なにかの提案をしようとしたり、自分のアイディアを聞いてもらおうとするときには、SUCCESsの法則を知っておくと便利です。
たとえば、
人間は脳の10%しか使っていない
コーラを飲むと骨が溶ける
だれもが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
■SUCCESs の法則
記憶に定着するためには、6つの原則に従って整理すると良いそうです。
1.Simple :単純であること
2.Unexpected :意外性があること
3.Concrete :具体的であること
4.Credible :信頼性があること
5.Emotional :感情に訴えること
6.Story :物語性があること
これの頭文字を取って、SUCCESs の法則と言うそうです。
以下は、『発想フレームワーク55』の受け売り
★『』P〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●原則 1: 単純明快である
本当に不要なものをすべて取り払い、核となる部分だけを残して、それを伝える時、アイデアは非常に記憶に定着しやすいと言います。
企業における行動規範も同様です。サウスウエスト航空は、企業の核となる「最格安航空会社である」という単純明快なポリシーがすべてに優先されます。
乗務員によるリップサービスも、機内のエンターテインメントもやるかやらないかは、「最格安航空会社であり続けるために必要であれば OK 、そうでなければやらない」と判断基準が明快なので、スタッフは誰でも自己判断できるのです。
いわば引き算の美学と言えるでしよう。
●原則 2:意外性がある
情報洪水の波におぼれかかっている人々の関心をつかむには、驚きが必要です。
どこかの事件の犯人が通り魔だったら「怖い」と思っても記憶には残りません。
しかし、真犯人が配偶者や近親者だったりするとマスコミは色めきたち、視聴者も強い関心を示すでしよう。
ポケモンカードのコンプリートを目指すように、知識というのは常に「隙間を埋めたがる」性質があるといいます。「手がかりがこれだけあるにもかかわらず、まだ不可解なことがある塩と強い関心が働くのです。
●原則 3:具体的である
理解と記憶を促すには、なるべく具体的にイメージできるものが必要です。
単に「広大な牧場」「大容量のハードディスク」と言われても抽象的すぎて記憶に残りません。
しかし、「東京ドーム30個分の広大な牧場」「ハイビジョン番組を 200 時間以上録画できる大容量のハードディスク」と言われるとどうでしようか?
頭の中に具休的な広さや利便性のものさしがイメージできるのではないでしようか?
そういえば、拙著も含めてビジネス書のタイトルには「10 倍★★できる×××入門』 『すぐに 1 億稼いだ×××テクニックしみたいに数字を使った具体的な効果が使われることが多いですよね。
●原則 4:信頼性がある
シンプルで意外性があっても信じてもらわなければマユツバものです。
一般的に信頼性は外部の権威を融通してもらって得る外部からの信頼性と、内在的な信頼性に分かれます。
内在的な信頼性を勝ち取るために、具休的な統計数値など「エビデンス」を利用することは多いと思いますが、その伝え方は注意が必要です。
そこには人間的尺度が必要だと言われます。
たとえば、年間従業員 1 人あたり 500 ドルかかる無線ネットワークの投資検討を「従業員 1 人あたり 501 ドル以上生産性が 上がるか?」と考えても答えは出ないのです。
これは人間的尺度にコンバートすれば解決します。
「従業員 1 人が 1 日に 1 分か 2 分生産性が上げられれば回収できる」
と言われれば、それを実現することはまったく難しくないように思えますよね。
●原則 5:感情に訴える
いくら効果を訴えても、具体的な数値を伝えても、最終的にはそれを「実感」できなければ、アクションにはつながリません。
感情に訴えかける一番の方法は、極めて個人的で直感的な情報を提供することです。
アフリカの難民の数や、どのくらいの寄付金を必要としているかを統計数値で示したとしても、大海の一滴であって、感情を刺激することはないのです。
それよりも、ある子供がいかに大変な生活をしており、支援を求めているかという情報のほうが、感情に訴えかけるのです。
そのほうがアクションにつながる確率が高く、寄利金も多くなるという結果が出ています。
