Webで「腐ったミカン理論」と調べてみると結構ヒットします。
出典はよくわかりませんが、金八先生でもこの話がありましたね。
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金八先生が勤める桜中学3年B組に転校生がやってきます。
その名は加藤優。彼は前の中学で不良グループの番長で、転向の理由は前の学校から追い出された。
加藤優の前の中学校の担任の先生は「不良生徒は腐ったミカンと同じで、同じ箱の中にひとつでも腐ったミカンがあると、それが伝染して他のミカンも腐ってしまうから、腐ったミカンは早々に放り出すべき」という考え方を持っていた。
金八先生はこの方針に反対し、「自分はミカンを作っているのではなくて、人間を作っている」と宣言、加藤優を3年B組の一員として迎え入れた。
その後紆余曲折があって、金八先生は、この腐ったミカン理論を見事に打ち破った。
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という物語。
まあ、言い方はいろいろで、「割れ窓理論」「朱に交われば赤くなる」みたいなのもあります。
■組織に害をなす人への対応
通常のマネジメントであれば、腐ったミカン理論は正当かのように言われます。★P16〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●団結を崩す人は組織から外そう
「私には関係ありませんから…」
「納得できないので協力はしません」
「リーダーが決めたことだから、勝手にやらせておけば…」
この種の言動をする人は、組織を根底から崩す人です。
組織で一番恐ろしい存在の一つは、この種のネガティブで非協力的な人が一人でもいることです。
たった一人でも、このようなネガティブな人は、人間の体でいうところの「癌」となります。癌は放っておけば、どんどん広がり転移し悪化します。最後に待っているのは、「死」です。
同じ組織、特に近くにいれば、元々ネガティブでない人達まで影響を受け、ネガティブな思考・存在になっていきます。
「朱に交われば赤くなる」ですから。
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:(中略)
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私は常日頃反対すること自体、決して悪いことではないと思っています。むしろ、反対意見を取り入れた方が、よりいいものになるので、前向きな反対意見を言うことは、組織に貢献するので大いに結構だと思っています。
ただ、ポイントは「前向き」であることです。
つまり、反対するなら代替案を出すべきです。
単に反対することは、誰にもできます。
単なる反対は、みんなの団結を崩すという「ネガティブ」なことをしているだけです。
組織を守るためには、癌になる人の存在は、取り除かなければなりません。それもできるだけ早いうちにです。先延ばしすればするほど、癌である問題児は大きくなり、手遅れになるからです。
浜口直太(著) 『あたりまえだけどなかなかできない組織のルール』
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チームとしてモチベーションを下げるような発言や行動をする人は放置することはできません。
だからといって、それを「外してしまえ」というのは、強力なリーダーシップがある人なら可能なのかもしれませんが、普通のサラリーマン管理職にとっては結構ハードルが高いです。
自分好みの人ばかりをチームとして集められるような実力のある人でもなければ、「こいつはいらん」で人を外していたら、最後は誰もいなくなっちゃうかも。
第一、「朱を入れたら赤くなる」とは言えますが、同時に「朱色」も薄くなるのではないかと…。
薄くなってくれれば、使いようはあるかも。
どんな人であれ、組織の中で、組織の成果に貢献してくれるのであれば、その強みを活かせるようにすることもマネージャの一つの仕事だと考えます。
ただし、選択肢として「腐ったミカン理論」を排除することはありません。
これが唯一の解ではなく、最後に取るべき選択肢のひとつ、と考えるようにしています。
■参考図書 『あたりまえだけどなかなかできない組織のルール』
組織とはどういうものか、意外とわかっていない・守られていない「組織のルール」を、実例を通して具体的に解説します。◆アマゾンで見る◆ | ◆楽天で見る◆ | ◆DMMで見る◆ |
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●本書を引用した記事
批判しない、建議し行動せよ、さもなくば忘れよ
腐ったミカン理論を自分の組織に適用できますか?
攻めたほうが勝つ
ルールに触れるには覚悟が必要
●このテーマの関連図書
あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール(アスカビジネス)
あたりまえだけどなかなかつくれないチームのルール(アスカビジネス)
あたりまえだけどなかなかできない話し方のルール(アスカビジネス)
あたりまえだけどなかなかできない敬語のルール(アスカビジネス)
あたりまえだけどなかなかできない営業のルール(アスカビジネス)
あたりまえだけどなかなかできない教え方のルール(アスカビジネス)