上司として、部下を叱る時というのは結構勇気というか気合がいります。
それでも、上司が部下を叱らないといけない時があって、その時には勇気を出して部下を叱ります。
その時に、部下は、おそらく自分でも「弱点だ」「問題だ」と認識されることを指摘されることになります。
たくさんある中で、「これは絶対に言わなくちゃ」という点を指摘するのですから、本人がわかってないわけがありません。
気づいてないふりはするかもしれませんが。
自分でわかっていることを、他人から指摘されるのは、「カチン」と来ます。
子供の頃、母親に「宿題をやらないと勉強についていけないでしょうが!」と怒られて、「うるせーババア!」と逆ギレした経験もあるでしょう。アレですよ。
■小言は素直になって聞く
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●上司は部下の強み、弱みをよくわかっている
部下を組み合わせて、チームとして戦いたいのが、上司です。
となれば当然、部下の長所・弱点というのは、よく見ているものです。
どこに強みがあり、どこに弱みがあるのか。その強みを生かし、弱みをカバーする形で仕事を組み合わせたり、メンバーを組み合わせたりしています。
逆にいえば、上司が部下に指摘することは、部下の弱みや苦手なところであることが多い、ということです。
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:(中略)
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褒め上手の上司であれば別ですが、基本的に強みや得意なところは、上司はあえて言いません。
そうなると、いつも弱点ばかりを言われることになります。しかし、そうした小言こそ、部下は大事にすべきなのです。
わざわざ上司が、指摘してくれているのですから。それは、期待の裏返しでもあるのです。期待していなければ、弱みを修正する機会など、与えようとは思いません。
小言をうるさがったり、うっとうしがったりするのではなく、素直に聞き入れる。それは、自分の短所を知るきっかけであり、弱点を力バーするきっかけになるのです。素直な気持ちを持ち続けている人は、まわりが応援したくなるし、ずっと成長を続けることができる人です。
岩田松雄(著) 『「君にまかせたい」と言われる部下になる51の考え方』
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■上司の言い方に注意を払わない
私はいろんなタイプの上司を経験しています。
言い方の上手い人と下手な人がいます。ストレートに言わないと気がすまない人もいましたし、やんわりとうまく言う人もいました。
いずれの場合でも、上司からの小言は、「素直に聞く」ことを意識しています。
たとえ上司の言い方が人格を否定するような言い方であっても、それは上司の表現能力が低いだけなのかもしれませんし。
まずは感情的にならないように、上司の指摘していること、そのものを聞き取るようにします。
その上で、上司が理想とする状態は何かを上司の言葉からしっかり聞き取ることです。
もし、感情的になってしまえば、母親から「宿題しなさい」と言われた子供みたいに、「そんなの知ってるよ!」と反発が出てきしてしまうだけです。そうなれば、お互いに感情のぶつけ合いになってしまい、最悪上司との人間関係を壊します。
なので、上司が
・どのような事実を指摘しているのか?
・どのようにあって欲しいと考えているのか?
の2点に絞って、上司の話を聞くことです。
■上司の指摘したことは改善する
それが聞けたら、上司が指摘したことは改善するようにしましょう。
本書のように、それで成長を続けることができるかどうかは別ですが、上司に言われたことは、よほどの理由がない限り、それ以降は特に注意して、上司から見て改善したように見せることです。
上司は部下の強みと弱みを把握して、強みが発揮できる仕事を割り振るのが仕事です。
つまり、善意に解釈すれば、上司の指摘は、「ここを直してくれたら、もっと自分が使いやすいのに…」と思っているということです。
上司から見て、使いやすい部下というのは、上司から高く評価されます。
使いやすいといっても、なんでも雑用を言いつけられる便利屋ではなく、「上司が成果をだすために有能な部下」という意味です。
それに、上司にしてみれば、勇気を出して言ったことなので、それが無視されたかのようだとかなり「ムッ」とします。
それは、上司からの評価を下げるだけですし、感情的になってしまいます。
悪い感情を持ってみれば、どのような行動も良くは見えないのですよ。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ってやつ。
そうなればあらゆることが指摘の対象になります。
叱る回数も増えてくると、「あいつは、言っても言っても治す気がない」と事実ではなく、精神論で否定的になっちゃいます。
過去記事で、怒られたら「ありがとうございます」といいましょう、ということを書きましたが、ありがとうを言うだけではなく、ちゃんと感謝していることを見せるためには、指摘されたことは直さないといけませんね。
曲がりなりにも一生懸命自分の言ったことをやろうとしていれば、上司としては悪い気はしませんよ。
■参考図書 『「君にまかせたい」と言われる部下になる51の考え方』
![]() ![]() | ベストセラー『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』の著者岩田松雄氏の上司から信頼される部下になるための必須の51ヶ条。 「上司といまいちウマが合わなくて……」 「上司への報・連・相の仕方がよくわからない」 「うまく上司をコントロールして、仕事を上手に進めたい」 こんな風に思っている方もいるかもしれません。 ザ・ボディショップやスターバックスのCEOを務めてきた著者も、もちろんかつては部下だった時代がある。 上に登っていく人は、実力を社内に示すだけでは不足で、上司からの信頼を勝ち取ることが必須。 著者が部下時代にどのように仕事や勉強に向き合っていたか、そして上司としてどういう部下なら引き上げたいと思うのかの本音がまとめられています。 |
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●本書を引用した記事
採用される意見のコツ
成長を加速する報告書の技術
上司の指摘は積極的に改善する
いい話なのか、悪い話なのか、最初に言う
同僚を持ち上げると評価が上がる?
上司は部下の強み、弱みをよくわかっている
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ファーストコールを受ける窓口になる
●このテーマの関連図書
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