良くするためには計測する





仕事が「システム化」だからなのか、「システム化」が得意だからシステム屋としてやれているのかわかりませんが、社内のシステム構築をいろいろやる立場にあります。

いろいろなプロセスをシステム化をするときに一番最初にぶつかる問題が、「定義がない」という問題。

たとえば、「効率化しろ」みたいな話は昨今珍しくありませんが、

 「何がどうなったら効率化できたといえるんですか?」

と聞くと




 「仕事量がそのままで残業が減って…」

と言われます。

 「じゃあ、仕事量が同じであるというのはどうやったらわかりますか?」

って聞くと、

 「そりゃぁ、いままでと同じ成果がでることだよ」

と。「仕事量」と「成果」は同じものなのか?

「量」とか「率」という言葉を使うのは簡単なのですが、本来のこれらの言葉は、数字をもって語らないといけない言葉です。それを定義しないまま、あいまいに使うから自己矛盾する。

■とにかく測れ


部下や関係する人によく言う(口癖…ですかね)ことに

 改善したかったら評価できるようにしろ。
 評価したかったら見えるようにしろ。
 見えるようにしたかったら測定しろ。
 測定したかったら定義しろ。
 定義したかったら分解しろ。

って言います。
長いので省略して、「測定できないもの改善しない」ということが多いですが。

つまり、仕事量とは、どのような構成要素がどのような数式で計算された結果なのかが言えなければ、抽象的なままなんですよ。抽象的なものは具体的に見てわかるようにはなりませんし、見えないものが変化したかどうかは、直感以外ではわかりません。

直感は個人のもので他人とは共有できないので、それに基づいて評価することはできません。

だから、

 効率とは、1時間あたりに打つキーボードの打鍵数だ

と定義しちゃうんです。コンサルタントや本の著者ではないので、それが全てを表していなくても構いません。ハズレもトライアルのウチ。

本人がそれが重要だと思うならそれが真実です。永久にそれが真実だとは限りませんが。

「1時間あたりの打鍵数」なら測定できますよね。

それをグラフにしてみたら、どう変化したかは一目瞭然。多くなっていたら「効率は改善した」と言えます。

製造業であれば、「在庫量が多い」といわれても現場は改善できません。一方で、「倉庫に積み上げている部品箱の数を減らせ」と言われれば、改善可能です(本当にほしい改善になっているかは別物です)。

「健康になりたい」では健康になれません。「健康とは歩数が多いことだ」であれば、歩数計を買ってみればわかります。
※ちなみに、私は単位時間あたりの歩数を指標にしています




■良くするためには測定可能にする


なにかを「良くしたい」と考えるのであれば、その構成要素は何かを考え、構成要素を測定可能にする方法を考えると、それに基づいて改善が進みますし、改善したという実感(満足感?)が得られやすいです。

「なんとなく頑張っている」というのではモチベーションも上がりませんしね。

とうぜん、仕事ではこんな曖昧な定義ではダメなので、ちゃんとMECEに分解して、ロジックツリーを書き、それを関係者で議論して、パフォーマンス指標を決めるようにしていますが、個人が個人の目標として考えるときには、あまりしっかりやろうとするとスタートまでに時間がかかってしまうので、適当に決めて「良い加減」にスタートをきるのが良いように思ってます。

効果が実感できなかったり、頭打ちになったら、気分を変えて別のもので測定すればいいだけですから。



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