仕事をする上で、予定通り物事が進んだためしがありません。
かならず何かの問題があります。
これを事前に、可能な限り検討しておくことを「リスクマネジメント」と呼びます。
ところが、結構このリスクを考えられない人がいます。
私が勝手に「猪突型」と呼んでいる人たち。
なるべくならこういう人と一緒に仕事をしたくないんですけどね。
猪突型の人は、自分がやろうとしたことがうまくいくことしか考えてません。
40年も前の高度経済成長期だったら、頑張れば何かしらの結果がでたので、それでも良かったのですが、今の時代は「うまく頑張る」ようにしないと結果が出ません。
・何をするのか
・その投資対効果はどの程度なのか
・選択肢はどの程度あるか
・自由度はどのくらいか
・リスクファクターと発生率はどのくらいか
・それぞれのリスクの対応策と効果はどの程度か
せめてこのくらいのことは考えてから突撃しないと…
■リスクは4つの分野で考える
ドラッカーは、『創造する経営者(ラッカー名著集6)』のなかでこんなふうに述べています。
★P274〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
リスクもまた分類しなければならない。リスクの大小は大きさだけで判断するべきではなく、その性格によって判断するべきである。
P.F.ドラッカー(著) 『創造する経営者(ラッカー名著集6)』
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私は本書からリスクを大きく4つに分類しています。
・負うべきリスク
・負えるリスク
・負えないリスク
・負わないことによるリスク
この分類に従って、検討されていないリスクがないかを探し出すようにしています。
■負うべきリスク
会社としての活動であれば、自社が何をしようとしているかは他社にとってのリスクです。
逆に、他社がどのようなことをしようとしているのかは自社にと手のリスクです。
組織を維持するること、仕事をすること、生活をすること、全てが他からの影響を受けます。
影響とはすなわちリスクです。自分がやろうとしていることは自分以外の全ての活動から影響を受けるからです。
自分が何かしようとしている事自体が、負うべきリスクです。
何かしようとすることで、発生するリスクを考えておく必要があります。
■負えるリスク
何をするにしても、うまくいく場合とだめになってしまう場合があります。
過去記事
リスク・リワード・レシオ
で書いたように、ダメになったときに、どの程度問題が起きるのかを考えておくことです。
「ビジネスは積極的なチャレンジをしなさい」と言われることがありますが、成功して得られるものと失敗して失うものの差(正確には比率)が負えるリスクであることが必要です。
また、成功したとしてもその過程で失うものもあります。これも全てを足し算したときに、もっとも得られるものが大きかった場合と最大の失敗をした時の考慮が必要です。
■負えないリスク
「負えるリスク」の反対です。
「負えるリスク」は得られるものとの比でしたが、こちらは失敗したときのその絶対値。
たとえば、イチ社員が会社の試算をすべて失うようなチャレンジをすることは、たとえそれが成功したときに、会社の売上が 100 倍になるとしても、負えないリスクですね。
■負わないことによるリスク
よくリスクの検討で抜け落ちるのがこのリスク。
行動することによって変化が起きます。しかし、その変化を恐れてしまって何もしなかったときに、環境が今の状態であり続けているならリスクはありません。
通常はそんなことはなくて、環境は変わります。そのときに適応できなかったリスクを考慮に入れて行動をするかしないかを決めないといけません。行動しなかったときにどのようなリスクがあるのか。
そのリスクを負わないためには、行動を選択せざるを得ない状況もあります。
■参考図書 『経営者の条件』
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●関連 Web
ビジネスリーダー講座-日経ビジネス
3分間ドラッカー―ダイヤモンド・オンライン
経営者のバイブル ドラッカーを学べ―WizBiz
ピーター・ドラッカー - Wikipedia
3分間でわかるドラッカー−「経営学の巨人」の名言・至言
●本書を引用した記事
貢献をしない
確証のワナ
段取りがよくなる段取りシート
面接質問「どんな貢献ができますか?」
ドラッカー:リーダーシップ力診断
ダラダラ癖から抜け出すための10の法則:時間を記録し分析しなさい
時間を測定する
仕事とは書類を作ることとみたり
スケジュールを見なおしてはいけない
ManicTime
●このテーマの関連図書
ドラッカー名著集2現代の経営[上]
ドラッカー名著集3現代の経営[下]
小説でわかる名著『経営者の条件』人生を変えるドラッカー―――自分をマ…
プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか(はじめて読むド…
創造する経営者(ドラッカー名著集6)
イノベーションと企業家精神(ドラッカー名著集)
■参考図書 『創造する経営者(ラッカー名著集6)』
立ち読み可 | 事業戦略が「発明」された歴史的著作。「今日の事業の成果」「潜在的な機会の発見」「明日のための新たな事業の開拓」を解く。さらには、「社会的存在としての企業とは何か」「プロフィットは外にある」等、経営の本質を説き、『経営者の条件』と並び、経営実践の書として経営者に長らく支持されてきたバイブル。ドラッカー名著集第6弾。 |
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●本書を引用した記事
面接質問「どんな貢献ができますか?」
意思決定をする
知識と情報、知識の血肉化
機会をつかむ準備をする
勉強好きはどのように昇進・昇格に影響する
やめる・かえる・へらす
計画を振り返りましたか?
成果を上げる5つの条件
時間を塊にする
意見から始める
●このテーマの関連図書
イノベーションと企業家精神(ドラッカー名著集)
ドラッカー名著集3現代の経営[下]
ドラッカー名著集2現代の経営[上]
ドラッカー名著集8ポスト資本主義社会
ドラッカー名著集15マネジメント[下]―課題、責任、実践
ドラッカー名著集7断絶の時代