バカに見えてもいいから取り組んでみる



たとえば、何かの本を読んで、そこに書いてあったことを仕事で活用できるようになる人というのは、おそらく少数派です。
たいていの人は、実際にやってみて、いろんな失敗を繰り返しながら成長したり、スキルを身に着けてきたのではないでしょうか。

もちろん、失敗しないにこしたことはありません。
ただ普通の人にとっては、失敗は必要なプロセスなんですよね。残念ながら。




■新しいことにチャレンジする気持ちは衰えていく


ある程度会社で年令を重ねると、だんだん失敗に対して臆病になっていきます。

なにか新しいことにチャレンジしてみたいと思っても「この年になって、また同じように失敗して恥をかくのはちょっと避けたいな」と感じてしまうわけです。

自分が若くて、失敗しても許してもらえる環境ではなく生ってきていることも影響しているかもしれません。
後輩が見ている前で、新しいことをやってみて笑いものになりたくない、と

こうして年寄りは新しいことにチャレンジしなくなります。それがその人の成長の鈍化を招きます。やがては退行しかしなくなる…と。




■成長したいと思っているか?


★P144〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

自分のマーケティングを本当に成功させたいと思うなら、私たちの大半が持っている大きな恐怖を克服しなければならない。それはバカみたいに見えることに対する恐怖だ。
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 :(中略)
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●あらゆることは最初は気まずい
初めてステージに上がって人前に立ち、プレゼンテーションをしなければならなくなったとき、私は汗をかく「黒い点」だった。

私は声を落ち着かせようとしたが、声はずっとかすれたままだった。

スライドをクリックすると、手が震えてふたつ先のスライドまで一気に飛んでしまった。

しかし、何が起きたかわかるだろうか。

私は何とか最後までやり遂げたのである。

最高の仕事はできていなかっただろう。自分のカリスマ性で聴衆を魅 r することもおそらくなかった。

しかし、時間は過ぎ、最終的にプレゼンテーションは終わったのである。

次にステージに立ったときも、私はまだ落ち着かなかったが、前回ほどピリピリはしていなかった。私の手はそれほど震えていなかったし、シャツも汗でびしょびしょにはなっていなかった。

その次のときはもっと楽だった。今は、ステージに立つと、マイクを握り、自信を持って大股で歩いている。

室内のエネルギーが私に力を与え、私は生き返ったような気持ちになる。

今と比べれば、最初の数回は講演をしたとはとても言えないだろう。

要するに、物事は変わるのだ。時間とともに、最初は落ち着かない気持ちにさせられていたものが、第二の天性になる。

ただし、十分な時間をかけ、自分から進んでその居心地の悪さを引き受けるようにしなければ、居心地の悪さは消えない。

あなたには正直に言おう。ほとんどの人は理解できていない

彼らは早い段階で諦める。彼らは、ほかの人たちが自分のことをどう思うかが気になり過ぎ、困難で落ち着かなくなる殻を打ち破って、もっといい感じで経験できるようにするためにがんばらない。

本書のアドバイスに従うと、ほかの人々が失敗するところで成功するのはそのためだ。

ほとんどの開発者は、あなたが進んでやろうとすることを進んでやったりしない。

ほとんどの開発者は、もっと大きなことを達成するために、バカみたいに見えてしまうことに進んで耐えようとはしない。

●バカみたいに見えてもかまわない
おそらくあなたも、物事は時間とともに簡単になっていくと考えるようになっているだろう。

その考えからぶれずに前進し続け、ブログポストを書き続け、ステージで話し続け、 YouTube ビデオを作り続ければ、いずれそういったことに居心地の悪さを感じなくなり、自然にさえ感じられるようになってくる。

しかし、両手が制御不能な感じで震えが止まらず、マイクを持つことさえできないときに、どうすればそう考えることができるだろうか。

簡筆なことだ。気にしなければいい

バカみたいに見えているのではないかと思わなければいい。

誰かがあなたのブログを読んで、こいつは完全に問違っている、バカなんじゃないかと思っていても気にしなければいい。あなたがいつでも彼らのことを笑おうと身構えているから、彼らも自分のことを笑うだろうなどと考えなければいい。

ジョン・ソンメズ(著) 『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル
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■最初は失敗だらけだと割り切る