もう 1 つ、興味深い試みとして、全体統訓的な数値(定量データ)を最初に見せた後に、個人的な情報を提供するのと、感覚的な情報(定性データ)を提供した後で、同じ個人的な情報を提供するのでは、後者のほうがアクションにつながるという結果が出ていることです。
つまり、最初に数値を見せてしまうことで頭は「論理的な思考モード」になってしまい、感情移入が難しいということなのです。
数字が悪いというわけでなく、個人で感情移入できる情報でないと記憶に定着したり、アクションにつながりにくいということなのです。
●原則 6:物語性
断片的な情報は記憶に残リづらいものです。歴史上の人物の名前やその功績、事件について文科省認定の参考書だけ読んでもまったく頭に人ってきません。
しかし、 NHK の大河ドラマで取り上げられた物語を見た人は、その主人公だけでなく、関連人物、関連事件などを明確に、長期にわたって記憶することができるのです。
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■聞く人の記憶に残りやすい提案
だいたいいきなり何かを提案したとしても、それが多くの人にすぐに受け入れられるようなものではありません。
くりかえし、手を変え品を変え訴えていくことでそれが共有されていくものだと思っています。
その時の、「手を変え品を変え」に当たる部分を考えるときに、この SUCCESs の法則が有効です。
あるときには、メッセージ性を重視したシンプルな話をし、あるときは学術的なバックボーンを説明し、またあるときは、それを身近な課題の解決ストーリーとして提供していくと、徐々にそうした考え方が定着していきます。
一発達成を目指すのではなく、こうした方向性を変えたアイディアの出し方を検討すると、自分の提案が受け入れられやすくなります。
今、考えているアイディアをお持ちなら、一度SUCCESsの法則にそって、プレゼンを6種類作ってみませんか。
きっと、それが役に立つときがきます。
逆に、あるひとつのプレゼンしか作れないようだったら、そのアイディアはもうしばらく寝かせておいたほうが良いかもしれません。まだ熟成不足かもしれません。
■時流に乗る
最後に、何か提案を出すときには、今の環境に沿った形にアイディアを変形させておくと良いです。
端的にいうなら、時流に沿った提案を出すということなのですが、いわば、世の中のキーワードや会社内の方針、多くの人の課題認識などに今の提案を応用・適用するように書き直すことです。
たとえば、業務効率化のアイディアがあるとしたときに、最近社長が「事業の変革」を言うようになったら、
事業の変革のアイディアを出す時間を捻出するための業務効率化
を言い出せばいいわけです。残業時間が問題になっていないのに
残業時間短縮のための業務効率化
を言っても聞いてはくれませんが、「事業の変革を目指すため」なら聞いてもらえる確率は上がります。
もし、会社でそういうのがなければ、つまり、「現状維持でいい」という雰囲気が強いのであれば、「改革」のアイディアを言い出しても聞いてもらえないでしょう。
まあ、「空気を読んで発言しろ」ということかもしれません。
■参考図書 『発想フレームワーク55』
![]() ![]() | 本書は、ビジネスパーソンにとって、これからの時代のもっとも重要な知的ウェポンとなるクリエイティビティを磨くための発想力、アイデアを生み出すためのフレームークを提供するものである。 ロジカルシンキングや地頭力はもちろん重要だ。しかしそうした「左脳型発想術」だけでは、改善はできても大きな成果は望めない。八方ふさがり状態であってもブレイクスルーを起こし、大成功を引き寄せるには、前例や従来の固定観念をくつがえす「右脳型発想術=第六感発想術」が必要だ。 従来のアイデア生成の本は広告関連など元々クリエイティブな仕事をしている人向けが多数だった。そのため、アイデアづくりが日常業務となる専門職以外の読者にとっては、もっと短時間で実務に使えるアイデア発想方法が切望されてきた。 本書は、一般のビジネスマンやOL、経営者や勉強に熱心な読者に対して、フレームワークを駆使した「短時間」で「最大の成果」を生むためのアイデア作成方法を解説する。 |
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