ゴールはあるけど、たどり着けないのがゴール





個人的な感覚ですが、「ゴール」という言葉にはすごく違和感があります。

仕事において、「ここまでやれば達成」というのは目標管理(MBO)においては大切な考え方なのですが、達成できたから「その話はそれでおしまい」になることはなくて、「その結果を使って次に何をするか」がさらに重要な気がしています。




■次の目標を考える


時期的に考えると、何か新しいことに取り組もうとした時には当然、「何時頃までに、どこまでやるか」を考えますが、活動が4分の3を過ぎたあたりから、これが達成できたら、次に何をするかに視点が行きます。
その結果、当初立てた目標に達しても、「終わった〜」という感じではなく、すでに次の目標が始動しているので、「もうひと頑張り!」という感じになってしまっていて、もう前の目標はどうでも良くなっています(「どうでもいい」というのはちょっと語弊がありますが)。

以前の記事にも書きましたが、私は管理職になる前から、それまで会社でやっていなかったシステムを提案していて、それをたちあげたら、今度はその活用を促進する側にまわり、さらに活用を促進するために、システムをさらにブラッシュアップする、というループが回っています。その経過として、会社においてある一定のポジションが確保できたようなものです。そのポジションも一過性のもので、そのポジションを使って更に活動の幅を広げ、活動の幅が広がったことでポジションが上がっていく、という状況になってます。

つまり、

 スタートはゴールを生む
 ゴールは次のごーるのスタートになる

という、いわゆるスパイラルループ状態。つまりは、ゴールやスタートというのは事実上なくて、何かがつねに新しい目標を生んでいます。

映画などだと、主人公が冒険のたびに出かけて、悪者をやっつけて故郷に帰ってくるとエンディングになるのですが、実生活では、故郷に帰ってくることが故郷での生活のスタートになります。今までの戦いと恋と冒険の経験を使って、畑を耕し、村人との意見調整をし続ける人生に変わっていくだけで、無為な日々が訪れる訳ではありません。

やっぱり、もうなにもしなくていい「ゴール」というのは、自分が死ぬときだけなのでしょうかね?




■スタートを生み続ける


仕事においても、前に出した成果を元に評価が決まります。
その評価によって、次にどのような成果を求めるのか、どのようなポジションにつかせるのかが決まっています。

つまり、以前出した結果を使って新しい結果を出すようにしようと思うと、ゴールというのは、年次の区切りや目標管理のためだけにあるもので、そこに到達したら何かが終わるというものではなさそうです。

仕事をする上で、「ゴールに到達する」ことを目標にするのではなく、「スタートを生み続ける」ことを目標にすると、今やっていることが自分の将来に活かせる活動ができるようになりますよ。

今の目標は、次のどんなスタートに役に立つでしょうか?
ちょっと考えて、そのスタートのために、今の目標以外で必要なものをよういする活動もしてみませんか。



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