上司から叱られやすい人と叱られにくいひとがいますよね。もちろん、よく叱られる人というのはミスが多いとか、上司に目をつけられやすい位置にいるとか色々あるとは思いますが。
ただ、その叱られ安い人が自分だったら結構会社はつらいものになっちゃいますよね。
どうも同じようなミスをしてもあいつは叱られないのに自分には上司がガミガミ・ネチネチ言ってくるみたいな気がする。そんな気がするようになるとますます上司の視線や言葉尻が気になって、萎縮してしまってさらにミスをして叱られる・・・なんて悪循環が起きます。
■叱られやすい人の特徴
私が勝手に分析した上司に叱られやすい人の特徴
・上司の欠点と同じような欠点を持っている人
・上司に反発・反論しない人
・上司の嫌いな特徴(体型、声、態度・・・)のある人
・叱られても行動が変わらない人
その叱られる人自身の問題もありますが、上司から見てという視点で言うとこんな感じかもしれません。
■上司の欠点と同じような欠点を持っている人
上司であっても普通のサラリーマンです。
欠点も色々あります。おそらく何十年も人間をやっていれば、自分の欠点くらい気がついてます。
自分の欠点は意識している事が多いので、他人が同じような欠点を持っていると、これがすごく気になったり、イヤというかイラつくんですよ。
それが上司が「おまえは〜」といいたくなる原因の一端ではないかと。
※心理学的には「投影」といいます。
要は鏡に映った自分に腹を立てているのですが、それが上司という立場になると、「部下を指導する」という名目を利用して部下を叱ることができるわけ。
もちろん、その上司が大切にしているポリシーやルールに反することを部下がしたという場合もあります。
でも上司がポリシーにしていること自体が、上司が「それができていない」と意識しているということの証明。
たとえば、事故がない職場で「安全第一」なんて標語を掲げないでしょう。事故が起きるから「安全第一」って言うわけですよ。つまり安全じゃない職場。「整理整頓」なんかも同じ。整理整頓できている人なら、整理整頓をしていること自体を意識していませんよ。
■上司に反発・反論しない人
上司がどれほど論理的に矛盾したことを言ったとしても、「はい」「はい」と返事する人というのも叱りやすいです。
なにしろ反撃される危険がない状態というのは、安心して攻撃できますから。
上司・部下の関係であっても、差が大人と子供みたいな状態ではありません。つまり、物理的(身体能力)にも言語的(論理能力)にもほぼ同等の力があるんですよ。なので、上司としては自分が上であると確実に認識できるのは、地位以外にありません。
その地位を利用して相手をやり込めるわけなので、やり込められるだけの優位がないと突っ込めない。
だから、反発しない人のほうがやりやすい。
反発する可能性がある人に対しては、相応に反発されたときの対応方法を用意しないと怖いですから。
■上司の嫌いな特徴(体型、声、態度・・・)のある人
上司であっても人間なので好き嫌いはあります。これに論理が入り込む余地はありません。
いくら心理分析ができたとしても、嫌いなものはどうやったって嫌いなのですよ。
で、「嫌いだ」「いやだ」と一度思ってしまうと、それが無性に気になる、目につく状態になります。
目に付けば、それが「いつも」みたいに感じてしまいます。気にならないものは記憶してませんから。
で、「お前はいっつも!!」みたいに怒っちゃうわけ。いわゆる「あら捜し」状態ですね。
■叱られても行動が変わらない人
これは叱られる側にも問題があるのですが、「××しちゃダメ」といったことを繰り返す人は上司はすごく嫌がります。
自分が軽視されているように思えるから。ようは自分を尊重してほしいという感情の裏返しです。
もちろん、それが会社のルールに違反しているとか社会人としてマナー違反で、「行動を直して成長してほしい」と思っているという側面もあるでしょうけど、言っても行動を改めないというのは、上司としての自分の権威を軽視されているように感じてしまうということももう一つの側面としてあります。
そうすると最初は論理的に「××はダメ」と言ったとしても、次から「前から何度も言っているだろう!」みたいに感情的になります。
一度感情的になってしまえば、書いたように「気になる」状態になって、余計に目につくようになってさらに怒りがこみ上げてくるという悪循環。
■感情的攻撃は幼児性の現れ
他の人と同じような行動をとっても特定の人だけを攻撃するのは、上記のようにいろいろあるのですが、一言で言ってしまえば、思考が幼稚といえるかもしれません。つまり、感情やその場の勢いだけで物事を判断しているということです。
もちろん、私をはじめすべての人がすべての状態において大人の対応ができるかと言われれば、そんなことはないでしょう。
感情は原初的な情動なので避けることはできません。ただ、それを不用意に現してしまうということは、本来好ましくありませんね。
ただ、それを現すかどうかは相手の問題なので、叱られる側がどうこうできるものではありません。
■回避方法はない
私が過去に読んだ文献・書籍など調べてみましたが、こうした上司からの叱責を回避するうまい方法というのは、あまりありません。
基本的には
職場から逃げ出す(転職・移籍など)
が最も有効な作戦みたいです。もちろん転職・移籍した先にいる上司がアタリなのかハズレなのかは賭けの要素が強いですが。
同僚や先輩・後輩なら、「距離を置く」という方法もとれますが、上司と距離をおいてしまったら仕事になりませんし、ますます攻撃されるリスクがでてきます。
上司が「気にいらない」と思っているところが、顔かたちや体型みたいにそう簡単に変えられないものならどうしようもありませんが、行動や態度であれば多少は変えられる可能性はあります。
過去記事でもいくつか、上司に気に入られる行動、というのをご紹介しましたが
会社員は何をもって「優秀」というのか
メモしてみせる
上司のモチベーションを上げると仕事がしやすくなる
決済を素早く貰えば仕事は早くなる1
成果を出しているのに上司に嫌われている
上司の嫌いな言葉を探りなさい
ジョークのなかに本音がある
などで上司をヨイショしてみてはいかがでしょうか。「窮鳥懐に入れば猟師も殺さず」になるかもしれません。
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