「同じ轍を踏む」ようにするとうまくいく




同じ轍を踏むな」という格言があります。

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●同じ轍を踏む
読み方:おなじてつをふむ

先人が失敗した同じ失敗を繰り返すこと。単に「轍を踏む」とも言う。前の車の車輪跡にはまり込んで、転倒する、という状況に譬えた表現。

引用元:http://www.weblio.jp/content/%E5%90%8C%E3%81%98%E8%BD%8D%E3%82%92%E8%B8%8F%E3%82%80
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実はわたしは反対の意味で、

 同じ轍を踏む

ようにしています。

過去記事でも、

 スタンプを作る
 ポストモダンの時代
 目覚めよ!生きよ!:過去の成功の感触を取り戻す
 TIMTOWTDIメモ3:事前に考える癖をつける
 エッセンスを抜き出す
 簡単にできたことこそ大切にする

など、「過去にうまく行ったことは、繰り返し使うと効率的に成果が出せる」と考えています。

だいたい、「同じ轍を踏む」の格言には、轍を作った先人が成功したのか失敗したのか書いてないんだから、ちゃんと「失敗した同じ轍を踏んではいけない」と書かないといけないですよ。

それを「過去と同じことをしちゃダメ」って言う風に解釈できるように言うんなら、呼吸の仕方も発明しないといけなくなる。そんな才能はありません

■失敗したワダチこそ成功の元

たとえ、過去に失敗したやり方であっても、途中まではうまく行っていたはずです。何かのミスを犯したから失敗したんです。

だったら、その分岐点までは、同じ轍を踏んでいき、分岐点で別のやり方をすればいいだけのことであって、最初から別のやり方を模索すれば、そっちのほうが失敗する確率は高いです。

失敗は成功の元、って言うじゃないですか。

■たくさんの車が通るからワダチができる

ある道にワダチができるのは、たくさんの車が通ったからであって、たくさんの車が通るのはその道が目標(出したい成果)に向かう道であるからです。

だいたい、過去の日本にしろ、今の中国にしろ、先行した欧米の成功した道筋を辿ってきたから、イギリスが100年以上かけて成し遂げた工業化を僅かな期間でやり遂げられたわけです。明治維新で、蒸気機関や内燃機関の発明からやり直していたら、やっぱり同じだけ時間はかかったですよね。

ヘンリー・フォードの成功があったから科学的生産技術できて、それを真似したからトヨタができたわけです。先行者は一時期は先行利益に預かれますが、後行者は先行者より速く進むことができるんです。

そして多くの人がやっている方法というのは、うまくいく方法な場合がおおいわけです。
※全滅への道筋かもしれませんがね。

極論すれば、いま食べているものだって、だれかが最初に食べたわけです。それで食べても異常がなかった。美味しかった。だからみんなが食べるようになったわけ。
いちいち成分検査や体への影響を研究してから食べていたら、調べ終わる前に餓死しちゃいますよ。

■同じ轍を踏みなさい

「手垢がついた」と表現されるような方法というのは、確実にうまくいく方法です。

自分の置かれた環境にどのように適用するかは考えないといけませんが、天才的なヒラメキも、血の滲むような努力も必要ありません。

失敗のワダチは失敗の分岐点に注意して、成功のワダチは環境の違いに注意して、そのワダチをたどるだけで、その他大勢の平凡なサラリーマンの成功レベルとしては十分うまくいきますよ。

もちろん、ワダチを見つける努力はしないといけないですがね。


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