もし「2週間後の3時から空いてますか?」と聞かれた時、なんと答えますか?
「大丈夫だと思うよ」
だったらちょっと要注意かも。
作業予定にしろ、業務の計画にしろ、将来やるべきことが決まっていないというのは生産性をおとす原因です。
いまさら言うまでもないかもしれませんが、
予定を立てて行動する
その場でやることを考える
の2つでは、生産性が格段に違います。多くの人がそれを認識していながら、「この先の予定は決められない」と考えているということは自己矛盾です。
■○○月○○日のこの時間はこれをやる
「DIPS」という生産性向上のテクニックがあります。過去記事でも何度か紹介していますが、ここに
「向こう1ヶ月間の時間計画を立てる」
という方法が紹介されています。
「××日までに○○をする」ではなくて、「30日後、××月××日の○○時は△△を▲▲まで完成させる作業をする」ということを予定表に入れておきなさい、という方法です。
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●一力月後までの業務計画を立てる
DIPS では、どのような業務に従事する人に対しても、向こう一力月の業務を時間単位でスケジューリングすることを要請します。
「三週間後の火曜日の午後二時から三時の間は何をすることになっているの?」と聞かれたときは、すぐさま手帳を開き、その日はかくかくしかしかの予定、と答えられるようでなければならないと考えます。
小林忠嗣(著) 『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』
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おそらく、多くの人が、良くて日付単位か週間単位、悪くすれば予定はないのではないかと思います。
ただ、生産性を改善しようと思ったら、まず、予定が立てられないものは改善のしようもないことを認識しないと、それが}必須だ}とは思えないんですよね。
思いつきで行動していたら、効率がいい訳ありませんし、その場の勢いなので行動の改善にもつながりません。
このあたり、頭ではわかっていても行動にならないのは、腹落ちしてないからではないかと。
■予定がないのは非効率のもと
ただ、1ヶ月後が想像できない状態のプロジェクトもあり、一概に「1ヶ月先まで予定を立てる」のがいいとは思っていません。当然行動が具体化されるスパン(長さ)がいろいろあります。
ではどのくらいの長さで行動の予定を立てるのがいいのか、というと、人それぞれやプロジェクトの状況、環境によるとは考えてます。
私は長期的な目標に関するものは、だいたい3ヶ月先くらいまで予約したスケジュールがあります。
紆余曲折するプロジェクトに関するものは1週間後くらいまで(一応2週間先を目標にはしていますが)。
しかし、タスクの予定を立てないということは基本ありません。
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元々のスケジュールがあってはじめて、私たちは自分の仕事のやり方を見直し、生産性を高めねばならない環境に身をおくことになります。
もし元々のスケジュールのないところに突発業務が起こったとすれば、その新しい仕事は難なくスケジュール化され、吸収されてしまうでしよう。
しかしその間に遂行されるはずだった業務は、ほぼ間違いなく、翌日、翌週、翌月へと繰り延べられているはずです。
これでは生産性の向上など不可能です。
明確な時間単位のスケジュールがあってこそ、突発的な業務の発生にもかかわらず、確実な成果を出すことができます。
ホワイトカラーが「何とかしてこの仕事を計画通りこなしてやろう」と考えてはじめて、それを可能にする生産性の向上、仕事のレべルアップが起こるのです。
小林忠嗣(著) 『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』
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つまり、リスケジュールすることで初めて、自分の予定の立て方に対する反省と課題が発見されるのであって、計画も予定もタスクもなければ、「やらないといけない目の前のことを一生懸命処理した」という事実が残るだけですね。
突発的なタスクも多々発生すると思います。そのときに、「次はこれが必要だ」ではなく、「どうやってもとの計画通りにやれるか」という問題意識をもたないとスケジュールはずるずる遅れていきます。
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このようにして一カ月後までの計画を立てるようになると、やがて様々なメリットが得られることにお気づきになることと思います。
たとえば、クレーム処理のような仕事が突然発生すると、一カ月前に考えていた計画は当然変更せざるをえなくなります。このとき、 DIPS では「何とか従来考えていた業務も子定通りこなしながら、新しい仕事を処理できないだろうか」と考えるのです。
時間単位でびっしり埋まったはじめのスケジュールに、新しく発生した仕事の遂行スケジュールをそのまま埋め込むことはできません。
しかし、ひとつひとつのスケジュールを重ねることで、どのような作業が計画通りに実行されないかを明確に把握できるようになります。
「この日は B 社に行こうと思っていたんだが、クレームをつけてきた C 社にお詫びに行ったワ欠陥商品を引き取ったりしていると、その時間がなくなってくるな」。
そこで、何とかしてどこかに時間をつくりだそうと考えるわけです。
「この日は B 社の担当者に商品の見本を届けようと思っていた。届けるだけなら明日の朝一番で立ち寄るか、決の訪問で持って行くことにしても+分じゃないか。いや、明後日の会議資料を準備するのにこんなに時間をとっているぞ。ここを削って時問をやりくりすれば…。」
DIPS ではこれを、リ・スケジューリングと呼びます。
小林忠嗣(著) 『DIPSとは何か―知的生産性向上システムの全ノウハウ』
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