人を動かす:人を説得する原則6:しゃべらせる




巨人たちのお言葉シリーズをお送りします。

本日の巨人 : ディール・カーネギー
本日のお言葉: 人を説得する原則:相手にしゃべらせる
お言葉の出典: 『人を動かす

本日のお言葉は、もう何回目でしょう…『人を動かす』から

 人を説得する原則6:相手にしゃべらせる

です。




■説得したかったらしゃべってはいけない


私のようなレベルでは、結構ハードルが高いのですが、本当の説得術というのは、

 相手に相手自身を説得させる

ことを最高の手段にしているのだそうな。

それは、原理原則から言われれば当然で、人は他人が言ったことに対しては、実行義務を感じませんが、自分が行ったことについては、それをしないと罪悪感を感じます。

このあたりは、『影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか』などの説得術の本では必ず出てきます。

まあ、時系列的に見れば、本書『人を動かす』がその大元なのかもしれませんが。

★P213〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●しゃべらせる
相手を説得しようとして、自分ばかりしゃべる人がいる。

相手に十分しゃべらせるのだ。相手のことは相手がいちばんよく知っている。だから、その当人にしゃべらせることだ。

相手のいうことに異議をはさみたくなっても、我慢しなくてはいけない。相手がいいたいことをまだ持っているかぎり、こちらが何をいってもむだだ。

大きな気持で辛抱強く、しかも、誠意を持って聞いてやる。そして、心おきなくしゃべらせてやるのだ。

この方法を商売に応用すると、どうなるか、余儀なくそれを採用するはめになてたある男の体験談を引いて説明しよう。アメリカ屈指の自動車会社が、内装用の織物類を一年分購入しようとしていた。

三社の大メーカーが、見本を提出した。

自動車会社の重役たちはその見本を吟味したのち、メーカーにそれぞれ通知を出し、最終的な説明を聞いたうえで契約するから、指定の日にたずねてくるよういってやった。

そのうちのあるメーカーの代表者 R 氏も、重い喉頭炎をおしてやってきた。以下は R 氏の話である。

 わたしの説明する番がまわってきたが、声を出そうにも出なかった。かすれ声すら出ない始末だ。一室に案内されると、そこには社長をはじめ、各部門の責任者がずらりと並んでいる。

 わたしは立ちあがってしゃべろうとしたが、喉がキーキーと鳴るだけだった。そこで、わたしは一枚の紙に 「喉をいためて声が出ません」と書いて差し出した。

 それを見た社長が「では、君にかわってわたしがしゃべってあげよう」といい出した。

 そして、わたしの見本を広げると、その長所をほめだした。すると、それにつれて活発な意見が各責任者から出た。

 社長はわたしの代弁をしていたものだから、いきおいわたしの味方になってしまった。

 わたしはただ、ほほえんだり、うなずいたり、身ぶりをして見せるだけでよかった。

 この風変りな会談の結果、わたしは五十余万ヤールの布地の注文を受けた。

 金額にして百六十万ドル。わたしにとっては、生まれてはじめての取引きだった。

 そのとき、もしわたしが声をつぶしていなかったら、とてもその注文はとれなかったにちがいない。

 わたしはそのときまで、商売のやり方について、とんでもないまちがった考えを持っていたのである。

 自分でしゃべるよりも相手にしゃべらせたほうが利益が大きい場合があることを、そのときまで知らなかったのだ。

 :
 :(中略)
 :

友だち同士の間柄でも、相手の自慢話を聞くよりも、自分の手柄話を聞かせたいものなのだ。

フランスの哲学者ラ・ロシュフーコーのことばに、こういうのがある

 【敵をつくりたければ、友に勝っがいい。味方をつくりたければ、友に勝たせるがいい

その理由――人間はだれでも、友よりすぐれている場合には重要感を持ち、その逆の場合には、劣等感を持って羨望や嫉妬を起すからである。

ニューヨーク市の人事課職員のあいだでへンリエッ夕は圧倒的に人気があった。だが、昔からそうだったわけではない。

人事課にはいった当座は同僚のなかにただひとりの友人もなかった。それは、彼女が毎日のように仕事上の手柄話を大得意で吹聴してまわっていたからだ。

「わたしは自分の担当の仕事をりっばにこなしていたし、また、それが自慢でした」とへンリエッタは講習会で報告した。「でも、同僚は、わたしの手柄を喜んでくれるどころか、反発を覚えていたそうです。

わたしは同僚から好かれたかった。

そこで、この講習会に参加してよく考えた結果、自分のことをしゃべるのはなるべく少なくして、同僚のことばに耳を傾けることにしました。

同僚たちにも自慢したい話が山ほどあり、それを話すほうが、わたしの自慢話を聞かされるより、はるかにおもしろいわけで、今ではおしゃべりする時間になると、同僚たちに 「何かおもしろい話を聞かせて」と、聞き手にまわることにしています。自分のことは、求められないかぎり、話をしないことにしています

人を説得する原則6:相手にしゃべらせる

デール・カーネギー(著) 『人を動かす
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■参考図書 『影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか




人が「イエス」という仕組みを心理学を使って科学的に分析し、実際に応用可能なレベルにまで高めた本。
社会心理学者の口バート・ B ・チャルディーニ氏は、宗教や悪質なセールス、募金の勧誘、広告主などありとあらゆる「承諾誘導」の専門家の手口を研究し、彼らの手口は基本的に 6 つの力テゴリーに分類できることをつきとめた。心理学の専門書であるが、ビジネスからプライべートまでその応用範囲は極めて広い。
現在の心理学を応用した仕事術、交渉術、会話術などの本のほとんどすべてがこの本に書かれている。





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影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか
著者 :ロバート・B・チャルディーニ
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●関連 Web
 影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか』の[第三版] - マインドマップ的読書感想文
 影響力の使い方講座 - ダイレクト出版
 影響力の武器とは?説得するときにはこれ - DCC用語集
 影響力の法則 影響力の武器 - YouTube
 影響力の武器:マネジャーとしての影響力は、どうすれば発揮できるのか?-Bizトレンド

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 多面的交渉術をトレーニングする「ピラミッド交渉力」
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シュガーマンのマーケティング30の法則お客がモノを買ってしまう心理的ト…

影響力の武器コミック版

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■参考図書 『人を動かす




これを読まざるしてヒューマンコミュニケーションを語るなかれ!
デール・力ーネギーによる自己啓発の源流とでもいうべき不滅の名著。原版(How to Wln Friends and Inffuence Peaple)は、世界各国で 1500 万部以上、日本語版も 400 万部を超える大口ングセラー。
この脅威の部数は、本書が「人間心理の本質」を正面から扱った最初の一冊であることを示している。多くのヒューマンコミュニケーションに関する本は本書の焼き直しと行っても過言ではない。これらの本を読む前に、まずは本書を読んでから語ってほしいもの。






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●関連 Web
 悪用厳禁!心理学で人を動かす7つの秘法 - ライフハックブログ
 人を動かす-Wikipedia
 人ひとを動うごかす―デール・参考カーネギーによる人間関係の古典―:日本語文学ガイド
 転職を繰り返したD.カーネギー――世界最大の自己啓発本「人を動かす」を作った男
 説得コミュニケーションの原則―Diamond Online
 悪用厳禁!心理学で人を動かす7つの秘法 - ライフハックブログ

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