課長や係長に昇進すると、いままでやったことのない業務をしないといけなくなります。
もっとも変わるのは、「部下」がいること。
当たり前なのですが、いままでは単なる部下をやっていればよかったのに、これからは、上司をやりつつ部下もやらないといけなくなります。
「上司をする」というのは何をすることか、というのは実際多岐にわたるので、実際に経験しながら本書『課長のルール』のような管理職向けの本を読んでみていただければいいと思いますが、もっとも違うのは、「他人を評価し、評価の結果をフィードバックすること」だと考えます。
本日は、さらにその一部、評価結果をフィードバックする技術について。
■初めての部下へのフィードバック
いまではすっかり慣れましたが、部下に会社としての部下の評価結果を伝えるというのは、最初の頃はかなり緊張しました。
「反発されたり、落ち込まれたりしたらどうしよう」とか「この人の長所・欠点は何だろう?」「うまく伝えられるだろうか?」という点もありましたが、一番困ったのは、「なんでこの評価点なの?」という根本的なところを知らないこと。
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●人事評価で気を付けるべきポイント
私が課長をしていた時期、最も気を使ったことの一つは、毎年 4 月ー日に、自分の部下たちへ、前年度の人事評価(考課)票を交付するという仕事でした。
私は、部下に、この昇給通知を渡す際には、ー人ー人個室に呼んで、評価の「説明」をしました。
説明の中身は、
1.どうして、今回の評価結果になったのか
2.その部下に期待していたこと、次期以降に期待すること
3.部下の仕事に問題点や課題はあるのか
特に、 2 と 3 は、部下と一緒に考え、共有するというス夕ンスで行いました。
これは私が、まだ係長であったときに、当時の課長から教えられ、そのとおりに実行していただけだったのですが、今思うと珠玉のアドバイスをしてくれたものだと感謝しても仕切れません(この方法は現在「フィードバック面接」という解説がなされています)。
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:(中略)
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さらにあなたは、部下の仕事内容を判断し評価するのに、部下と業務に関して、相談・面談などコミュニケーションをとる機会を今よりももっと増やすことになるはずです。
フィードバック面談ないし期中の日頃の面談の際には、部下から不満や文句が出ることは当然ですし、むしろそれを歓迎しなければなりません。
価値観が激突しなければ、お互いが真の納得など得られるはずもありません。
そんな衝突も常日頃から部下とのコミュ二ケーションの回数を重ね信頼関係を育んでいれば、ことがそれほど大きくなる心配もなくなるのです。
吉江勝(著) 『課長のルール』
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初めての部下との面談は、「前年の評価結果を伝えて、今年の目標を決める」という2つのミッションがあります。
これが、新任管理職だとすごく難しいです。
たしかに、本書にかかれていることは、一般的に評価面談で重要と言われていることなのですが、新任管理職の場合は、その評価会議に参加しておらず(評価会議があるのは昇進する前ですので)、どういう経緯でそうなったのかは聞いてません。さらに、会社の評価のプロセスもほとんどわからないでしょう。
そんな中で、部下を持ったから「評価結果を伝え、今年度の目標を説明しておきなさい」はちょっと酷。
※本来は、評価結果は前の上司が伝えて、目標は今の上司と決めるのがいいのですが、評価結果は年度をシメてから1ヶ月くらい後になるので、前の上司はもういません。結局今の上司になる新任の課長が伝えることになります。
※他の会社はそうでもないんだろうか?
■慣れるまでは元上司に指導してもらう
なにをすればいいかというと、会社のプロセスや部下との面談、方針の決定などに慣れるまでは、元の上司に指導してもらうことです。
元の上司が、自分の昇進と同時に昇進して今も上司というのであれば、指導してもらうことも簡単なのですが、元上司が別の部署に行ったりしたような場合は、追いかけていってでも、「どうすればいいでしょうか?」と教えてもらいます。
元上司なので、部下のことはよく覚えてますし、1年位はサポートしてくれますので、本書にある3つの項目を聞けばいいんです。
それを逐一メモして、自分の言葉に直して部下に伝えれば、部下からは「昨日まで同僚だったけど、上司としてちゃんと見てるじゃん」という評価ももらえますし、上司としての説明責任も果たせます。
もちろん、部下の未来については、元上司は考えてくれないので、自分が考えないといけないのですが、昨年度までの方針を180度転換するというのはあまりやらないで、10度くらいづつ転換していくのがいいです。なので、今後の方針についても、昨年度までの説明の仕方を上司に聞いて、それに自分の考えをプラスして部下に説明すると、部下以外の関係者も驚かせずにすみます。
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