自分をブランディングする方法



自己啓発の有名な質問に

 「何によって覚えられたいか?」

というものがあります。ようは、自分を説明するときに、「こういう人間です」「こういうことが得意です」というわかりやすいキーワードみたいなものですね。




■仕事を定義する


ドラッカーは『明日を支配するもの』という著書の中で以下のように述べています。

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高度の知識を必要とする知識労働において、すでにわれわれは仕事の質を測定している。

心臓手術など難度の高い手術については、成功率によって外科医の腕を測定している。

だが、問題は測定にあるのではない。そもそも仕事が何であり、何でなければならないかを明確に定義できないことにある

そのよい例がアメリカの初等教育である。

都市部の公立校がひどい状況にある。その公立校のすぐ隣に、同じような子供を相手にしながら立派にしつけをし、学ばせている私立校がある。違いの原因についてはさまざまなことがいわれている。

だが、最大の原因は仕事の定義が異なることにある。

公立校では、恵まれない子を助けることを仕事としているのに対し、私立校とくにカトリックのミッション・スクールでは、学びたい子が学べるようにすることを仕事としている。前者が失敗を基準としているのに対し、後者は成功を基準としている。

P.F.ドラッカー(著) 『明日を支配するもの
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たとえば、靴屋だったとして、自分の仕事を「靴を仕入れて客に売ること」と定義するか、「人々の健康を足元から増進させる」と定義するかによって、どのような活動をするかははっきりと差が出ます。

ディズニーランドも、「テーマパークの運営」と「楽しい思い出を作ってもらえるような場所の提供」と言い換えるだけで、何をするかはずいぶん変わってきますね。

ただ、ドラッカーの言うところは、「自分が成し遂げたい仕事の目標」についてであって、それを公言するようなものではありません。

自分の成し遂げたい仕事をなすために、あなたがどのようなことが得意なのかを覚えてもらうことで、自分の立場の強化につながることができます。

「○○のことなら○○さん」というふうに覚えてもらえるキーワードを作って宣伝するわけです。

それの手順を書いているのがこの本。




★P109〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●自分ブランドを作るためのステップ
・メッセージを定義する。
・ニッチを選ぶ
・キャッチフレーズを作る
・エレべーターピッチを作る
・ビジュアルを作る

ジョン・ソンメズ(著) 『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル
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■他人とかぶらない


本書に書いてあることで重要なのが「ニッチを選ぶ」「キャッチフレーズ」というところ。

つまり、上司や仕事を依頼してくるひとから「隣の人と同じ」と認識されてしまうと、あなたの顔は見えなくなってしまいます。目的は、「できること」と自分の顔や名前が一致することですので。

なので、他の人にない自分の特徴を考えるのがいいです。

これは、「メッセージを定義する」というところで、広く取りすぎてしまうと失敗します。
どのくらい狭い範囲がいいのかについては、個々の状況に依存しますが、「○○なら◎◎さん」と言われるようにするという目標からして、「○○」ができるひとを他に探してみて、自分しかいないようなら、十分ニッチになってます。

■エレべーターピッチ


本書で言う「エレーベーターピッチ」とは過去記事

 エレベータートーク

でご紹介したものと同じです。短い言葉で相手に自分の提案を認めてもらえるような魅力的なトークです。要は、自分のアピールしたいことの本質を一言で言い表すことです。

■繰り返し推敲し変えていく


これはいきなりやれと言われてもできません。繰り返し推敲し、繰り返し話す練習をしてこそできるものです。そのチャンスは突然やってきます。これを読んでいる瞬間にも社長がふとやってきて、「○○さん、頑張ってるってね〜」と声をかけてくれるかもしれません。
※永久に使うチャンスはこないかもしれませんが、そのときには頑張って自分で機会を作りましょう。

そして、いちばん大事なのが、「それ」が見えるようにすることです。

私の専門のソフトであれば、新しく作る Web ページのトップページにはかなり力を入れて作ります。「お!?」と思わせれば、こっちのものです。

たとえば、大抵のプレゼン資料には会社のロゴを入れますよね。
自分のロゴを作って、プレゼン資料の端に入れておく、というのはどうでしょうか。

そのプレゼンを見た人は、「ああ、これ、またあいつの作品か」と思ってもらえれば、シメたものです。




■参考図書 『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル





立ち読みできます立ち読み可
「より良い人生」を送るためのノウハウ・スキルを網羅した、生き方バイブル本です。

ソフト開発者向けに書いてありますが、そこで言われていることはあらゆるビジネスパーソンに通じることばかり。

良い人生を送るためには、技術習得法やキャリア構築法といったノウハウに加え、対人的な交渉・指導・意思疎通などをうまく行える能力や知恵、すなわち「ソフトスキル」が不可欠です!

