上司と呼ばれるような立場になってみて初めてわかったことに(私だけなのかもしれませんが)、「他人の考えていることはわからない」ということがあります。しょっちゅうコミュニケーションをしている部下に対してすら、「え?オレそんなこと指示してないじゃん」と思うことがしばしばあります。
こういうときに、どうするかというと
・却下する
・より詳しく聞く
の2パターンがあるのですが、いずれにしても、「うん、分かった」とは言えないですね。
■上司を驚かせてはいけない
別の記事
自分より職位が上の人を驚かせてはいけない
で書きましたが、上司が知らないところで結論を出すと、それが上司の意をくんだものだとしても、「上司の意」そのものではありません。結果、上司はびっくりする羽目になります。
びっくりしたときの反応は基本は「拒否」「却下」して現状維持がセオリーです。
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●稟議を上げる前に、ネゴシエーションする
時間をかけて奥議書を作ったものの、けんもほろろに突き返されてしまった人から、「なぜでしよう」と、相談を受けたことがあります。
新しい案件を綿密に計画を練って進め、あとは判子をもらうだけと思っていたら、いきなり却下されてしまったというのです。
こういうことならないようにするには、稟議を作る前にキーマンにネゴシエーションするのが得策です。
内諾をもらっておけば、稟議が通りやすくなるからです。
上司は決裁をする人、そう思っていると思わぬ落とし穴があります。その前に大切なのは相談です。
「ご相談したいことがあります」
「お知恵をいただきたいのですが」
と、初期段階で話を持ちかけてみてください。
早い時点で上司を巻き込み、アドバイスをもらいながら企画を詰めていけば、唐突で勝手な独り歩きと誤解されません。
上司だって仲間に入れてほしいのです。
}大きなイエスは、小さなイエスを合計して、はじめてもらえるもの}。
何より上司の経験や知恵を活かさないのは、もったいないことです。遠慮せず、上司をどんどん巻き込みましよう。
鈴木真理子(著) 『もう必要以上に仕事しない! 時短シンプル仕事術』
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本書『もう必要以上に仕事しない! 時短シンプル仕事術』に「上司の経験や知識を活用するべし」と書かれていますが、たとえ上司に経験も知識もないものであっても、部下が}勝手に}決めてはいけない、と考えています。
部下が決めてはいけないわけではありません。「}勝手に}」決めてはいけないです。
■上司だって仲間に入れてほしい
上司であっても、同じ部署であれば仲間意識はあります。つまり、同じ仕事・同じ目標を持った共同体の一員です。
部下から見ると、「部下対上司」というふうに、部下と上司は対面しているように見てしまう時がありますが、上司は部下と同じ方向を一緒に見ているような感覚で捉えてます。
もちろん、職位がありますから、全く同じ状態で物事を観察するのは不可能ですが、同じような検討をして一緒に決断するようにしたいと考えている人が多いのではないかと思います。
ちょうど、部下はビルの1階から南のほうを見ていて、上司は2階から南のほうを見ている、っていう感じでしょうか。
ですので、部下が提案を持ってきたときには、「なんでそういう結論になるの?」と詳細を聞きますし、それぞれの言葉の意味も詳しく知ろうとします。これは部下の考えを否定したいわけではなくて、部下が経験したことを時間を縮めて一緒に仮想的に経験することで、判断に行き着きたいと考えるわけです。
ところが、この経緯を省略して報告されると、仲間としての意識ではなく、決定権限者としての意識だけが働いてしまって、今の自分の認識の中でしか判断できないので、「そんなこと指示してないじゃん」という発言になっちゃいます。
つまるところ、上司は部下から仲間扱いしてほしいのです。仲間なのでちょくちょく「こんなことが起こってます」とか「こんな問題があるんです」程度の報告をうけて、「そうか、困ったね〜」って言いたいんですよ。
■上司には報告するまえに相談する
もちろん、上司の権限として課や部門などの組織の長として決定をするという機能は必要です。ただ、その前に「仲間として相談する」という機能を持たせておくと話がスムーズに進みます。
もちろん、上司に限らず先輩・後輩、同僚でも同じです。
決定だけを伝えようと思うと、職位というパワーを持って命令することになりますが、一緒に考えるように相談するのであれば、職位は必要ではなく、仲間として意識だけあれば十分です。
同じ課題を共有していれば、同じ結論に行き着く可能性は高いですし、自分の意見が組み入れられた提案なら了解しやすいですよね。
報連相(ホウレンソウ)は相連報(ソウレンホウ)
のゆえんです。
■参考図書 『もう必要以上に仕事しない! 時短シンプル仕事術』
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●本書を引用した記事
標準時間を持つ
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添付ファイルのパスワードをメールに書いてはいけない
メールは一往復半で完了する
メールに「お疲れ様」は不要?
上司だって仲間に入れてほしい
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