心理戦で絶対負けない本



本ブログで「心理術」に関する技術を時々取り上げています。心理技術系の本で私が最も読み返す場合が多いのは、『影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか』シリーズで、その次に読み返す回数が多いのがこの本

 『心理戦で絶対負けない本



 『心理戦で絶対負けない本実践編

の2冊。

著者の伊東明氏,内藤誼人氏はいろいろな心理技術を、シロートにわかりやすく説明してくださるので、理解しやすく実践しやすい著書が多いのが特徴。

■記憶のメカニズムと心理のメカニズム


多くの書籍でも書かれているので、ご存知の方は多いと思いますが、人間の記憶は、コンピュータのようにある事象が単体で記憶されるわけではなく、その事象に関連したことと一緒くたになって、ひとつのグループとして記憶されています。

ですので、膨大な記憶を探し出すためには、全部調べるのではなく、なにかのトリガがあって、そのトリガから芋づる式に手繰り寄せる感じで、記憶していたことが表面化します。

本書で紹介されている心理のメカニズムや、それを利用して、自分の状況を判断する力、相手を自分の期待する方向に引っ張る力も、ある事象と関連して記憶し、それに関連する事象があったときに引き出せるようにしておかないと、多くない小遣いからせっかく出して買ったのに、役に立たないシロモノになってしまいます。

本書では、さまざまな心理のメカニズムが紹介されていますが、繰り返し述べられているのは、「繰り返し読んでください」という点。

当然、実践というものも必要ですが、まずは、その文章を暗記する、つぎに、その文章を自分の言葉で表現する、そして、自分の行動で表現するにつながっていくことで、最終的に、記憶のストックからいつでも引き出せる状態になるのではないでしょうか。




■本書のテーマ


と、余談が過ぎましたので、本書のテーマについて。

本書のテーマは、

★〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
・すべての戦いは心理戦である。
 人の心の法則を知り、その法則を利用することで戦いに勝ち抜くことができる。
・出世も、ビジネスも、良好な人間関係も、恋愛も、しつけや教育も……すべては人の心を知ることから始まる。人の心、そして「あなたの心」こそ、あなたが持つ最強の武器なのだ。
・あなたの「心」こそ、最強の剣であり、最強の盾である。あなたがどのような方であろうとも、また現在どのような状況にあろうとも、それはまぎれもない真実なのである。
―――――――――――――――――――――★


です。

★〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

そう、だから本書では、「日常生活における戦い」を勝ち抜くための最強の武器として、「人間の心」を取り上げるのである。

すべての戦いは心理戦であり、人の心の法則を知り、その法則を利用することで戦いに勝ち抜くことができる、それが本書のテーマなのだ。

出世も、ビジネスも、良好な人問関係も、恋愛も、しつけや教育も……すべては人の心を知ることから始まるのである。

伊東明(著) 『「心理戦」で絶対に負けない本(文庫) 敵を見抜く・引き込む・操るテクニック
―――――――――――――――――――――★


さまざまな学術的調査を通じて裏付けられた理論をもとに、説得・印象操作・プロファイリングなど、その理論を実践で活かすためのテクニック集です。

★〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

 「ああ、なんでもっと早くこのテクニックを知らなかったんだ!」
 「あの時、この理論を知っていたらなあ…」
 「自分はこのテクニックでだまされていたのか!」

読み進むうちに、そんな後悔が出てくることもあるだろう。だが、心配しなくていい。使うチャンスはこれからいくらでもある。武器をマスターし、自分なりに腕を磨いていけばよい。

幸いなことに、今あなたの隣にいる人は、そんな武器があることすら知らないのだから

これまでのあなたが他人にだまされ、屈服させられ、言いなりになってきた種類の人間だったとしよう。

だが、これからは違う

「善良さ」というあなたの美徳が悪用されることはもうありえないのだ。

また、人の心をつかむのがうまいあなたが、これまで、その長所を生かしてさまざまなものを手に入れてきたとしよう。

だが、これからはその長所を今までの十倍、二十倍も生かすことができる。天性や経験に「セオリー」がプラスされるからである。

伊東明(著) 『「心理戦」で絶対に負けない本(文庫) 敵を見抜く・引き込む・操るテクニック
―――――――――――――――――――――★


最後に、本書の最後には参考文献が多く記載されています。
これも次に読む図書リストにしました。

繰り返し読んでも毎回いろいろな発見をする一冊。

■目次


●第1章 日常の心理戦
 風俗詐欺の心理戦
 「理性」よりも「感情」を揺さぶれ
 「イメージ」を売れ!
 企業VS.マスコミの心理戦
 心理戦を勝ち抜け!

