気を出してしまうと、上司はそれに気づいてムッとしてしまうからです。そこは、あえて自分が「気づかないフリ」をするのです。
これは、お客様が相手でも同じです。相手の「理解不足」を原因にしても、何も解決しないからです。
新名史典(著) 『上司を上手に使って仕事を効率化する「部下力」のみがき方』
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引用が長くなってしまいましたが、まあ、こういうことです(手抜き)。
ただ、私は、本書のように、もし上司がおかしなことを言ったら、あえて再説明しません。
「了解しました。ありがとうございました」と行って一旦引き下がります。
これは再説明をすること自体が上司の「あ、外した?」を促しますし、自分が言った言葉をもう一度繰り返しても理解は深まらないからです。
もし上司が外してきたら、一旦引き下がって、今度は口頭ではなくプレゼン資料にするとか、参考資料を見せるなどの準備をもう一度してから話に行ったほうが、上司も予備知識ができてますし、より詳しく考えられるはずです。
同じ言葉を使って、繰り返しても、理解度は深まりません。
熟成期間を取って、別の言葉、別のツールを使うようにしたほうが理解してもらえます。
■参考図書 『上司を上手に使って仕事を効率化する「部下力」のみがき方』
立ち読み可 | 常に「上司の考え」を予測しながら動く能力、それが「部下力」。 この「部下力」を身につけることで、上司を上手に動かすことができるようになり、あなたの仕事も効率的に回っていく! 上司は、仕事ができる部下が可愛く思えても、可愛いから仕事を任せるわけではない。また、仕事は一人で進めるものではなく、上司の決裁がないと進まないものがたくさんある。 そこで本書は、一所懸命に実務をこなしていても、なかなか上司に認められない、仕事を任せてもらえない、または、仕事がスムーズに進められないという部下が身につけたい「部下力」を丁寧に解説! |
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●本書を引用した記事
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●このテーマの関連図書
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