「長」のつく役職をもらうと、仕事が一つ増えます。
部下育成
です。
ただ、私はこの「育成」という言葉があまり好きではありません。
どうも、「自分が立派なので、部下も立派にしてやろう」みたいな上から目線というか、増長しているというか…。「何様じゃ?」みたいな感じがするので。
■育てるのではなく、育つ
仕事上で部下というと、自分より年齢的に下の人もいますが、それでも立派な大人です。子供じゃないんだから、「育成」「育てる」なんておこがましいような気がする。
こういうのを平気で言えるのは、その人がよっぽどすごい人なのか、なにか勘違いしているような気がしてしまう。できたら自分はそんな言葉は使いたくないなぁ、と。
じゃあ、どんな言葉がいいのかというと、ボキャブラリーがないので、結局「育成」などという言葉を使っているのですが…
人間、他人に何かを学ばせることはできなくて、結局本人次第です。本人にやる気さえあれば、どのようなことでも学べるし成長もできます。逆に、本人に学ぶ気がなければ、上司だろうが親だろうが先生だろうが、どんなに口を酸っぱくして言っても変わりません。
といって、なにもしないわけにもいかないので、2つのことをやるようにしています。
・環境を整える
・刺激を与える
それで、本人がなにも感じなかったり、何もしなければ、それは相応に評価するだけ。
自分で選択した結果なので、その結果は自分が受け入れるしかありません。
育つときは勝手に育つ。馬を水場に連れて行くことはできても、馬に水を飲ませることはできないということで。
■環境を整え、刺激を与える
ただ、環境がないことには学びや成長は得られません。「ここに学ぶネタがあるよ」と刺激してもらったほうが、興味がわく場合が多いですし、仕事とリンクしなければ、組織の成果にはつながりません。
たとえば、Google の「20%ルール」。
他の会社でやっているところを自分は知らないのですが、一度自分にそれを課してみてください。結構きついですよ。
「何をやるのも自由」だけど何らかの結果を出すこと
っていうのは意外と難しいです。
ただ、こういう会社での環境があるから、いろいろな発想が出てきて、組織が活発になるとともに、そこにいる人が優秀なビジネスマンになっていくというのは理解できます。
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改革型の人材は、育てることはできないけれども、育つものです。
管理職がしなければいけないことは、無理に改革型の人材を育てようとするのではなくて、改革型の人材が育つ環境を整えることです。
育てるのではなくて、あくまで自発的に育つのです。
管理職が育てようとすればするほど、古いタイプの改善型の人材になってしまうのです。
つまり管理職自体が、改善型の管理職から、改革型の管理職に生まれ変わらなければいけない。上司から「こうだよ」と教兄られて部下が育っ時代は、もう終わったのです。
育てられる時代ではなくて、育っ時代なのです。育っ環境をどうやってつくっていくか。
ひとつは、仕事を任せていくことです。
今までのマニュアルを乗り越えていくことです。
明日のために/その10: 部下を育てるより、育つ環境をつくる
中谷彰宏(著) 『管理職がしなければならない50のこと』
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本書では、人財を「改善型」と「改革型」に分けていて、これからの時代、「改革型」の人財が必要、と述べていますが、私個人としては、「両方必要」だと考えます。
どちらも自動的にそういう方向に部下が成長してくれるのではなく、上司たる管理職がどういう環境や仕組みを作ったかに、ある程度影響されます。
※あくまでも「ある程度の影響」で、所詮は本人の考え方や志向の影響のほうが大きと思いますが。
だから、20%ルールでうまくいく人もいれば、「マニュアル化」でうまくいく人もいます。
そういういろんな個性があって始めて組織は力が発揮できるものではないですかね?
■参考図書 『管理職がしなければならない50のこと』
![]() | 管理職がしなければならない50のこと決断できないものに決断を 下すのが、管理職の仕事。マニュアルから外れたところからが、 管理職の仕事。厳しいことでも明るく叱る。 すべての業種で通用する管理職のノウハウを、50の項目で学ぶ。 |
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●本書を引用した記事
セラピストを学ぶ
「だいたい君はいつも」は禁句
答えは相手に言わせると前向きになってくれる
部下は育てるのではなく育つ
予算管理のコツ1:予定外の予算が出せることが管理
予算管理のコツ2:予定外の予算がの確保の仕方
混沌を作り出す
明るく叱る
管理職がしなければならない50のこと
●このテーマの関連図書
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