●第2章 説得の三大テクニック
 1 フット・イン・ザ・ドア・テクニック
 2 ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック
 3 ロー・ボール・テクニック
 テクニックはTPOに応じて

●第3章 武器としての説得術
 恐怖アピール
 「レトリック」で人を動かす
 ザッツ・ノット・オール・テクニック
 希少性を利用したテクニック
 耳年増のインテリになるな

●第4章 「裏」の心理戦 詐欺・だましの心理メカニズム
 恐るべき「裏」のテクニック
 メール詐欺
 封書詐欺
 旅行詐欺
 健康食品詐欺
 電化製品詐欺
 投機予想詐欺
 ニセ占い詐欺
 結婚相談所詐欺
 かたり詐欺
 芸術品詐欺
 死者を利用した詐欺
 まだまだある詐欺師の常套句

●第5章 印象操作
 人間はみな役者
 好感を勝ち取る[獲得的印象操作]
 「言い訳」でダメージ回復[防御的印象操作]
 印象操作・実践編

●第6章 プロファイリング
 人の心を見抜く技術
 「名探偵シャーロック・ホームズ」
 相手の・本音・を見抜く
 身体のサインから「嘘」を見抜く
 目は口ほどに物を言う
 色と心の関係
 「同化動作」で見抜く
 「おびえ」を見抜く
 社内会議におけるプロファイリング
 他人はあなたをどう見ているのか
 右は左よりも強し
 「身体」という言葉を読み取れ




■参考図書 『「心理戦」で絶対に負けない本 実戦編(文庫)





立ち読みできます立ち読み可
伊東明(いとうあきら)
心理学者(博士)。株式会社東京心理コンサルティング代表取締役社長。早稲田大学政治経済学部卒業後、NTT勤務を経て、慶應義塾大学大学院修士・博士課程を修了。ビジネス心理学のプロフェッショナルとして企業研修・コンサルティングを行うほか、テレビ・ラジオ・雑誌等のマスコミでも幅広く活躍中。『聞く技術が人を動かす』(光文社)、『人望とはスキルである。』(ソフトバンク)、『実戦コーチングマニュアル』(ダイヤモンド社)をはじめとするベストセラーも多数。

内藤誼人(ないとうよしひと)
心理学者。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。有限会社アンギルド代表として、コンサルティング業務を行う一方、執筆業にも力を入れる心理学系アクティビスト。『パワープレイ』『パワーロジック』『パワーマインド』(以上、ソフトバンクパブリッシング)、『モテる! 心理戦術』(廣済堂)、『「人たらし」のブラック心理術』『「人たらし」のブラック謝罪術』『「人たらし」のブラック交渉術』(大和書房)など多数のベストセラーをはじめ、精力的な執筆活動を行っている。





◆アマゾンで見る◆◆楽天で見る◆◆DMMで見る◆

「心理戦」で絶対に負けない本 実戦編(文庫)
著者 :伊東明
楽天では見つかりませんでした
「心理戦」で絶対に負けない本 実戦編(文庫)
検索 :商品検索する



●本書を引用した記事
 心理戦で絶対負けない本―実践編
 心理戦で絶対負けない本

●このテーマの関連図書


「心理戦」で絶対に負けない本(文庫)敵を見抜く・引き込む・操るテクニック

「心理戦」で絶対に負けない本―敵を見抜く・引き込む・操るテクニック

人は暗示で9割動く!(だいわ文庫)

軽く扱われない話し方(だいわ文庫)

「プロ経営者」の条件

ベッドの上の心理学感じるオトナのための保健体育






■参考図書 『「心理戦」で絶対に負けない本(文庫) 敵を見抜く・引き込む・操るテクニック




立ち読みできます立ち読み可





◆アマゾンで見る◆◆楽天で見る◆◆DMMで見る◆

「心理戦」で絶対に負けない本(文庫) 敵を見抜く・引き込む・操るテクニック
著者 :伊東明
楽天では見つかりませんでした
「心理戦」で絶対に負けない本(文庫) 敵を見抜く・引き込む・操るテクニック
検索 :商品検索する



●本書を引用した記事
 心理戦で絶対負けない本―実践編
 心理戦で絶対負けない本

●このテーマの関連図書


「心理戦」で絶対に負けない本実戦編(文庫)

人は暗示で9割動く!(だいわ文庫)

軽く扱われない話し方(だいわ文庫)

すごい!ホメ方―職場で、家庭で、恋愛で…相手を思うままに操る悪魔の心理…

だましの手口(PHP新書)

パワープレイ(ソフトバンク文庫)






