社会的ジレンマ




考える力は、他人が出した結論を見るだけでは絶対に付きません。
自分の頭で考え、それを整理し、行動してそれをさらに最初の考えにフィードバックするというループによってのみ強化されます。

本カテゴリでは、さまざまなテーマを設問としてご紹介していきます。
そのテーマについて、ノートに自分の考えを書き出して、それから導き出される結論に基づくアクションを決定して行動してみてください。その結果自分の考えがどのように変わったのか、一度このノートをを見なおしてください。




 Practice Makes Pefect!!



■本日のテーマとお題「社会的ジレンマ」



本日はちょっと手抜きをして、書籍『マネージャーのための交渉の認知心理学―戦略的思考の処方箋』に書いてあった設問をそのまま「お題」にしました。
まあ、私ごときが考えるより遥かに難問です。チャレンジしてみてください。

ただし、設問に対して「自分ならこうする」と答えるだけではダメです。頭のなかで考えるだけでもダメです。

なぜそれが適切なのかを、理路整然と説明できるようにノートに書いてくださいね。

ノートに書くと、論理的に正しいかどうかは、ニュートラルな気持ちで見れば確実にわかります。




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●三者以上の関係:社会的ジレンマ
この二者間交渉のためのアドバイスの考え方は、三者以上がからんでくるジレンマにも応用できる。

価格戦争、広告戦争、また軍事競争のどれにも上述の考え方をうまく使えるはずである。以下のシナリオを考えていただきたい。

・予算のジレンマ
 あなたの組織が会計年度末を迎えているとする。今年度予算の約 20% が未消化のまま残っている。
 大多数の組織がそうであるように、次年度の予算は今年度の予算消化に基づいて立てられる。したがって、今あなたの部署がこの資源を使えば使うほど、次期の予算がより多く配分される可能性が高まる。

 さて、あなたはどうするか?

 浪費に走り、今年度の割当を全額(もしくは少々オーバーするくらい)使いきるか、あるいは無駄使いせぬまま予算を残してこの会計年度を終了するか?

・南力リフォルニアの水不足あなたは
 南カリフォルニアの海岸線にあるサンタ・バーバラ、過去五年間干ばつが続いている町に住んでいる。
 今年の降雨予測も水不足は緩和されない見込みだと言っている。

 市民には自主的な水量節約条例が出されている。

 この条例によって、芝や庭への散水、洗車、その他緊急性の薄い水利用は強く抑制されている。

 あなたの家の中庭は外の通りからは見えない配置になっている。この庭はあなたがこの家を購入した主な理由のひとつであり、これまで多数の高価な植物を庭に植え育ててきた。

 あなたがこの庭に水をまいても、誰も気づかないはずだ。
 あなたならどうする?

 自分の庭に水をまくか、それとも自主的な水量規制のガイドラインに従うか。

・公営テレビ放送
 公営のテレビ放送を視聴し、楽しんでいるとき、この番組放送を支えるための寄付を求められたとしよう。実際のところ、求められている金額は、観ている番組に感じている価値に比べれば安い。寄付金を払っても経済的には十分見合う。

 しかし、あなたひとりが寄付したところで、番組の放映続行が決定的になるわけではない。

 放映継続を決めるのは、実は他の大勢の人たちからの寄付なのである。

 あなたが寄付しても、しなくても決まるときは決まり、そうなればただで番組を観ることができるので、経済的にはそちらの方が良いことになる。

 さて、この公営テレビに寄付金を払うか?

・昼食の注文
 あなたは六人の仕事仲間と昼食をとっている。

 注文をとっているウエイ夕ーがこのレストランでは勘定はテーブルごとにまとめて出してもらうことになっているのだ、と言う。

 あなたは値段の安いサラダでもずっと高いステーキでも注文できる。

 何を注文すべきか?

 あなたが決断する際に、どんな要因を考えるか?

マックス H・ベイザーマン(著) 『マネージャーのための交渉の認知心理学―戦略的思考の処方箋
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■その他の参考図書


これらの本が参考になります

 『社会的ジレンマ―「環境破壊」から「いじめ」まで
 『社会的ジレンマの処方箋―都市・交通・環境問題のための心理学
 『人と社会の相克―社会的ジレンマ・アプローチの可能性
 『職場学習の探究 企業人の成長を考える実証研究




■参考図書 『マネージャーのための交渉の認知心理学―戦略的思考の処方箋




優れた交渉力はビジネスの成功には必須のスキルである。
認知心理学は交渉におけるネゴシエーションの基本となる学問であり、その現実への応用方法を紹介する。
例:1.アンカーリング(係留効果)
  2.Foot in the door
  3.Door in the face
  4.フレーミング
  5.トレードオフ戦略
  6.勝者の呪縛
本書では交渉におけるシチュエーションとして、1対1の交渉だけでなく、現実に起こりうる多数の利害が絡む交渉についても、認知心理学に基づいた戦略を提示する。





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マネージャーのための交渉の認知心理学―戦略的思考の処方箋
著者 :マックス H・ベイザーマン
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●本書を引用した記事
 合理的に交渉する仕組みを作るための質問
 あなたはなぜチェックリストを使わないのか
 複数の仕事を並行して進めるための必須作業
 交渉の認知心理学:交渉の一般的なミスを避ける自問
 献立とレシピ
 マイレージプログラムで航空会社は利益を得るのか?
 新しい技術、プロセスについて試してみる
 結果の成否を検討せずにコミットメントしてはいけない
 合理的に交渉する仕組みを作るためのチェックリスト
 交渉の認知心理学:社会的ジレンマ

●このテーマの関連図書


ハーバード×MIT流世界最強の交渉術---信頼関係を壊さずに最大の成果を得…

「話し合い」の技術―交渉と紛争解決のデザイン

サプライ・チェインの設計と管理―コンセプト・戦略・事例

マーケティング(NewLiberalArtsSelection)

サービス・イノベーション--価値共創と新技術導入

戦略評価の経営学―戦略の実行を支える業績評価と会計システム





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