ずいぶん昔の事になってしまいましたが、盛んに「アジャイル開発」というものが騒がれた時期がありました。
まあ、それ自体は今回のテーマではありませんので説明は省略しますが、それがいろんな論文や雑誌に取り上げられた頃に、ちょっと小さなプロジェクトで試してみてことがあります。
そうすると、「本にはこう書いてあったけど、そのとおりにはならないな」とか「これはたしかに効果がある」とか色んな発見があります。
新しく知ったことというのは、試してみると自分にとっての価値がわかりますし、それ自身が勉強につながっていきます。
■勉強は遊んで覚える
ビジネス書などを読んだり、ビジネス雑誌などに書かれた興味惹かれたキーワードについて、自分の認識していることが正しいのかどうかは、試してみればわかります。
最初から、「良い結果を出そう」ときちんと手順を踏んで導入するのではなく、「こんなことに役立つかやってみよう」とちょっとお遊び感覚で捉えてみると、案外言われているほどのものでもなかったり、理解不足だったところに気がついたり、といろいろ勉強になります。
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私は、何をやっているのかさえわからないうちに行動を起こすことが、何かを学ぶための方法としてはもっともいいのではないかと感じている。
あるテーマについて遊べるくらいの知識が身に付いたら、あなたの頭のなかの創造的で好奇心旺盛な強力な部分を活用できる。私たちは、実際に能動的に遊んでいるときこそ、そうでないときよりも多くの知識を吸収し、意味のある疑問が湧いてくるものだ
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:(中略)
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もうひとつ、例を挙げよう。若い頃、私はマジンクザギャザリングというトレーディングカードに夢中になった。
とにかく面白かったので、何時間もゲームをしていた。
自分の機転、運、創造性を組み合わせて、敵を倒すために必要な戦略を練ることに魅了された。一時は、ゲームのなかの数千種ものカー 1 マのほ 12 すべてを記匿していた。カードの名前を言われれば、そのカードか何をするもので、どのような属性かということを正確に返答できた。
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:(中略)
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本を読んで学んだら、その成果を遊びに活かそう。学んだ新しいことが遊びにどのようにフイットし、問題解決に役立ったかを観察するのである。
また、新しい領域を掘り下げ、解決すべき新しい疑問を生み出そう。
このサイクルを繰り返し、プレーしながら見つけた問題を解決するという目的のために知識を少しずつ蓄えていこう。
こうすれば、獲得した情報は、単なるページ上の言葉の連続ではなく、自分にとって意味のあるものになる。
最後に、自分が学んだことを誰かほかの人に教えて知識をセメントで封印しておこう。
この頃には、自分が発見したことに興奮し、知識ははち切れんばかりになっており、新しく見つけた知識を聞いてくれる人に教えたくてうずうずしているはずだ。
これが遊びのパワーだ。
教えるというのは、わかったことを夫や妻に話 L たり、ブ口グポストを書いたりといった簡単なことでいい。
大切なのは、その情報を自分の言葉で言い直し、頭の外のどこかに思考を組織することである。
ジョン・ソンメズ(著) 『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル』
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■気づきをアイディアノートに残す
ゲームのようなものは、自分で実際にやってみるのが近道ですが、実際に新しく覚えたことを仕事に取り入れるには結構なハードルがあります。
それが個人でやれるようなことだったら、ためしにこっそりやってみればいいですが、チームや他の人を巻き込まないといけないようなものでしたら、「試しにやってみよう」と呼びかけても答えてくれるひとは少数かもしれません(逆にそういう人が職場にいてくれるということは得難い環境なのかもしれません)。
私の場合は、本を一冊読めば 10 箇所くらいは気になったところがありますし、それを次々にやってみるというのも節操がなくなっちゃうので、アイディアノートに「こんな風にやったらどうだろう」みたいなメモを残してます。
書き残しているメディアは OneNote です。
ここに、「企発」というグループが作ってあって、そこに本を読んでいて気がついたところや、思いついたアイディアを大量に書き残してます。
たとえば、
仕事効率化
みたいな本を読めば、「会議のムダを減らす」というページを作ってあって、「会議はすべて電話会議で済ませると移動時間が減らせる」というネタが書いてあります。
もちろん、それに対する賛否(メリット・デメリット、課題など)もいろいろ思いついたことが書いてあります。
当然、いきなり会社で「明日からガン首揃えての会議は禁止にしましょう!」なんて提案はしません。たんなる思いつきとして記録がしてあるだけです。
ただ、こうしたアイディアノートがあると、上司から「業務の効率化のアイディアを出せ」と言われたときに、その場で考えるのでなく、ちょろっと検索してやれば、10 個や 20 個くらい引っかかります。
その中で、いまの環境で実現できそうなもの、ちょっとハードルが高いけど可能かもしれないものをピックアップしたり、純粋にアイディアとして数合わせにするものなどを出していけば、上司は「コイツ、なかなか…」と思ってくれる可能性が高まります。
ちなみに、アイディアノートのページ数はすでに 2 千近く…。
しょーもないものが多いですが。
■参考図書 『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル』
![]() ![]() | 「より良い人生」を送るためのノウハウ・スキルを網羅した、生き方バイブル本です。 ソフト開発者向けに書いてありますが、そこで言われていることはあらゆるビジネスパーソンに通じることばかり。 良い人生を送るためには、技術習得法やキャリア構築法といったノウハウに加え、対人的な交渉・指導・意思疎通などをうまく行える能力や知恵、すなわち「ソフトスキル」が不可欠です! 本書では、キャリアの築き方、自分の売り込み方、技術習得法、生産性の高め方といった仕事で成功する方法だけでなく、財産の築き方、心身の鍛え方、恋愛で成功する方法など、「人生全般をより良く生きる方法」を具体的に説明します。 ●「解説」から抜粋 本書はソフトウェア技術者向けの書籍ではありますが、いわゆるテクノロジーのことはほとんど書いてありません。しかし、「成功者」になるために必要なそれ以外の多くのことが書いてあります。(中略)今こそ私たちがもっと成功に貪欲になれるチャンスなのではないでしょうか。 ●「訳者あとがき」から抜粋 全体を読み通して感じたのは、人の弱さを十分に意識して書かれていること、率直であること、上からではなく同じ高さから話しかけてくることでした。 (中略)校正のために読み返してみると、株や栄養や腹筋のことなど、「何かで読んだんだけどさあ」という枕で出てくるような話の多くを本書で覚えたことに気づきました。無意識のうちにいろいろな影響を受けているようです。この本、ただものではないですよ。 ●目次 第1部 キャリアを築こう 第2部 自分を売り込め! 第3部 学ぶことを学ぼう 第4部 生産性を高めよう 第5部 お金に強くなろう 第6部 やっぱり、体が大事 第7部 負けない心を鍛えよう 付録A コードを書けるなら金融は理解できる 付録B 株式市場の仕組み 付録C 食事と栄養の基礎:ガラクタを入れればガラクタが出てくる 付録D 健康な食事の方法:ピザは食品群ではない |
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