みんなで考え、独りで決める




問題対策で失敗する原因は以下の様なものが考えられます。

 ・対策の検討時に抜け漏れがある
 ・問題の特定が間違っている
 ・関係者の積極的な協力が得られない
 ・短期的な成果と長期的な成果の仕組みがない
 ・その対策の副作用が考慮されていない
 ・ゴールが明確ではない、関係者が思い描くゴールがそれぞれ異なる

これらのうち多くの者は、関係者と事前にきちんと調整をしておけば回避できるものが多いのは、見ればわかるでしょう。

■一人で考えてはいけない

★P120〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●社長であってもひとりで決めない
いま、プロコン・リストづくりに際し、「でみんなで話し合う」と書きましたが、重要なのは、ひとりで考えないことです。ここでそれには、二つの理由があります。

まず、複数の視点で考えるほうが、ひとりで考えるよりすぐれた結論を出すことができるからです。

ひとりは、ひとりの限界を超えません。わたしだってそうです。偉そうなことを言っていますけれども、わたしがわたしの能力を超えるということはありません。けれども、ほかかの人は、常にわたしとは違う視点を持っています。

みんなで話し合うというのは、多数決で決めるということではありません。最終的に決断するのは、責任者です。

話し合う相手が、社内の人の場合はもちろん、コンサル夕ントであっても、社外の友人であっても、それは変わりません。

最終的に決めて、その結果に対して責任をとるのは、あなたが社長なら、あなたです。

あなたが決めて、あなたが責任をとる。でも、検討の段階では、できるだけ多くの視点が加わったほうがいい。たいていの場合、複数の目が入ることで、プロコソ・リストにも見落としがあることが発見されます。自分が思っていることというものには、結構見落としがあるものなのです。

ひとりで決めないで、みんなで話し合ったほうがいいもうひとつの理由は、その話し合いの過程のなかで、みんなが納得していくことにあります。

これは、後半に出てくる解決策の実行とも大いに関係します。したがっで、このメリットは、話し合う相手が社内の人である場合に限られます。
 :
 :(中略)
 :
そうやって、みんなが納得していないうちに新しいことをいきなり断行し、あげくのはてに失敗したら、たいへんですね。

経営者としての存在意義を疑われることにもなりかねません。

繰り返しますが、【みんなで話し合ったからといって、必ずしも、みなの意見にしたがわなくてはいけないわけではありません。

決めるのは、責任者であるあなたです。

でも、その話し合いの過程に加わった人は、参加意識を持ちます。それが、最終的な決定に対する支持と行動を生みます。そのことが、決定事項の成功確率を上げます。

小宮一慶(著) 『ビジネスマンのための解決力養成講座
―――――――――――――――――――――★


本書『ビジネスマンのための解決力養成講座』に書いてあることを、私はいつも意識してます。

つまり、

 考えるときには、関係者で考える
 決めるときには、責任者だけで決断する

というやり方です。

もちろん、自分が責任者ではないときには、責任者に決定を委ねる事になりますが、そのときにも「オプションは出しますが、あなたが決めてください」というようにしてます。

「オプション」とは選択肢のこと。
つまり、どのような選択肢があって、その選択をするとどのようなことが起きる可能性があるのか。それはどのようにリスクヘッジすることができるのか、については担当であったり関係者で検討します。

それらのオプションには、長所も欠点もありますので、「これ以外にない」「これが最高」というモノはありません。どれを選んでも一長一短なんです。

だから、最後は決断することが必要になるわけで、それをするのは責任者の仕事なわけです。

■迷ってはいけない

論理的に正しい判断をするのは簡単です。誰がやっても同じ結論が得られるのだから、責任者の出る幕はありません。

一方で、どれをやっても一定のリスクはあるような場合には、論理的にではなく「意志を持って」決断することになります
責任者として「これでやる」と決めたら、他の案のことは忘れる

忘れないと、やり始めたあとに、メンバーから文句がでたら、「やっぱりこっちのほうが…」とかいろいろ迷いが出ます。

 「オレがこれでやると決めたんだ!これで最後までやりきるんだ!」

といい切りましょう。たとえ、心のなかで「あっちでも良かったかも…」と思ったとしても。

もし、そのやり方では「どうしてもできない」と判断したら、潔く関係者に謝りましょう。

 「ゴメン! 間違ってた。今までのはチャラ!」
 「いまの状況をもう一度分析して、オプションを出して!」

未来なんてなにが起きるかわからないんだから仕方がない。あっちもこっちもと欲を出すよりよっぽど効率がいいですよ。





■参考図書 『ビジネスマンのための解決力養成講座

ベストセラー『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』『同「数字力」養成講座』に続く第3弾!「売上げが伸びない」「利益が出ない」等々、日々ふりかかるさまざまな問題をいかに解決するか...。いま、ビジネスマンに求められる最重要スキル、それが問題解決力だ。




◆アマゾンで見る◆◆楽天で見る◆◆DMMで見る◆

ビジネスマンのための解決力養成講座
著者 :小宮一慶

ビジネスマンのための解決力養成講座
検索 :最安値検索

ビジネスマンのための解決力養成講座
検索 :商品検索する



●本書を引用した記事
 二人の責任者をつたてる
 基準がなければ判断はできない
 問題解決を妨げるもの
 ダウンサイドリスクを見積もる



■同じテーマの記事

これだけできれば辞めてもいい:転職してもいい時

過去記事で何度か触れてますが、私は基本的には転職は最後の手段と考えてます。転職自体はキャリアとして有利に働く場合もありますが、リスクも結構あります。つまり、それによる予測不可能性が大きい。平凡な人生を旨とするサラリーマンにとっては、波乱万丈とまではいかなくても、波風の高い外海で大物を釣り上げるより、静かな湖で小魚をたくさんとったほうが安全、と。でも、転職自体を否定するつもりはありません。転職を決断するとき過去に何度か、転職を誘..