■参考図書 『影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか




人が「イエス」という仕組みを心理学を使って科学的に分析し、実際に応用可能なレベルにまで高めた本。
社会心理学者の口バート・ B ・チャルディーニ氏は、宗教や悪質なセールス、募金の勧誘、広告主などありとあらゆる「承諾誘導」の専門家の手口を研究し、彼らの手口は基本的に 6 つの力テゴリーに分類できることをつきとめた。心理学の専門書であるが、ビジネスからプライべートまでその応用範囲は極めて広い。
現在の心理学を応用した仕事術、交渉術、会話術などの本のほとんどすべてがこの本に書かれている。





◆アマゾンで見る◆◆楽天で見る◆◆DMMで見る◆

影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか
著者 :ロバート・B・チャルディーニ
楽天では見つかりませんでした
影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか
検索 :商品検索する



●関連 Web
 影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか』の[第三版] - マインドマップ的読書感想文
 影響力の使い方講座 - ダイレクト出版
 影響力の武器とは?説得するときにはこれ - DCC用語集
 影響力の法則 影響力の武器 - YouTube
 影響力の武器:マネジャーとしての影響力は、どうすれば発揮できるのか?-Bizトレンド

●本書を引用した記事
 出張・旅行でおみやげを買ってくる
 選択肢を多くするとカスを選ぶ
 昇進面接質問のブレークダウン
 面接質問:あなたはどのように反対意見を求めていますか?
 腰を使え
 記憶術:視点を変えて繰り返す
 考えは伝えられない
 どうしようもないムダな会議がある理由
 仕事で使える心理学1:詳細目次
 影響力の武器

●このテーマの関連図書


影響力の武器実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣

影響力の武器戦略編:小さな工夫が生み出す大きな効果

プロパガンダ―広告・政治宣伝のからくりを見抜く

シュガーマンのマーケティング30の法則お客がモノを買ってしまう心理的ト…

影響力の武器コミック版

ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則





■同じテーマの記事

大勢の前でプレゼンするときはZ目線が有効

大勢の前で何か話そうとするとかなり緊張します。1対1で話すときでも多少は緊張していますが、ちょっと大きな会議で発表をしたり、そこで何かコメントしようとしたりすると、もうドキドキが止まりません。だんだん職位が上がってくると、こういう場面が多くなるのですが、やっぱり苦手っていう感覚は否めません。もちろん、昔と比べると多少は良くなりましたが…。Z目線のテクニックそういうときには、いろいろなテクニックをあれこれ思い出しなが..

褒めるのは難しいけど教えてもらうのは簡単

「エンハンシング効果」という心理学用語をご存知でしょうか?動機付け人にやる気を起こさせる「動機付け」には、2つあって「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」があります。これは言葉の意味どおりなのですが、自分自身の要因でやる気になる場合と、外的要因によってやる気になる場合です。この「内発的動機づけ」で有名なもので、「アンダーマイニング効果」というものがあります。要するに、内発的動機付けによって頑張っていたものが、外部からの報酬によ..

議論が進まないときの4つの対応方法

何かを提案した会議のファシリテーションや議事進行をしていると、議論がなかなか進まない状態に陥る時があります。大抵の場合は、公式には「やるべき」なんだろうけど、「やりたくない」とか「そんな工数はない」とかの問題があって、メンバーの腰が引けている状態なことがおおいです。まあ、「わっかっちゃいるけどね〜」状態。こういう状態に陥ると、いくら議論しても、ほぼ無駄です。相手は理屈的には説得されているので、納得する理由をさらに提示しても、絶対..

しぐさで会話をコントロールする方法

だれかと話しているときに無意識にやった仕草が実は特定の意味を持って相手に伝わっている事があります。「ノンバーバルコミュニケーション」というのですが、これをうまく使うとこちらの都合を相手に気づかせることが出来ます。時計をちらちら見るよくあるパターンが、「時計をちらちら見る」っていうやつ。何か時間を気にしていて、「はやく話を切り上げろ」というメッセージが伝わりますよね。同じような仕草にはこんなものがあるそうです。..

サインに気をつける(話半分、観察半分)

こちらの意見を言ったり、何かの提案をしている時は、どうしても話すことに集中してしまいがちです。一生懸命説明することは、ある意味重要なのですが、もともと誰かに何かを話すというのは、その内容を相手に納得してもらったり、何かの行動を促すための「コミュニケーション」であったはずが、うまく話すために、話が一方的だったり、相手の存在が希薄になってしまうのは本末転倒ですね。話半分、観察半分わたしも後で反省することが多いですが、な..

セルフイメージを高める本当の方法

私も含め、どうもストイックな人が多いような気がします。これじゃあダメだもっと頑張らないともちろん、自分の課題を発見し解決していくことは良いことだと思います。ただ、それはマイナスをゼロにする方法でしかありません。ダメなところを改善してもプラスにはならないんです。一方で、良いところをより活用しようとしたり、より伸ばそうとするとプラスがさらに大きなプラスになります。アファメーション「アファメーション」という言葉の発祥..




この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。