上司は、部下の前で虚勢を張ることがままあります。
過去の実績や経験を誇示したり、話を膨らましたり、嘘をついて語ったり。
エリートとは言い難いのに、抜群に優秀な人材であるかのように振る舞う人もいるでしょう。
ある程度のトシになるとそれがわかるので、真に受けることもだんだん減っていくと思いますが、それでもやっぱり上司の上司とかそのまた上司とかが出てきて、「ちょっと話をさせてくれ」とか言われると萎縮し、腰が引けてしまうばあいもあります。
これは大損です。
■会社には突出した社員はいない
所詮、上司だろうが役員だろうがサラリーマンです。
一般的に言えば、会社という組織の中で突出した社員というのは生まれません。
たとえば、ビジネス誌から「インタビューさせてください」などと言われるようなサラリーマンは超少数なのです。
理由は簡単で、会社は同じような価値観やミッション、考え方を持つ人を欲しがります。世間から注目されるようなぶっ飛んだ思考をする人は組織にはなじまないんです。もし入社時にそういう人がいたとしても、組織人として活動できるように洗脳教育(言い方が悪いですが)がされていくので、じきに丸くなります。
こういう組織にいる以上、突出した人財などという人は、その組織にいられなくなるか、態度を改めざるをえないわけです。
■せいぜい、そこそこ優秀な人
つまり、どんなにその会社で職位が高かろうが、それは過去、たまたま時流が良くて昇進できた普通の人にすぎないわけです。
もちろん、能力は必要です。会社を動かしていく以上、会社としては、間違いが多い人や役に立たない人を昇進させることはありませんので。ただし、あくまでもばらつき範囲の中でのはなし。緯度の中のカエルでちょっと体が大きい方、くらいの違いでしかありません。
そんな人に、恐縮・萎縮して言うがままになる必要はないわけ。
■なめてはいけないが、萎縮する必要はない
上司は部下になめられたくないと思ってます。上司に限らず大抵の人は他人になめられることを嫌います。とくに、自分が目下だと思っている相手には。
なので、ことさら過去の実績を持ち出したり、自分がより多くの情報・知識をもっているかのように振る舞うわけです。
部下はそれを真に受ければ、「この人はすごい人なんだ」なんて正直に思ってしまう場合もありますが、単にその人のレベルをはかる基準や判断する情報がないだけです。
「なにを知ったかぶりしてんだ、ボケ」と思うくらいがちょうどいいかもしれません。
もちろん、口に出していったり、相手にわかるような態度に出してはいけませんが、萎縮してしまって自分が言うべきことや、相手の間違いをスルーして失敗することがわかっているプロジェクトをやらされる、などということがないようにしたいですね。