本書では、キャリアの築き方、自分の売り込み方、技術習得法、生産性の高め方といった仕事で成功する方法だけでなく、財産の築き方、心身の鍛え方、恋愛で成功する方法など、「人生全般をより良く生きる方法」を具体的に説明します。

●「解説」から抜粋
本書はソフトウェア技術者向けの書籍ではありますが、いわゆるテクノロジーのことはほとんど書いてありません。しかし、「成功者」になるために必要なそれ以外の多くのことが書いてあります。(中略)今こそ私たちがもっと成功に貪欲になれるチャンスなのではないでしょうか。

●「訳者あとがき」から抜粋
全体を読み通して感じたのは、人の弱さを十分に意識して書かれていること、率直であること、上からではなく同じ高さから話しかけてくることでした。
(中略)校正のために読み返してみると、株や栄養や腹筋のことなど、「何かで読んだんだけどさあ」という枕で出てくるような話の多くを本書で覚えたことに気づきました。無意識のうちにいろいろな影響を受けているようです。この本、ただものではないですよ。

●目次
第1部 キャリアを築こう
第2部 自分を売り込め!
第3部 学ぶことを学ぼう
第4部 生産性を高めよう
第5部 お金に強くなろう
第6部 やっぱり、体が大事
第7部 負けない心を鍛えよう

付録A コードを書けるなら金融は理解できる
付録B 株式市場の仕組み
付録C 食事と栄養の基礎:ガラクタを入れればガラクタが出てくる
付録D 健康な食事の方法:ピザは食品群ではない






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著者 :ジョン・ソンメズ
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●本書を引用した記事
 時間を無駄に浪費している習慣を塗り替える
 時間を無駄に浪費している習慣を塗り替える
 時間の浪費を見つける方法
 繰り返しタスクは目標見直し期限を設ける
 「教える」のではなく「シェアする」意識
 集中力を高める環境の作り方3:アプリを閉じる
 集中力を高める環境の作り方2:机の上にはなにもおいてはいけない
 Pomodoroテクニック
 出世階段の上がり方3:勉強していることを知ってもらう
 新しい知識で遊ぶと知識が身につく

●このテーマの関連図書


プリンシプルオブプログラミング3年目までに身につけたい一生役立つ101…

RealWorldHTTP―歴史とコードに学ぶインターネットとウェブ技術

エラスティックリーダーシップ―自己組織化チームの育て方

ZEROBUGSシリコンバレープログラマの教え

新装版達人プログラマー職人から名匠への道

カンバン仕事術






■参考図書 『明日を支配するもの




21世紀のマネジメントを予測
今世紀を代表する経済学者、ドラッカー教授の最新作で、全世界で同時出版された話題作である。
「日本興隆の歴史が20世紀の世界史そのものであり、現在の世界経済を生み出したのも日本である」と主張する著者にとって、我が国が今、直面している危機的状況は、世界経済が一大転換期を迎えたことのあかしであると言う。これから起こる変化は、過去の産業革命や大恐慌、第2次世界大戦後の構造変化よりも大規模で急激であり、その時にリーダーたる者は、諸問題を解決する能力を持っていなければならない。

そこで教授は、従来の常識に基づく経営論をあえて視野から外し、「21世紀型のマネジメント」を大胆に描き出した。第1章では、マネジメントは企業や、法、国境、組織などの制限のもとに成立するといった常識がまず間違いだと指摘する。

さらに、破局的な少子化など人口構成の世界的な変化が、企業の経営戦略の前提そのものを変えてしまうことを強調する。それらをもとに、タイトルでもある「明日を支配するもの」、すなわち変革の担い手である「チェンジ・リーダー」像を定義していく。





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明日を支配するもの
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●本書を引用した記事
 ドラッカー:リーダーシップ力診断
 フィードバック分析
 ドラッカーが教えてくれるサラリーマンの生産性向上
 決定事項に必須の3要件
 明日を支配するもの:資産の保全こそマネジメントの責務である
 問題を深堀りする
 自分をブランディングする方法
 7つの習慣:あなたのビジョンについて考えてみてください
 人を動かす:人を説得する原則6:しゃべらせる
 命をかけるに値するかを考えて議論に持ち込む

●このテーマの関連図書


ネクスト・ソサエティ―歴史が見たことのない未来がはじまる

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posted by 管理人 at 05:00 | Comment(0) | 自己マネジメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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