よく「現在への不満」を転職理由として言っていいかどうか、という質問をネットで見かけます。
多くの人が、それについて述べているので、いまさら私がどうこう言わなくてもネット検索をすれば良い答えは見つかります。
ただ、私が過去に見た Q&A ではあまり触れられていないことが本書『転職面接必勝法』に書いてあって、これは確かにそうだよなと思えたのでご紹介。
★P62〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
どんな企業の面接を受ける場合でも、事前に用意すべきなのは、「転職理由」「志望理由」「自己 PR」です。
これらは、面接の「三種の神器」と呼んでいいほど大切なものです。
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:(中略)
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あなたは何をかなえるために転職しようとしているのか。原点に立ち戻って、それをすべての柱に据えるようにしましょう。
この柱を見失うと、「転職理由」と「志望理由」を別々に考えようとします。一章でも例を挙げましたが、「いまの会社に不安がある」ということを隠し、「キャリアアップをしたい」という志望理由を述べると、
「いまの会社ではキャリアアップできないのですか」
と矛盾をつかれたら収拾がつかなくなります。、
いつしか目的を見失い、手段が目的化してしまうことは、日本企業の仕事の進め方ではよくあることです。
最初に手段を決めると、どうしてもそれに固執してしまうのです。
たえず目的を意識し、必要に応じて時には大胆に方法論を軌道修正するというような、いまビジネスの現場で求められている柔軟性を転職活動でも持ちましょう。
目的を維持する一貫性と、方法論を見直す柔軟性が必要なのです。
目的に一貫性を持たせれば、「転職理由」と「志望理由」をバラバラに考えることの不自然さに気づくでしょう。
大切なのは、その両方を貫く「転職ストーリー」を作ること。原点となるのは、「あなたがかなえたい望みは何か」ということです。
細井智彦(著) 『転職面接必勝法』
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本書に書かれている通り、「転職理由」「志望理由」「自己 PR」の三つは、面接の際に必ず出る質問です。
これらは、ひとつづつ丁寧に考える必要がありますが、その三つのあらすじが一致していないと、面接官には「なんか変だな?」になって感じられます。
■面接官が確認していること
面接官はなにを確認しようとして、いろいろな質問を投げているかというと、
・コンピテンシーを見極める
・意思と行動の一致を見極める
ということが主なものです。
「意思」みたいに抽象的なものはなんとでも言いようがあります。一方で「行動」みたいな具体的なことは、あまり融通がききません。
つまり、「行動」からどのような意思があったのかをうかがい知ることができ、それとその人が発言した意思との矛盾があるときに、「この人、ちょっと変だぞ?」と思うわけです。
★P69〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
ある会社の社長は、面接中にプラッとやってきて、
「転職先を選ぶ際にこだわることを三つあげてください」
と聞きます。そして、「なぜ、そこにこだわるのですか」と確かめた上で、「それって、いまの会社ではどうしても実現できないことなのですか」 「当社のどんなところを見て、望みがかなうと思ったのですか」と掘り下げて聞いていきます。
狙いはもちろん、一貫性の確認です。
別の会社では、「入社してやりたいこと」を聞いて応募者の勤めている会社でも実現できそうなことを語ろうものなら、「転職しないほうがいいんじゃないか」と圧迫しています。
それに対してきちんとした理由が話せないと、「転職する目的が認識できておらず、筋が通っていない。またすぐ辞めそう」というコメントとともに不採用にされてしまいます。
転職理由をきちんと固めておかないと、こういった一貫性の欠如に気がつきません。
本番で突っ込まれ、その時点ですべてが終わってしまいます。
先ほど挙げた事例でも、評価が納得できないことが理由で転職までしようと思うなら、次の会社を探す時には当然、どんな評価制度なのかは調べておくべきです。
だから志望理由に「なにより評価制度がきちんとしていると判断したので応募した」と答えれば筋が通り、一貫性が生まれるのですが、そうじゃないとチグハグになるわけです。
細井智彦(著) 『転職面接必勝法』
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こうして、「意思」を聞いておいてから、どんどん掘り下げられると、矛盾したことを言ったり、やってないこと露呈してしまうひともいます(少ないですが)。
逆にこういうのをきちんと答えられる人なら、「考えて行動してまた考える」というサイクルを回せる人だと判断できます。
■転職理由として不満は言ってもいいか?
ここまで読んでいただければ、冒頭の
「転職理由として不満はアリか?」
はたぶんわかると思いますが、どのような理由であろうと、三点セット(本書では「三種の神器」)が首尾一貫していれば、それは問題ないということだと考えます。面接官としても、今の会社に不満があるから転職を決意したということは理解してます。
つまり、不満を隠して転職理由述べる必要はありません。
一方で、不満を持つということは、理想があるということです。その理想を語らないとほんとうの意味での「理由」はわかりません。これは、「××がやりたくない」では、××以外の何ならいいのかわからないんです。
「○○がやりたいし、その力はある」
と述べないと相手には理解してもらえません。本書にあるように、志望理由と転職理由、自己PRはワンセットなのですから。
■参考図書 『転職面接必勝法』
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