最近、あたらしい勉強をはじめました。と言っても最初からそれに関する仕事があるわけではないですし、それを依頼してくれる人もいるわけではないのでボランティア、というか押し売りです。

頼まれもしないのに、勉強がてらそれをやってみて、実際にその関係の人に、「こんなことやってみましたけどお役に立ちますでしょうか?」とお伺いを立てます。まあいまのことろ、「そんなの今もうやってるよ」と言われ続けで、役には立ってませんが。

それでも、それを話に行った人に、「そこはね。そうじゃなくて…」とアドバイスを貰ったり、今の課題を聞き出したりすることで、ちょっとづつ別の仕事をもらったりできています。

私の過去自体も、そういうことの繰り返しだったので、本書の言うところの、成長のプロセスは非常に実感があります。

製品のソフト設計をやっているついでに、製品製造に手を出して、最初は製造のメンバーから、「なにでしゃばってんだ?」と言われても、しつこく食い下がっていたら、今ではそれが本業になり、それで会社からも認められて、「製造システムならあいつに相談しないと」と言われるような立場になったので。

一度や二度の失敗や否定的評価で手を引いていたら、今の自分はあり得なかったでしょう。

今、自分に何かできること、持っているスキルや実績みたいなものは、過去の遺産です。
遺産だけで食べていければいいのですが、いま以上に、いいものが食べたく生ったら、遺産よりも資産を増やさないといけませんね。

まあ、言うは易しですがね。




■参考図書 『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル





立ち読みできます立ち読み可
「より良い人生」を送るためのノウハウ・スキルを網羅した、生き方バイブル本です。

ソフト開発者向けに書いてありますが、そこで言われていることはあらゆるビジネスパーソンに通じることばかり。

良い人生を送るためには、技術習得法やキャリア構築法といったノウハウに加え、対人的な交渉・指導・意思疎通などをうまく行える能力や知恵、すなわち「ソフトスキル」が不可欠です!

本書では、キャリアの築き方、自分の売り込み方、技術習得法、生産性の高め方といった仕事で成功する方法だけでなく、財産の築き方、心身の鍛え方、恋愛で成功する方法など、「人生全般をより良く生きる方法」を具体的に説明します。

●「解説」から抜粋
本書はソフトウェア技術者向けの書籍ではありますが、いわゆるテクノロジーのことはほとんど書いてありません。しかし、「成功者」になるために必要なそれ以外の多くのことが書いてあります。(中略)今こそ私たちがもっと成功に貪欲になれるチャンスなのではないでしょうか。

●「訳者あとがき」から抜粋
全体を読み通して感じたのは、人の弱さを十分に意識して書かれていること、率直であること、上からではなく同じ高さから話しかけてくることでした。
(中略)校正のために読み返してみると、株や栄養や腹筋のことなど、「何かで読んだんだけどさあ」という枕で出てくるような話の多くを本書で覚えたことに気づきました。無意識のうちにいろいろな影響を受けているようです。この本、ただものではないですよ。

●目次
第1部 キャリアを築こう
第2部 自分を売り込め!
第3部 学ぶことを学ぼう
第4部 生産性を高めよう
第5部 お金に強くなろう
第6部 やっぱり、体が大事
第7部 負けない心を鍛えよう

付録A コードを書けるなら金融は理解できる
付録B 株式市場の仕組み
付録C 食事と栄養の基礎:ガラクタを入れればガラクタが出てくる
付録D 健康な食事の方法:ピザは食品群ではない






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SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル
著者 :ジョン・ソンメズ
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●本書を引用した記事
 「教える」のではなく「シェアする」意識
 大切な物を置かないとなくさない
 集中力を高める環境の作り方3:アプリを閉じる
 集中力を高める環境の作り方2:机の上にはなにもおいてはいけない
 メールの自動受信はオフにしておきなさい
 Pomodoroテクニック
 昇進昇格の機会が来ない人のために
 出世階段の上がり方4:社内政治を知る
 新しい技術、プロセスについて試してみる
 出世階段の上がり方3:勉強していることを知ってもらう

●このテーマの関連図書


プリンシプルオブプログラミング3年目までに身につけたい一生役立つ101…

RealWorldHTTP―歴史とコードに学ぶインターネットとウェブ技術

エラスティックリーダーシップ―自己組織化チームの育て方

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posted by 管理人 at 09:33 | Comment(0) | 知的生産術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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