誰かを自分の思っている方向に引っ張ろうと思ったら、使う言葉や順序に、相当気を使わないといけません。
絶対いけないのは、思ったことをそのまま口にだすこと。
まあ、子供じゃないんだから、そのくらいのことは当たり前だと思うでしょうが、案外できてない人が多いんですよ。
問題は、どういう言い方が適切かを知らないこと。
知っていても、瞬間的にそれを組み立てる訓練をしていないこと。
…なのかもしれません。
■指摘する→褒める
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●ほどほどにけなすことでイエスと言わせる
説得の技法「ほめと親近化効果」
他人をけなしてばかりいる人は、周囲から嫌われて、誰も寄りつかなくなるでしょう。
だからといって、誰にでも愛想よく振る舞い、お世辞やおべんちゃらを言う八方美人が好かれるかといえば、これまた誰からも信用されなかったりします。
他人をけなさず、いつもほめていれば万事うまくいくと思ったら大間違いなのです。
心理学での有名な実験があります。
A.最初から最後までほめっばなし
B.最初から最後までけなしっばなし
C.最初にほめて、最後にけなす
D.最初にけなして、最後にほめる
被験者が、好感度を感じた相手は、
D → A → B → C
の順になったのです。
最初にけなされても、最後にほめられる―のが、最も好感度が高かったのです。
最初にほめられても、最後にけなされる―のが、最も好感度が低かったのです。
ここでも、あとよし効果の「親近化効果(P71)」が生じて、最後の記憶が強化されるメカニズムがはたらいていることがうかがえます。
一番、信想性が高くなるのです。
上司:きみは、そそっかしくてミスも多い。しかし、誰にも負けない粘りと根性がある。その点が高くく評価されて、事務職から営業職に配置変えになるんだよ
部下:そうだったんですか。じゃ喜ぶべきことなんですね。左遷じゃないんですね?
上司:もちろんだよ。 3 - 4 年でまた戻ってもらわないと、うちの部も困るからね
このように、相手を丸め込むのに使えます。
気をつけるべきは、最初にけなして、あとからほめると好感度が高く信愚性が増す――といっても、ボロカスにけなしすぎると身もふた蓋もなくなるということです。
あくまで「ほどほどにけなす」程度と心得ましょう。
神岡真司(著) 『思い通りに人をあやつる101の心理テクニック』
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本書で言う「あとよし効果」というのは、あとに言ったことのほうが印象に残るので、良いことのように聞こえるという効果で
アイツはマヌケだけど発想力がある
アイツは発想力があるけどマヌケだ
は前者が褒めているように聞こえますよね。こういう言い方です。
つまり、相手に悪い印象を与えずに何かを指摘しようとしたら、
指摘する→褒める
の順番が重要。
■褒めるだけでは効果が低い
ただし、「褒めればいい」というものではありません。本書のように、「移動する」という会社としての決定事項は伝えなければいけませんし、決定事項に部下が文句を言ってもダメです。
そこで、伝えるときに、悪い評価も伝えることで、自分の発言に対して、信頼をおいてもらえるようにする必要があるわけです。
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なんていわれたら、眉にツバしたくなりますよね。
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こっちのほうがまだその先を聞く気になるんではないでしょうか。
つまり、誰かを説得しようとしたら、「悪いところを指摘する」「良いところを褒める」という2点セットが必要で、その褒めたところが今回の説得につながっている、という論理構造を作ると、説得に応じてもらいやすい、ということです。
■参考図書 『思い通りに人をあやつる101の心理テクニック』
![]() ![]() | ▼どうしたら思うように相手を動かすことができるのか? 本書に関心を寄せていただいた読者の方は おおむね次のような不満を抱えているのではないでしょうか? ――どうしたら、部下が自分の思うように仕事をしてくれるのか? ――どうしたら、苦手な上司や取引先をラクラク攻略できるのか? ――どうしたら、気になるあの人に振り向いてもらえるのか? ――どうしたら、営業のクロージングでNOをYESに変えられるのか? などなど・・・ 「いったいどうしたら、相手を動かすことができるのか! ?」 人を自由にあやつることができれば、 私やあなたの毎日は楽になることでしょう。 しかし、そう簡単にはいかないのが現実です。 人生の成功者たちは「コミュニケーションの巧拙」が 地位や年収に結びついていることを、体験的に知っています。 人間同士で構成されるのが人間社会です。 人間心理を制するものが人生を制するのです。 ▼即効性の高い実践心理テクニックを101本収録! 相手を「動かす」「あやつる」という行為は けっして相手を「だます」ということではありません。 自分も相手も、狙った方向に気持ちよく向かわせ、誘導する。 そんな魔法のような心理技術が、この世には存在するのです。 そこで本書は冒頭に掲げたような不満を解消する心理技術を 厳選して計101本取り上げました。 心理学で検証・確立された理論をベースにした きわめて実践的で即効性の高い心理テクニックです。 ※決して悪用しないようにしてください。 ぜひ、ご一読いただき、すぐにでも実践すれば その効果のほどをたちまち実感されることと、保証いたします。 この101のテクニックを駆使しさえすれば 思うようにならないさまざまな人間関係のイライラから解放されます! ↓特設Facebookページへお越しください http://www.facebook.com/shinri101 |
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●本書を引用した記事
サインに気をつける(話半分、観察半分)
不意打ちでYESと言わせる方法
一拍おいてから話し始める
反発心を利用して他人を操る方法
褒めるのは難しいけど教えてもらうのは簡単
ランチョン・テクニックで和やかに議論する
部下の行動を改めさせる恫喝と一罰百戒
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大義名分を振りかざして反論を封じる
部下に評価を伝える時には、良い・悪いを同時に言う
●このテーマの関連図書
相手を自在に操るブラック心理術(日文新書)
面白いほど雑談が弾む101の会話テクニック(フォレスト2545新書)
他人を支配する黒すぎる心理術
ヤバい心理学(日文新書)
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「しぐさ」を見れば心の9割がわかる!(王様文庫)