昇進・昇格面接において、こんな質問をすることがあります。
「プロジェクトや仕事で困ったときに誰に相談しますか?」
多くの人は、「上司」と答えます。
実は「上司」は期待する答えではありません。困ったときに上司に相談するのは当たり前です。
知りたいのは、それ以外にどんな人とつながっているかです。いわゆる人脈というやつですね。
仕方がないので、追加で質問します。
「では、部門外の人なら誰に相談しますか?」
「社外の人なら誰に相談しますか?」
結構、答えに詰まる人が多いですが、早く昇進する人はこれに簡単に答えを出します。
「それがもし経営に関わるような問題であれば、○○さん。技術的なことなら、○○さん…」
みたいに結構な人の名前があがります。
■人脈とは
よく、簡単に「人脈を作る」といいますが、「名刺をもらった人」がたくさんいることを指して「人脈が多い」とは言いません。では具体的に人脈を考えてみると、本にはこんなことが書いてあります。
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あなたは、人脈をどのようなものだと考えていますか?
よく異業種交流会などに積極的に参加して、人脈を広げようとしている人がいますが、名刺を交換して、立ち話程度の会話をしたくらいでは、人脈ができたとは言えません。
それは人脈のきっかけにはなりますが、一方的に「あの人なら知っている」程度の関係は、相手から認識してもらえていないことも多く、真の意味での人脈ではないのです。
私なりに人脈の定義を考えると「その本人に直接連絡が取れて、お願い事のできる関係」とでも言ったらいいでしようか。
田中和彦(著) 『できる人はやっている 上司を使い倒す50の極意』
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人脈の定義は別として、これなら「人脈がある」といえるように感じます。
つまり、「困ったときに相談できる人」という関係ですね。
■人脈を太くする
なにか困りごとが起きて、それを上司に相談します。上司では答えが出せないので、「○○さんに聞いてみなさい」と紹介してもらったとします。
これで、その「○○さん」と繋がりができます。
ただ、上司の紹介だから「○○さん」は答えてくれますが、再びその人に相談するようなことが起きたときに、次は上司を介さずに相談に行けるかというと、なかなかそうは行きません。
これは単に「仕事で接点があった人」というレベルだからです。
そこからは自分で、接点を太くしていく必要があるわけですね。それがある一定の太さを超えたときに初めて、「自分の人脈」といえるわけですね。
一番いいのは、その人と一緒に仕事をすることですが、その人にだって本来の仕事はあるだろうし、初めて会った人に仕事をいきなり頼まれても困るだけでしょう。ましてや1時間位相談に乗る程度ならいいかもしれませんが、自分のプロジェクトに巻き込んでしまうようなことをすれば、次から「アイツは余計な仕事を持ってくるやつ」と避けられても仕方ありません。
関係を作る方法として、私がよくやるのは、一緒に話しているときに、私が持っている知識や技術をわざと見せて、その人の反応を見る、ということをやります。
もし、ちょっとでも反応するようなら、「実はこんなこともできるんですよ」てな具合で、その人が必要としているものを積極的に提供するようにしています。
たとえば、EXCEL でいろんなグラフを書きますよね。おおくのの仕事はそのレベルではみんな必要です。そのときに、EXCEL ではなく、Web に入れると自動計算してくれるツールを持っているので、それをわざわざ使ってみせるわけです。
「反応アリ!」なら、「もしよかったら、○○さんのやっているデータも、これで表示できるようにしましょうか?」みたいに、「相手の仕事を助けてあげられるよ」をアピールするわけです。
相手の仕事がわかると、それを楽にできるような手伝いをどんどんしていきます。
手伝いと言っても、自分の持っているスキルをちょっと使う程度のレベルです。大した仕事ではありません。
これで、紹介してもらった「○○さん」との接点が増えれば、結果的に自分が何か頼もうとしたときにも、「いままでいろいろ助けてもらっているし…」と引き受けて貰える確率は格段に上がります。
さらに、自分のスキルや専門が、相手にわかってもらえれば、その○○さんが別の人から受けた相談でも、「ちょっとこういう人がいるんだけど」と連絡がもらえるようになります。
■Give And Give で
要は、GiveAndTake ではなく、Give するネタをまず探し、Give し続ける。
最初に紹介してもらったときには、当然 Take を先にするわけですが、その中で Give するネタさがしをすることで、そこからどんどん Give のネタを探して行くわけです。
■参考図書 『できる人はやっている 上司を使い倒す50の極意』
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●本書を引用した記事
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