システムシンキングのメリットについて、『レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング』を引用しつつ、拙いながら、システムシンキングを学んできて感じたことをちょっと書いてみたいと思います。
本書『レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング』では、システムシンキングのメリットとして、以下の6つを上げています。
1.経営上の課題を大局的に眺める習慣が身につく
2.複雑な要因間の因果関係を容易に把握できる
3.問題解決のための重要要因を見出す能力を養える
4.効果的なコミュニケーション.ツール
5.アイデアメソッド(収東技法)としての活用
6.ロジックツリーの併用による課題の体系的整理
引用が結構長くなってしまったので、複数回に分けてお送りします。
■問題発見力養成講座:システムシンキングの6つのメリット4
「問題発見力養成講座:システムシンキングの6つのメリット」の最終回です。
残り2つを一挙にご紹介します。
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5.アイデアメソッド(収東技法)としての活用
ジェームズ・ W ・ヤングは、その著書「アィデアの作り方」の中で、「アイデアとは、既にある要素同士の新しい組み合わせである」と述べている。
アイデアを生み出すプロセスは、大きく分けて 2 段階ある。
発散段階と収束段階である。発散段階では、思いついたことをいちいち評価せずに、できるだけたくさん出すことが重要である。
しかし、単に出しっ放しで終わってはカタチにならない。
次の収束段階では、いったん出したキーワードを整理する作業が必要であるが、システム・シンキングは収東技法としても大変優れているのである。
高橋浩一(著) 『レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング』
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6.ロジックツリーの併用による課題の体系的整理
実は、この部分は、システム・シンキングの対象範囲ではなく、ロジックツリーの実務における活用範囲である。
システム・シンキングを活用して、ビジネステーマにもとづき全体を眺めて、課題を発見したあと、課題解決策を考えて実行する。
課題発見後の解決策を体系的に整理するには、ロジックツリーを活用し、 MECE で「ダブらず、漏れず」の形で要素分解をする。
つまり、システム・シンキングを理解することで、ロジックツリーを実務で活用できるという副次的効果が得られる。システム・シンキング活用後のロジックツリーの応用に関しては、第 5 章で説明しよう。
高橋浩一(著) 『レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング』
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■アイディアと論理
「アイディア」と「論理」って両極にあるようなものですが、システムシンキングでは、これらをサポートするツールである、と本書では述べています。
これは、因果ループ図を始めとするシステムシンキングに限ったことではなく、あらゆる思考方法において言えることだと考えます。ただし、「それをうまく用いれば」という条件がつきます。
うまく用いるためには「経験」と「習熟」が必要です。
■考えるプロセスを学びなさい
ここまで、4回に渡って『レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング』に書いてあったシステムシンキングの6つのメリットについて引用しながら、勝手な所見をつけてきましたが、ちょっとシステムシンキングに興味を持っていただけました? もしそうなら頑張って書いたかいがあったように思います。
本書『レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング』は他のシステムシンキングの本と違うところは、例題から因果ループ図を作るプロセスを事例として書き出しているところです。
他の書籍は、例題→因果ループ図の完成形みたいに書かれているものがわり遠いので、確かに豊富な事例資料を見るぶんにはありがたいですが、それがいきなりできるかのような印象を持ちかねません。
※ちなみに私は、問題を読んで最初の1枚目の絵が、本に乗ってるとホンキで思ってました。
実際に、コンサルタントが作る過程を見たことがありますが、本当に七転八倒しながら作ります。それこそ、下書きだけでも何十枚にもなります(しょっちゅう微調整しているぶんは除いても)。仕事でそういう図を作っている人ですらそんなふうなのに、シロートがいきなり完成形の図を書けるわけがありません。
「つくるプロセス」すなわち、システムを考えるプロセスを知らないとダメなんですよ。
なんて、エラそうに書きましたが、私自身まだまだ初心者の域を出てませんからね。誤解なきよう。
■経験を積むためには添削してもらえ
習熟するためには指導者が必要ですので、いくつもの事例に適用してみて、それをセミナーなどに持ち込んで、講師に聞いてみてください。私の経験だと断られたことがありません。
私はコンサルタントと仕事上お付き合いがありましたので、この手のコンサルタントさんにも面識ができて、彼が因果ループ図を作る過程を見ていたり、自分が作った因果ループ図にコメントを貰ったりできたというのが結構大きかったかもしれません。
もしそういう立場にない方は、やっぱりセミナーなどに出かけていくとか、コンサルタントが主催する勉強会に参加するといいかもしれません。
経験的なもので、強調してもあまり説得力はないかもしれませんが、独学では、結構簡単につまづきます。つまづくと嫌になってしまうので、本格的に使えるところまで習熟できないです。
こういう思考方法みたいなものや、その図解ツールは、添削してもらうのが一番勉強になります。
もちろん、身近に使える人がいるというのが一番ですが。
※注記:システムシンキング
※ 普段は、「システムシンキング」ではなく、「システム思考」と呼び習わしてます。意味的に違いはありません。
※ この記事では、本書『レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング』に従って、「システムシンキング」と呼ぶことにします。
■参考図書 『レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング』
![]() ![]() | 「着眼大局、着手小局」という言葉がある。「勝負を大局的に眺め、効果的な次の一手を打つ」という意味であるが、まさにビジネスパーソンに必須の姿勢である。本書ではとりわけ重要な「着眼大局」の手法であるシステム・シンキングを丁寧に解説し、真の問題を発見するスキルを養成する。 システムシンキングの6つのメリットは以下のものである。 1.経営上の課題を大局的に眺める習慣が身につく 2.複雑な要因間の因果関係を容易に把握できる 3.問題解決のための重要要因を見出す能力を養える 4.効果的なコミュニケーション.ツール 5.アイデアメソッド(収東技法)としての活用 6.ロジックツリーの併用による課題の体系的整理 |
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●本書を引用した記事
自分を変える教室3
催促されない
考えるときにはペンを持つ
会議が失敗する理由
ワークショップを理解する
反対せずに異論を言う方法
ストレッチ―少ないリソースで思わぬ成果を出す方法
マインドマップソフトでループ図を作成する方法
会議におけるファシリテーターの役割とは
読書のアウトプットの増やし方
●関連図書
最強組織の法則―新時代のチームワークとは何か
システム・シンキング―問題解決と意思決定を図解で行う論理的思考技術
なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?―小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方
●このテーマの関連図書
システム・シンキング入門(日経文庫)
本質思考:MIT式課題設定&問題解決
世界はシステムで動く――いま起きていることの本質をつかむ考え方