教えることの効用は脳内変換にある



何かを学びたいと思ったら、教えることがもっとも効果があります。

たとえば、「もっと仕事が効率的にこなせるようにになりたい」のであれば、自分のやっている仕事のやり方を、先輩や後輩に紹介してみてはいかがでしょうか。

 「後輩ならまだしも先輩に?」

と思われるかもしれませんが、経験的に言うと、先輩に教えたほうが効果が高いです。




■先輩には評価・批評してもらう


もちろん、先輩に対して「教えてやるぞ」何ていう態度でのぞめば、先輩のプライドも傷つきますし、おそらくその後の仕事もやりにくくなるでしょう。

だから、

 「こんなこと気がついたんですけど、どう思います?」

と評価や課題の指摘を求めるのです。

そうすれば、「教えもてらう」という体裁を持って、先輩に教えてやることができます。

それで、その先輩や自分のチーム全体がそういうことを考える環境ができれば、お互いに切磋琢磨の状態になります。

■「教える」のではなく「共有する」


いまでは、後輩もいろいろ勉強しているでしょうし、私の若手時代の勉強はできませんが、根性で頑張りますみたいな状態ではなく、若手社員は本当によく勉強してます。

まあ、私のような三流大学ギリギリ卒業ではなく、一流大学院卒という人もおおいですから、勉強することに対して抵抗感ははまったくなく、勉強のコツもつかんでいる人がほとんどですが。

そういう人たちに、エラそうに「教えてやる」って言っても、ほとんど教えられるような事はありません。

ですので、「教えてやる」という上からの目線ではなく、「こんなこと勉強しました」「こんなことを知りました」的なメッセージを送ることが多いです。

もちろん、それを知らない人がいたら、その人の勉強になるでしょうし、刺激にもなることを狙って出してますが、本当の狙いは、自分の知識にすることです。

なぜ、人に教えると自分のためになるかというと…




■教えることの効用


★P184〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

ものを教えるときには、脳内のデータの再構成も避けられない。

何かを初めて学んだときには、それは断片的に頭のなかに人ってくる。

教えられた教村はうまく構成されていたかもしれないが、それが頭のなかに人ると、かなり断片的なものに変わってしまう。

ある概念をつかみ、それが次の概念を導き、さらにそこから前の概念に跳ね返されて初めて、以前はつかめていなかった部分を理解できる。

このような形で頭にデータを入れていくのは効率が悪く、混乱を招きがちだ。誰かから質問をされたときに、答えが支離滅裂になりがちなのはそのためである。

自分ではわかっているのに、それを説明することができないのだ

誰かに教えようとすると、強制的に頭のなかのデータを再構成せざるを得なくなる。

何かを説明するための最良の方怯について考え、それを紙に書いたり、言葉やスライドにまとめたりすると、頭のなかのバラバラに切断された情報の断片がひとつにまとまり、意味を成す形に再構成される。

他入に教えるためには、必然的にその前に自分自身に教え直さなければならないのである。

教えることが学ぶために非常に効果的なのはそのためだ。

ジョン・ソンメズ(著) 『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル
―――――――――――――――――――――★


ということです。

これは確かに実感としてあります。

私は以前から読書量だけは多かったのですが、読んだこともちゃんと消化できてないことが過去には多かったように思います。

それが、こういうブログを書くようになって、いろいろ気づきがありました。
一番は、読んだことを自分の口で説明できるってこと。

実際、やってみると結構難しいですよね。(私だけ?)

本を読むときに、「お、これ次のブログネタに使おう!」などと思いながら読んでいるので、注意深く読むようになりました。そして、それを後で思い出すことができるようになり、それについて自分の経験をコメントできるようになったというのは、ちょっと成長かな? などと思ってます。

■教える⇒共有する⇒自分のものになる


人に教えるということは、本書にある通り、自分の頭のなかで、自分の言葉にしたり、関連する事項を整理しないとできません。

その目的は、教える相手の成長という結果はもちろんありますが、自分自身のためが一番の理由です。

 自分のために人に教えると、人から感謝される

一石二鳥でしょ?




■参考図書 『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル





立ち読みできます立ち読み可
「より良い人生」を送るためのノウハウ・スキルを網羅した、生き方バイブル本です。

ソフト開発者向けに書いてありますが、そこで言われていることはあらゆるビジネスパーソンに通じることばかり。

良い人生を送るためには、技術習得法やキャリア構築法といったノウハウに加え、対人的な交渉・指導・意思疎通などをうまく行える能力や知恵、すなわち「ソフトスキル」が不可欠です!

本書では、キャリアの築き方、自分の売り込み方、技術習得法、生産性の高め方といった仕事で成功する方法だけでなく、財産の築き方、心身の鍛え方、恋愛で成功する方法など、「人生全般をより良く生きる方法」を具体的に説明します。

●「解説」から抜粋
本書はソフトウェア技術者向けの書籍ではありますが、いわゆるテクノロジーのことはほとんど書いてありません。しかし、「成功者」になるために必要なそれ以外の多くのことが書いてあります。(中略)今こそ私たちがもっと成功に貪欲になれるチャンスなのではないでしょうか。

●「訳者あとがき」から抜粋
全体を読み通して感じたのは、人の弱さを十分に意識して書かれていること、率直であること、上からではなく同じ高さから話しかけてくることでした。
(中略)校正のために読み返してみると、株や栄養や腹筋のことなど、「何かで読んだんだけどさあ」という枕で出てくるような話の多くを本書で覚えたことに気づきました。無意識のうちにいろいろな影響を受けているようです。この本、ただものではないですよ。

●目次
第1部 キャリアを築こう
第2部 自分を売り込め!
第3部 学ぶことを学ぼう
第4部 生産性を高めよう
第5部 お金に強くなろう
第6部 やっぱり、体が大事
第7部 負けない心を鍛えよう

付録A コードを書けるなら金融は理解できる
付録B 株式市場の仕組み
付録C 食事と栄養の基礎:ガラクタを入れればガラクタが出てくる
付録D 健康な食事の方法:ピザは食品群ではない






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●本書を引用した記事
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posted by 管理人 at 05:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 知的生産術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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