イライラしたら飴におさめてもらう

たぶん、仕事をしている時、ついカッとなったり、イライラしたりすることありますよね。実はこういう時のために、私の机の上や引き出しの中には、何かしらの駄菓子が入ってます。イライラを落ち着かせる方法以前の記事でも、何度かイライラしたり感情的になった時に気分を落ち着ける方法について書きました。グリーンなモニタGetWorkDoneMusicパニックになるのを避ける方法実況中継をするランチョン・テクニックで和やかに議論するイ..

他人の感情を読み取る

自分が他人の感情を害してしまったような場合はどうしようもありませんが、感情を害している人を見分けられると、ちょっとだけ仕事がやりやすくなります。感情の沸点が低い人、高い人他人のイライラも受け入れよまた大抵の職場には、怒りの沸点が極端に低く、すぐに怒り出す人がいるかと思います。こういう人の対処方法も同じく、「受け人れてあげること」です。多くの場合、彼らは「瞬問湯沸かし器」という..

細切れ仕事の活用法2

本日は前回の記事で紹介したの中にあった、「コマ切れ時間の活用法」という部分の対策として書かれていた部分の要約的引用。前回の記事で、『「ダラダラ癖」から抜け出すための10の法則集中力を最高にする時間管理のテクニック』にあった「一般的なマネージャは1日に73もの仕事を処理している。1個あたりの所要時間は約9分」という部分を引用しました。では、その解決方法について、本書の提示する方法は以下の様なものです。..

健康になる最も簡単なコツ

こんな辺鄙なブログ記事までたどり着いたあなたらなら、多分他の仕事術の記事も多く読まれていることでしょう。きっと私なんかより多くの仕事の効率化や成果を大きくする方法などたくさんご存知だと思います。※メルマガでは、今週の新着仕事術を紹介してますので、そちらもどうぞ。いろいろ私も本を呼んだり、Webを調べたりして記事を書いてますので、まあ、それなり程度には知ってます。その中で幾つもの本に書いてあるとっても大事なコツ..

仕事のプロセスの教科書3:要約2

久しぶりのビジネス書紹介。いい意味で、「期待はずれ」の一冊でしたので、いつかご紹介したいと思っていた本のご紹介をしたいと思います。本日は、本書『「仕事のプロセス」の教科書』の要約をお送りします。長くなるので分割してお送りしてます。その第2回「とにかく頑張ります」病努力で何とかしようとする人問題分析のブロセスでは、まず、行動する前に「考える」という時間を設けます。この時間で自分の方法を..

TIMTOWTDIメモ3:事前に考える癖をつける

前回、『すごい!メモ術 「ビジネス力」をアップさせる達人たちの手の内を盗め!』の”「中島流」5分間考える段取り術”ができるようになるためのトレーニングステップをご紹介しました。・ステップ1:過去にやったことをメモにする・ステップ2:ルーチンワークをメモにする・ステップ3:メモを振り返って、変形バージョンを検討する・ステップ4:ルーチンワークで事前メモを作ってみるここまで、私の場合は大体2か..

TIMTOWTDIメモ1:やり方はいくらでもある

TIMTOWTDIやり方はいくらでもある本日の表題、ぱっと見て読めました?まあ、普通なら読めないですね。TIMTOWTDIティムトゥディと読むそうです。もちろん略語で、全文はThere is more than one way to do itのそれぞれの単語のアタマの文字をとったもの。Perl というプログラミング言語を作ったラリー・ウォール氏が「プログラ..

集団競技でマネジメントを考える

テレビで一番うそがないのはスポーツ番組である。試合そのものが八百長ならばそうともいえないが、八百長とわかりつつ観戦するなら、それもまた楽しみでもある。勝つことへの執着、駆け引き、そして、負けたときの残念さ、口惜しさなど、一緒になって喜び悲しむことができる。勝つにしても負けるにしても、そこに隠された人間ドラマもまた興味をそそる。絶叫型のアナウンスには辞易..

つまらない会議から抜け出す方法

今日は「会議術」の紹介ですが、どうやって会議をうまく進めるかではなく、どうやって会議から逃げ出すかというテーマです。つまらない会議会議というのは、時間は取られるし、仕事は進まないし、ロクなことはありません。特に、上司から出席するように強制される進捗報告会議。どうせ何を言っても、ご指導が入るだけだし、自分がタッチしていないプロジェクトなんて大した興味はないので、よっぽどメールを見るなどの内職をしていたいのですが、「会議に集中..

会議室の椅子を交換する

会議では椅子を選ぶウチの会社では、会議室においてある椅子は、一括購入なので、統一されていて差はありません。しかしながら、オープンスペースなどにおいてある椅子は、以前使っていた古い椅子やらパイプ椅子やらの再利用品なので座り心地は様々です。さて、会議を快適に過ごすには座る椅子も選びましよう。誰も来ていないのであれば遠慮なくよい椅子に変えましょう。例えば座ったときにギイギイい言う..



posted by 管理人 at 16:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | プロセスマネジメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。