「出世階段の上がり方」シリーズ、最終回は「社内政治」についてです。
社内政治というのなんだかドロドロしてるみたいですが、私は「社内における人間関係」みたいに考えてます。
つまり、人間なので「付き合いやすい人」と「ちょっと苦手な人」がやっぱりいるわけです。
で、当然ながら、上司であれ、社長であっても同じことです。
それが結果として社内の発言力の違いになったり、暗黙のグループを作ったりするわけ。
■人間関係を知っておく
職位が離れた人だと、その人がどういう人間関係を持っていて、どういう人と気が合うのかというのは、距離が離れるに従ってわからなくなります。だんだん建前的な発言しかわからなくなります。
上司やそのまた上司や、その上司の同僚(同じ職位の人)がどういう人間関係を持っているのかがわからないというのは、実際、昇進だけでなく、保身をする上でも重要です。
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●社内政治について――出世階段の上がり方
政治にまったく触れずに男進昇格についての章を終わらせることはできないだろう。
しかし、私はキャリア向上ために注目すべきことのなかでは、政治はもっとも重要性が低いと思っている。
そのため、この問題に触れるのは最後にした。
私は決して甘っちょろいわけではない。ほとんどの企挙に社内政治がうごめいていることはわかっているし、あなたもそのことは意識しなければならない。
しかし、政治ゲームにあまり時間をかけ過ぎるべきではないと思う。
確かに、巧妙な戦術を駆使し、野ひをむき出しにすれば、社内の出世階段を上ることはできるが、そのような形で昇進昇格しても、同じくらい簡単に転げ落ちる危険がある。
そんなことはないと言う人もいるだろうが、価値のある社員に見せるのではなく、本当に価値のある社員になってしっかりとした基礎を築く方がいい結果を残せることを私は見てきた。
とは言え、どの企業にいても、政治的な風向きは意識しておかなければならない。
政治を完全に避けることはできない。そのため、少なくとも何が起きているのか、どのような人を避けなければならないのか、誰に逆らってはならないのかは知っておく必要がある。
ジョン・ソンメズ(著) 『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル』
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本書にあるように、どのような会社であれ、人間が複数人入れば力関係が生じます。力関係に差があると、作用反作用の法則の法則が働きます。
「作用反作用の法則」については
魚の目―フローを見る力2:作用と反作用の視点
で詳しく書きましたのでご参照を。
■決定事項には背景がある
すくなくとも、会社で重要なことが決められたときには、どのようなプロセスで、どのような背景があったのかを知っておく必要があります。おそらくそれが会社における力関係を表しています。
一番わかりやすいのは、組織再編です。
もちろん、営利企業ですので、市場の状況によって組織体制を変えて、より利益をあげられるところに集中するなどの、論理的な意味付けもありますが、実際組織みたいなものは選択肢なんて掃いて捨てるほどあります。
その中から、ある一つの選択肢が選ばれた理由には、社内における政治力がモノを言います。
それ以外にも、部方針の決定や、ミッションステートメント、細かくは、モノの購入までさまざまな選択肢から、なぜその決定がなされたかを、注意深く見ることです。そこで得をした人や、自分の意見を通した人がいるはず。
いわゆる洞察力も必要ですし、その背景となる情報収集も必要です。
こういうのは、そこに近しい人の何気ない一言にいかに注意深くなれるかがポイントかもしれません。
そうすることで、上層部の力関係を把握し、負け組に組み込まれない工夫を考えておかないと、昇進どころか足元をすくわれるリスクさえあります。
まあ、今回は、仕事術、仕事の効率化には直接関係ない話でしたが、リストラされてしまったら、仕事の効率化以前に仕事がなくなっちゃいますからね〜。くわばらくわばら。
■参考図書 『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル』
![]() ![]() | 「より良い人生」を送るためのノウハウ・スキルを網羅した、生き方バイブル本です。 ソフト開発者向けに書いてありますが、そこで言われていることはあらゆるビジネスパーソンに通じることばかり。 良い人生を送るためには、技術習得法やキャリア構築法といったノウハウに加え、対人的な交渉・指導・意思疎通などをうまく行える能力や知恵、すなわち「ソフトスキル」が不可欠です! 本書では、キャリアの築き方、自分の売り込み方、技術習得法、生産性の高め方といった仕事で成功する方法だけでなく、財産の築き方、心身の鍛え方、恋愛で成功する方法など、「人生全般をより良く生きる方法」を具体的に説明します。 ●「解説」から抜粋 本書はソフトウェア技術者向けの書籍ではありますが、いわゆるテクノロジーのことはほとんど書いてありません。しかし、「成功者」になるために必要なそれ以外の多くのことが書いてあります。(中略)今こそ私たちがもっと成功に貪欲になれるチャンスなのではないでしょうか。 ●「訳者あとがき」から抜粋 全体を読み通して感じたのは、人の弱さを十分に意識して書かれていること、率直であること、上からではなく同じ高さから話しかけてくることでした。 (中略)校正のために読み返してみると、株や栄養や腹筋のことなど、「何かで読んだんだけどさあ」という枕で出てくるような話の多くを本書で覚えたことに気づきました。無意識のうちにいろいろな影響を受けているようです。この本、ただものではないですよ。 ●目次 第1部 キャリアを築こう 第2部 自分を売り込め! 第3部 学ぶことを学ぼう 第4部 生産性を高めよう 第5部 お金に強くなろう 第6部 やっぱり、体が大事 第7部 負けない心を鍛えよう 付録A コードを書けるなら金融は理解できる 付録B 株式市場の仕組み 付録C 食事と栄養の基礎:ガラクタを入れればガラクタが出てくる 付録D 健康な食事の方法:ピザは食品群ではない |
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