「陣取りゲーム」ってご存知ですか?
調べた所、昭和30〜40年代に流行った遊びなのだそうです。
■陣取りゲーム
適当な大きさなの四角形を地面に描きます。その四角形の隅で指が届く範囲が最初の陣地。
これ出発点として、石を弾いて3回で自分の陣地に戻ってこれたら、その各頂点を結んだ領域が自分の陣地になります。3回目に自分の陣地に戻れなかったときは陣地は拡大できません。
これを順番に繰り返して、四角形のなかで一番広い場所を取った人が勝ち。
■仕事の陣取りゲーム
たとえば、今の仕事とまったく関係ないことを上司や担当部門に提案しても受け入れてもらえることはまずありません。
たとえば、商品設計に関わっていない製造の担当者が、「こんな商品があったら売れるよ!」と言って、商品設計の部長・課長に言いに行っても「オマエ誰よ?」って言われて終わりです。聞く耳なんて持ってもらえません。
たとえ、10年後にその商品が別の会社から販売されたとしても、「10年前にオレが提案したじゃん」っていうのは提案者だけで、その会社では、「そうか、これなら売れるんだ。ウチでも同じような商品を開発しよう!」っていう話にはなっても、過去に提案があったことなど話題にもなりません。
仕事は陣取りゲームで成り立っているからです。
つまり、今ある陣地からみて、飛び地は作れません。自分の業務に近接している領域には自分の影響力は行使できますが、業務にまったく関係ないところには自分の陣地は作れないんです。
■陣地を広げる工夫をする
自分の仕事は自動的に広がることはありません。自分自身か、上司に意思がないと広げられません。
もし、現状以上に仕事をするつもりがないのであれば、基本、余計なことはしないことです。
たとえ、隣の部署でとっても不効率な仕事の仕方をしていたとしても、もっと成果の上がる方法があったとしても、見てみないふりをするのが「吉」です。
逆にもっと色んな仕事をしてみたいと思うのであれば、自分の陣地の範囲から、ちょっとだけ広いところに石を転がしてみることです。
ここで、欲張って石を遠いところに転がすと、戻ってこれません。ほんのちょっとだけ陣地の外に転がすのがコツ。
もうひとつのコツは、1回目は陣地から離れる方向に石を転がして、2回めと3回目は陣地に戻る方向に転がすことです。
これで戻れる確率は格段に上がります。
たとえば、上記の例でいえば、商品設計の部長や課長に、「こんな構造だと
製造費が下がる」と提案してみることです。
これなら聞いてくれる確率は格段に上がります。
当然、「いくら下がるのか?」「その設計変更によっていくら部品費が上がるのか?」には答えないといけませんが、「どれだけ売れるのか?」「どのくらい社会的ニーズがあるのか?」よりはちゃんと答えられるでしょう。なにしろ自分の本来の仕事の領域の話なので。
もちろん、話の持って行き方にもコツはありますが、どんな提案をするかは、出発点が自分の陣地にあるかどうか、自分の陣地から離れすぎていないかが、聞く耳を持ってもらえる重要なポイントです。
いくらいいアイディアであっても、実現できなければ、紙くずほどの価値もありません。
最終的に、自分の考える商品を世の中に出すには、そうやって陣地を少しづつ広げていって、設計という領域を覆ってから初めて出せるものなんですね。自分の陣地に組み込んでしまえば、あとは自分の思い通りに物事を進めても文句は言われません。
※さらに大きな陣地を持っている人から突っ込まれる可能性は否定しませんが…◆このテーマのおすすめ図書
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