何をするにしても、理想だと思われることはあります。
たとえば、朝会社の前で同僚にあったら「お早うございます」くらいは必要ですよね。
打ち合わせをしたら、議事録その場で作って、関係者が合意した事実をきちんと記録すべきですよね。
お客様にあったら、あってもらったことに対するお礼の連絡をしたほうがいいですよね。
とにかく、社会生活をしていると「××すべき」「××するといい」的な話をよく聞きます。
こういう辺鄙なブログにたどり着いた方なら、「仕事は効率的に」とか「できるビジネスマンにはタイムマネジメントが必須」とか信じてませんか?
もちろん、このブログのテーマなので否定するつもりはサラサラありません。推奨したいです。
■ベストを求めればキリがない
あるべき姿をさだめて、それに向かって改善や改革をしていくのは、一般論的には良いことです。
良いことなのですが、実際、それを追求し続けると、一部のスーパーマンを除けば、理想状態には永久にたどりつけない事に気が付きます。
「仕事で発生したタスクは全部こなさなきゃ」と思って頑張った結果が、心の病で仕事自体を失うのは本末転倒。
…と偉そうにいいますが、それで引っかかって会社をお休みした経験を持つ自分としては、もう二度と同じエンドレスループは繰り返したくないと考えています。
そのためには、「ベスト」ではなく、
・「良い加減」「適正」
・「できたらいいな」
という言葉がいいかもしれません。
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たとえば、あなたはメールを返信するタイミングについて、どんなふうに考えているでしょうか。
「メールが来たらすぐに返信すべき」
と考えていますか。それとも「その日のうちに返せばいい」「翌日までなら OK 」などと思っているでしょうか。
もちろん、メールの内容、相手によって変わるでしょう。
プライべートと仕事とではメールの意味合いが違うでしょうし、責任も異なります。とはいえ、あなたの習慣を振り返ってみてください。
本当はそれほど急いで返さなくてもいいメールなのに、習慣で何となく、急いで返信してはいないでしよ与つか。
ほとんど無意識だとしても「急いで返信しなきゃ」というのも、じつはけっこう大きなストレス。
それは仕事でも、プライべートでも同じです。
その関係、距離感についても、いったん冷静に考え直してみましょう。
そんなに急いで返さなくてもいいメールなら、一日くらい時間を空けてから返してみるのも一つの手。
すると、相手との距離感が少し変わります。
頻繁かつ迅速なメールのやり取りをしていればそれだけ距離は近くなり、時間や日数を空けると少し距離が離れます。「何が正しいか」ではなく、「どのくらいの距離が適正か」「自分にとってストレスがないのか」を見直してみる。そのバランスを考えることは、現代を生きる私たちにとって、とても大切です。
松島直也(著) 『ストレスをためない技術』
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■「べき」と「理想」「ベスト」はやれたらいいな目標
目標には
・必達目標
・やれたらいいな目標
があります。絶対に達成しないといけない必達目標をこなさなければ、会社で生き残ることはできません。
「目標」という言葉は、よくビジネス書などで、
・数値化され、測定可能な達成具合
などと説明されます。その通りで、その目標の}線}を超えなければ、会社として成果とは認められません。
線なので、幅がありません。死んでもそれを超えろと。
これが、線の位置やある種の環境によっては、非常に強いストレスになります。
もちろん、会社や部門の目標は達成しないといけません。会社から評価されなくなりますので。
個人的に立てた目標であっても、達成や未達は、自分自身に対する評価を下げます(「オレってダメ夫じゃん…」とか)。
それを「べき」と考えてしまうと、心理的にやられてしまうよ、ということです。
■目標のグラデュエーション
ちょっとパワーポイントなどで書くグラデュエーションのオートシェイプを思い出してください。
左から右に向かってだんだん色が薄くなって、一番右側では白、すなわち色がなくなります。
目標に対する到達可能性もこのグラデュエーションのようにだんだん可能性が下がっていきます。
「目標値」はこのグラデュエーションの何処かにおいたマーカーのようなものです。
もちろん、右端に色がついているひともいるでしょうけど、私のような凡夫は半分くらいからほとんど色が判別できない状態だったりします。そんなところにマーカーを置いても届かないわけですよ。さらに悪い事に、このグラデュエーションときたら、周囲の環境によって色が濃くなったり薄くなったりします。
でも、理想はやっぱり右端にあります。
ただし、右端には届かないという自覚があるので、「やれたらいいな」と考えるだけにしてます。
「(自分宛ての)メールが来たら、すぐに返信すべき」
は全くその通りです。でももしそう考えてしまったら、
「(自分宛ての)メールが来たら、すぐに返信できたらいいな」
と考え直すようにしています。
会社の目標にしても、「べき」「ベスト」「理想」で考えれば、マーカは右端に置かれます。実際にそんなところにマーカを置く会社や部門がないのは、それが凡人未踏であることを知っている役員や部門長がいるからではないですかね。だから、色がはっきりしているところにマーカをおいている。
でも、もし今年それが偶然でも達成できてしまったら、翌年はもう少し右側に置かれます。
それがどんどん加速すると、ブラックに…
個人でも同じことが起きます。
今年できたのは偶然かもしれませんよ。
マーカの位置はグラデュエーションの色具合を良く見て「適正」を目指して置くと良いかもしれません。
■参考図書 『ストレスをためない技術』
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●本書を引用した記事
振り返りはテレビを見るように枠をはめて思い出す
嫌なことは、「もし気分がよかったら」で切り替える
深呼吸をしてストレスを解消する
ピントを外してストレスから逃げる
15分散歩してから会社に行く
車のメンテナンスをするように自分もメンテナンスする
ストレス経験を思い出して、笑い話にする
記憶の距離感をコントロールする
「べき」「ベスト」ではなく「できたらいいな」を探すとストレスが減る
「しなければならない」と思ったらピンチ
●このテーマの関連図書
「やめた!」がなくなる続けるスイッチの作り方(アスカビジネス)
NLPのことがよくわかり使える本(アスカビジネス)
NLP速読術~1冊10分で本が読める!時間がなくてもスキルアップ&試験合格~
(文庫)脳からストレスを消す技術(サンマーク文庫)
キラーストレス心と体をどう守るか(NHK出版新書)
苦手意識は捨てられるNLP脳トレーニング